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5話 安泰な二人

やっぱり、戦闘が上手に書けません。

ちょこちょこ改稿しちゃうのは許してください!



英雄たちの規格外は書いてて指が止まりませぬ!







 凄まじいスピードで迫って来る少女に、 サカツ の反応は少し遅れた。


 いや、(ほとん)ど反応できなかった。



--キィィィィッン



 サカツ はなんとか、振り遅れたものの対応はして見せた。


 が、その剣は衝撃に耐えられなく宙へうちはらわれた。

 剣を握っていた方の腕も必然的に上方へと向けられる。



 「なっ...!?」



 目の前の桃色の髪の少女を形容するなら冷たい鬼の様な表情で剣を構えていた。


 サカツ は、いままでに感じたことのないほどの無力感に駆られる。

 

 これが試験じゃなかったらこの少女にとって自分は、そのらへんの有象無象と同等に秒で斬り伏せられるのだろう。

 


 あぁ、私の負けか。



 そして、サカツ は笑った。 圧倒的な力を目の前に気持ちが昂ぶっているのだ。



 いつか、己の慢心を崩壊させたこの少女と対等に渡り合える様になりたい。



 そして、次に来るであろう衝撃に覚悟を決め目の前の少女を見やる。



 「あっ、五本取らないと満点は取れないのかな」



 冷たい鬼の仮面が一瞬外れ、はっ と気づいた様に目の前の少女が呟くと。



 最初は脇腹に鈍痛を感じる、鎧が無ければ真っ二つにされていただろう強烈な一撃だ。


 先ほどの発言からこれでも一撃で気絶させないように、手加減されているんだろうなと感じる。



 「ぐっ」



 痛みに意識を手放さないように、歯をくいしばる。


 そして、ただでやられてなるものか。 と、痛みに耐えながらも渾身の一撃を振ったが。


--いないっ


 その抵抗も虚しく、ひゅん と空気を切り裂いた。


 そこには先ほどまでいた少女の姿は無かった。



 次に、感じたのは背中の激痛。 全身に恐怖が(ほとばし)る。


 衝撃に耐えきれず、体が前方へと吹き飛ばされる。


 

 と思いきや、突如目の前に少女。 否、 "鬼"が現れる。


 そしてまた消える。

 と、同時に腹部に耐え難い衝撃が走る。



 --格が違いすぎるっ...


  切り上げられたのか、前方向に飛んでいた体が上方へと方向転換され サカツ の 身躯(しんく)は宙へ浮く。



  空中に打ち上げられてからは、もう意識は朦朧としていた。


 左右の脇腹にカンッ カンッ と鉄が鉄を叩く音を聞いて サカツ は呆気なく意識を手放した。



 どさっ。



 満身創痍(まんしんそうい)の サカツ は力なく地面へと落ちた。



 遅れて、ルル も とんっ と 軽快に地面を鳴らして着地した。



 試験時間は僅か30秒。 剣術の部において学園創設以来最速で満点をもぎ取った。



 「少しやりすぎちゃったかしら、でもこれで実技は500点満点ね! あとは筆記だけね」



 そう言って、ルル は無残なまでに、至る所がぐしゃぐしゃにへこんでいる鎧を纏い、地面に付す騎士団長を一瞥(いちべつ)してから、「はぁ」 と溜め息を漏らし、呪文(スペル)を詠唱する。



 「"治癒(ヒール)"」



 目の前の戦士を淡い緑色の光が包み込み、

打撲が癒えていく。


 そして、瞼がピクピクと震え サカツ はゆっくりと瞼を持ち上げ、苦笑して言った。



 「お前は強いな」



 「私は5本入れられたんだろう。 お前の実技試験の点数は500点だ。 筆記試験は 知恵の間にて、三人揃ったら開始だ」



 「はい! わかりました」



 ルル はその指示を受け、騎士団長に一礼して踵を返し、次の試験会場 知恵の間 へと向かう。



 「また、いつか手合わせ願う」



 その サカツ の声を背中に聞き、ルル は 振り向いて元気よく言って少女の笑みを見せた。



 「是非!!」




 


