男性のトイレが長い理由
はい、と言う訳でですね、私は今女性の下着売り場に来ております。
今年36歳になる訳ですけどもね、えぇ。
吟味してますよ、パンチィとかね。
煩悩がね、理性をボッコボコにしてる訳です、はい。
え?イヤイヤ、私が履く訳ないじゃないですか。
息子……娘のね、娘のパンチィですよ?
何を買ったらいいのか分からない?そんな時は店員さんに聞くのが一番ですよね。
「すみません、ちょっと聞きたい事があるんですけど」
「どうなさいましたか?」
「息子にブラジャーとパンチィを買いたいんですけど、どんなのがいいですかね?」
ここで理性選手のカウンターが炸裂!
煩悩選手堪らずダウンッ!!
「あっ、いやーあははっ……娘のね?」
サイズなんてよく分からないので小さめのサイズを片っ端からカゴに入れ、会計を済ませた。
◇
「おかえり、父さん。どしたの? その荷物」
「いや、必要なモノを色々と買ってきたんだけど……その、よく分かんなかったから自分で合うのを選んで使ってくれるか?」
「へぇ……父さん、こういうのが趣味なの?」
紐パンに紐ブラ。
摘んでゆらゆらと揺らして遊んでいる。
「なっ!? ち、違うんだそれは偶々……」
「へぇ……」
「父さんはもっとシンプルな奴が好きだからな? 色だって薄い青とか……」
「……」
「……」
「……父さんて、えっちな人なんだね」
◇
そうですよ?
私はエッチなおじさんですよ?
じゃなきゃ子供出来ませんからね?
っていうか男はみんなエッチですから。
可愛い子を見かければそりゃもう……ねぇ?
それでも人の親ですから、そこは粛々としてますよ?トイレで。
……あ、すいません。間違えましたね。
粛々ではなくシコシコでしたか。
「父さん、大丈夫? 顔色悪い気がするよ?」
そりゃね、息子が娘になったら色の一つでも変わるよ。
っていうかなんでそんなに冷静でいられるんだ?
普通自分の性別が変わったら落ち着いてなんかいられない……筈。
「あのさ、ヒカリ── 」
「見てみて、可愛い?」
徐にズボンとシャツを脱ぎ、下着姿になったヒカリ。
落ち着け、落ち着け。
一度目を閉じろ。
目の前にいるのは俺の息子だ。
いいか、異性を意識するんじゃないぞ?
「父さん?」
「あ、あぁ……その……」
俺好みのシンプルな下着。
最っ高です。
何よりも透き通る様な肌が理性を完膚なきまでに叩き潰した。
「可愛くないのかなぁ……」
「……イイトモオモイマス」
「へへっ♪」
今宵も厠で粛々と。