ネコのハナちゃん
ぼくは、ネコだ
にんげんには、ノラねこってよばれている
しんじられない
ちゃんと『リベルタルド・ジ・ディレイ・ボルケニオ』っていうなまえがあるのに
「あ、ハナちゃ~ん。猫缶だよ~。」
きょうも、しらないひとにハナチャンなんてよばれた
パキッ
けっしておいしいごはんになんてつられていない
こんな…おさかなのかおりの……ちょっとひんやりした……おいしい
これはすごくおいしい
「おい、おまえ、なまえはなんだ。」
(にゃにゃん、にゃ~にゃにゃ。)
「そう、良かった!また明日、持ってくるからね。」
あ、むこうにいっちゃった
な~んだ
ぼくのいうことわかんないのか
「ベルだ。ここにいたのか」
あれはともだちの『トラデスタント・ベルリオール・ファンタジア』
「トラ、いまね、おいしいごはんをくれるひとがいた」
「なに? はやくおしえてくれなかったのか」
「いましったんだよ」
「すぐおしえてくれたっていいじゃないか」
(ふしゃあ~~!しゃっ)
(にゃあ~~おっ、にゃ、にゃああ~~っ!)
「ねこちゃん!」
「あらあら、喧嘩しているわね。」
「ねこちゃん、なかなおり!」
「「……にゃ。」」
そのまま、ぼくとトラはこのちっちゃいひとにもってかれた
いまは、クロとシロってかってによんでくる
ぼくたちには『リベルタルド・ジ・ディレイ・ボルケニオ』と『トラデスタント・ベルリオール・ファンタジア』っていうなまえがあるのに
にんげんってじぶんかってだな
だからぼくは、パキッっておとがするときいがいは、クロってよばれてもはんのうしてやんない
くやしかったら、ちゃんとなまえをよぶといい
できるとおもわないけどね
「クロ、シロ。おやつだよ~」
パキッ
「にゃ~ん」
いまのは、のーかうんとってやつ