表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

3秒ルールの時の3秒は、実際6秒くらいある


「忘れ物は無いか?」


「うーん……あっ、一個だけあるよ」


 そう言って目を瞑るヒカリ。

 まぁね、これがお互い中高生だったらしてますよ?

 しかしながら私も36ですから、ここは大人になってね、はい。


「……へへっ、ありがと」


 ◇  ◇  ◇


 誰にも聞けないような事も、ネットの匿名掲示板でなら気軽に質問出来る。

 肥溜の賢者と言われる彼等なら、素晴らしい答えが見つかるかもしれない。

 えーっとタイトルは……


【娘から好意を頂いている父ですが】


1 名無し@チチ  

どうなの?御意見キボンヌ


2 風吹かぬとも名無し

以下好きな寿司ネタ


3 風吹かぬとも名無し

ハンバーグ


6 風吹かぬとも名無し

イッチの情報無しじゃなんとも言えんよ


7 風吹かぬとも名無し

カリフォルニアロール


8 名無し@チチ

当方36歳、娘14歳。コハダ


11 風吹かぬとも名無し

加齢臭のするスレはこちらですか?


15  風吹かぬとも名無し

犯罪者乙


21 風吹かぬとも名無し

イッチはどうしたいの?そこが問題しょ


23 名無し@チチ 

分かりません。娘カワユス


25 風吹かぬとも名無し

娘はどうしたいのかな?


26 名無し@チチ

聞いたことないですね


30 風吹かぬとも名無し

イッチに何を求めてるのか


32 風吹かぬとも名無し

会話が足りないんじゃない?



 確かに、ヒカリがどういった気持ちでどうしたいのかを俺は知らない。

 

 会話が足りない……か。


 ◇  ◇  ◇


 仕事も終わり、ヒカリと駅へ向かっている。

 会話だ、会話をせねば。

 

「ヒカリ、あのさ……」 


 なんだっけ……なんて言えば……

 スレを思い出せ……確か……


「好きな寿司ネタってなんだ?」


 あれ?これで合ってるのか?


「うーん……コハダ!!」


「ハハッ、父さんもだ。やっぱり親子なんだな」


「父さんが好きだから好きなんだよ?」


 あれ、なんだか風向きが良くない気が……

 で、たしか次は……


「ヒカリは父さんの匂いって気になるか?」


「ぜーんぶ好きだよ。嗅ぐとドキドキしちゃうっていうか……その……へへっ」


 風の民よ、これで合っているのだろうか?

 しかし賢者の助言。

 蔑ろになど出来るものか。


「ヒカリはさ、今一番何がしたい?」


「…………あそこに入りたい」


 駅近くの路地裏。

 立ち止まったヒカリの目線の先には、周囲と一線を画す雅な建物。

 オジサン知ってるよ?

 モーテルっていうシャレオツな建物なんだよね。

 何をするかって?そりゃナニよ。


 肥溜の賢者に導かれる俺達は、宛ら魔王を倒した勇者と姫。

 あそこに泊まり、夜が明ければ宿主はこう言うだろう。


【ゆうべは おたのしみでしたね】


 煩悩と理性が交わる時、股間のジッパーは動き出す。


「父さん? 大丈夫?」

  

 耐えるんだ、理性。

 俺達は負けねぇよな!?いつだって戦って戦って……振り返れば煩悩達が倒れていた。

 今日だってそうだ!!お前が歩みを止めない限り、俺はどんな欲望にも打ち勝ってみせる!! 


「父さん、あそこ行こ?」


「うん、行くか♪」


 次回、運命のテンカウントに入る。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