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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

もしあの時に人を殺していなかったら

作者: 戸崎猫男

暇つぶしに書きました。

俺の両親は裏社会の暗殺組織に入っている。

だからその息子の俺も暗殺組織の一員として人を殺さなければならなかった。

確か四歳の頃だったと思う。俺に暗殺の任務が初めて出された。

「人を殺す。ただそれだけの簡単な仕事だよ」

と暗殺組織のボスが言ってくれた。

「わかったよぼす」

その時の俺は『人を殺す』と言うことを深く知っていなかった。

もちろん『死ぬ』ということすらも理解していなかった。



父と母が協力してくれたおかげで楽に俺が殺す人を捕まえれた。

俺はその人を縄で縛りつけた。

「んんッ"!んーーッ"!!」

俺がナイフを持つと、その人は涙を流しながら強く抵抗していた。

「ねぇパパ、ママ。なんでこのひとは泣いてるの?なんで叫んでるの?」

「そんなこと気にするな。殺せ」

「....わかったよ」

俺はナイフを構えた。

そしてナイフを振り下ろした。

だけどその時、なぜかわからないけれど手が震えた。

俺の心が「やめろ」と言っているように感じた。

そのせいか振り下ろそうとした手が途中で止まった。





「.......何やってんだ。早く殺せ」

父の言葉から殺気を感じた。

だから俺は焦った。


『早く殺さないと、早くナイフを振り下ろさないと!

そうじゃないとパパに殺される!!』


そうやってなんとなく感じとってしまった。

そしてその時思い出した。

ボスに言われたことを。





「ねぇぼす。死ぬってどういうことなの?」

「死ぬってのは、今の俺たちみたいにこうやって話せなくなるってことだ」




そのやり取りをよりによって今思い出してしまった。

きっと死ぬってのはおしゃべりとか楽しいことができなくなるってことなんだ。

だから俺が今ここでこの人を殺してしまったらこの人はもう楽しいことができなくなってしまうんだ...

そう考えてしまった俺はさらに躊躇してしまった。

だがもう時間がない。そして最終的に俺が導き出した答えは.....

『やるんだ...俺が!もうこんな思いをする人を減らすために!!この人を殺すんだ!!』

感覚的に俺の腕は動いた。

そして俺の目の前には赤い海が広がっていた。







その後、俺は人を殺すことに何も感じなくなってしまった。

そしてだんだんと暗殺組織の中で成り上がっていき、今ではボスになってしまった。

もしあの時に違うことをしていたら、俺の人生はどうなっていたのだろう。

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