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神無月の集 2021秋の陣  作者: みふぎゅ
4/11

擬装壁-gisou-heki-

見えないものは どうでも良い


人の目なんて知らないし

他人は所詮 他人だし

言いたい奴には言わせとけ

自分の信じた道を行け



格好良い

耳当たり良い

使い古されてボロボロの信念


そうだね

その通りだね

それが出来る人ならね

そもそも悩んだりしないんだよ




どう見られているのかなんて

知りようもないはずなのに

頭の上から見下ろした

自分自身が囁く



今の対応は良くなかったね

良い人ポイント3マイナス



想像だけの好感度バー

増減に囚われて





お前なんてどうでも良い


人の目ばかり気にして

下される評価に一喜一憂

いつも陰口に目を光らせ

信じられる自分もなくて



都合が良い

人当たりの良い

使い古されてボロボロの人間


そうじゃない

その程度じゃない

それが言える人なんて

そもそも選んだりしないんだよ




どう思われているのかなんて

知りたくもないはずなのに

斜め上から見下ろした

自分自身が差し出す


今の相関図はこんなところかな

使い勝手の良い便利屋ポジション


妄想上の通信簿

偏差値に囚われて





要らないと言われるのが怖くて

使えないと思われるのが怖くて

舌打ちに怯えて

ため息に怯えて


いつも身を固くして

縮こまった頭で

思いつく限りで最上の

外面を描いた厚い殻に籠って




芯を持たない

どろどろの中身を

見られるのを厭うて

築き上げた外壁


中の様子を

窺うことも叶わない

見た目だけは立派な

ハリボテの工作



誰から見ても

80点の出来映え

100点は貰えないけど

落第になる心配もない


目立ち過ぎないよう

目を付けられることもないよう

調整をした心ない造形




大変 真面目で気配りもでき

働き者で人当たりも良し

関係は良好で問題もなし

特筆すべき点も これといって無し


代わりはいくらでも 用意出来そうです





そう捉えられるように

自ら仕向けたはずなのに

形持たない中身が

時化のように荒れ狂う


造り物の外側を見ないで

本当の自分に誰か気付いて


仮想敵からの攻撃に備えて

偽装癖の壁が また形を変える


詰め込まれ凹まされ

押し戻される本質



羽化の出来ない永遠の蛹

一度原型全て失くして再構築するって、勇気あるよなぁ…

昆虫、すごいぜ!

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