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第5話 大変な修行
修行は大変だ。
どんな時でも、集中して浄化の力を使えるように、様々な状況に放り込まれる。
魔物に襲われている状況や、暴漢野盗に囲まれている状況、極寒の地や灼熱の血に滞在している状況など、修行のバリエーションは様々。
過酷なものだから、途中でリタイアしてしまう人が後を絶たない。
護衛の騎士や医療者が一応ついているものの、万が一の事故は少なくなかった。
誰かと合同で浄化をこなす場合は、特に大変だ。
自分の力が十分でも、他の人間が足を引っ張る事がある。
覚悟の足りない人間は蹴落とし、弱音しかはけない人間は隣に立たせない。
私の出来る事はすべてやった。
それでも何度修行の過酷さに、心折れそうになったか。
しかし、ごく一部の才ある聖女候補ともに、何とか最後まで修行を終える事ができた。
それは、同じ故郷から施設にやってきた友人の存在が大きい。