<ルル・ピアキ 剣術の部 500点中500点獲得>







 ***


「<夜空に浮かぶ星々よ我に力を与え給え混沌の世界に爾らからの災害をもたら...」



 ネレ は 途中で詠唱をやめた カーディナ に首をかしげる。



 「ここ室内だから、この魔法は使えない。 やり直してもいい?」



 「ええ、いいわよ」



 カーディナは、星の川(ミルキーウェイ) を習得してからというもの、この魔法の使いやすさに惚れ込み、多用してきた。


 そのため、この技が封じられた今どの魔法を繰り出そうか黙考する。



 そして意を決したように目を開き、詠唱をせずに、人差し指を火力測定人形へと向ける。



 そして、ぼそっ と 呟いた。



 「"神の焔(ゴッドブレイズ)"」



 指先にオレンジ色の玉が生まれる。直径30cm くらいまで大きくなると、その指を離れ、人形へ向かって放たれる。


 スピードは速くはない。



 「あら」



 あまりに拍子抜けな魔法につい ネレ は落胆を口に出してしまった。



 この程度の魔法なら、魔法を少し(かじ)っただけの初心者でも撃てる。



 期待を裏切られたとはいえ、ネレ は監督者として点数は付けないといけないのでその火の玉を見守る。



 火の玉と測定人形との距離が刻々と縮まっていく、そして測定人形へと到達した瞬間。



--ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ



 会場全体が震撼した。 所々、崩れているところも見受けられる。



 ネレ は何事かと周囲を見渡すが、ふと先ほど目の前の少女が放ったオレンジ色の球体が増大していくのが目に入った。



 そのオレンジ色の球体は周囲を焼き焦がしながら大きくなって行く、マグマの様にぐつぐつと煮え(たぎ)っている。



 ネレ はこんな状況に直面したことはこれで2度目だった。



 1度目は、かの大賢者 ルグサ の試験を担当したとき。



 彼の魔法は規格外で会場全体が氷の世界に変えられて、自分の足までもが凍ったときは あぁ、私死ぬのかと背筋が凍ったことを今でも覚えている。



 その時の記録は68万。 大陸新記録だ。



 

 そして今、その時と同じ感覚を体感している。



 周囲のオブジェには火がつき、灼熱の世界に足を踏み入れてしまったような感覚。



 体の至る所にから、汗が吹き出てくる。


 まるで、火山に放り込まれたような熱気が身体中を襲う。



 そして、ネレ は恐る恐る測定人形の隣にある数値に目を向ける。



 「64万...。 私今度こそ死ぬのかなぁ...」



 だが、灼熱の球体はまだ止まることを知らず増大を続けている。


 その間、隣の数値もどんどんと上がっていく、66万、67万。


 そこで球体の増大は終わった。


 すでに、目に見えるところは大体が真っ赤に染まって地獄のような光景が出来上がっている。


 --これでも賢者には敵わなかったか...



 ネレ は朦朧とする意識をなんとか保ち、カーディナ の魔法の終わりを悟って詠唱する。



 「"治癒(ヒール)"」



 焼け焦げた服までは修復できないが、体調は良くなった。



 「凄かったね! 一応67万なんて数字が出ちゃったから500点なんだけ〜〜〜」



 満点を告げようとした ネレ の言葉を聞いてないかのように、目の前の少女 カーディナ は 神の焔(ゴッドブレイズ) を放った手を広げ、勢いよく閉じた。



 「収束」



 ネレ は カーディナに話しかけたままの笑顔を貼り付け あっ、死んだ と自分の最期を悟った。


 

 刹那、巨大ともいえる大きさまで増大した灼熱の玉が一粒の光となった。



 そして、その点と成り果てた光は凄まじく光り輝き。



 爆発した。




 --ドガァァァァァァァァーーン




 爆発が収まると、そこに残ったのは見るも無残な人形と数字を映すモニター。


 そして、呆然と立ち尽くす ネレ と"障壁(バリア)" で自分たちを護る カーディナ のみだった。



 ドーム状の 第二闘いの間 はもう消失しており、強制的に外気を浴びることになる。



 そして、ネレ は数字を映すモニターに視線を移すと、そのモニターは95万という数字を映していた。



 「むちゃくちゃすぎるよ...」



 「私の全力を打ち込んだ。 魔力全部なくなってもう動けない "吸収(ドレイン)" 」


 不意に カーディナ が ネレの腕を掴んだ。


 「無理無理無理無理!!」



 ネレ の魔力が凄まじい勢いで奪われていく、意識が遠のく瞬間に腕が解放される。



 「ほんとに、むちゃくちゃよ...」



 「ん。」



 「あなたの記録は95万、かの賢者 ルグサ・ライアス の記録 68万を超えてあなたが世界最高記録所持者よ。 筆記試験は 知恵の間 でやるからそこへ向かってね」



 賢者を抜いたと聞いて、今までの少女からは想像も付かないような屈託のない笑みを浮かべ、薄紫の髪を揺らす可愛らしい少女に、ネレ は試験の結果を伝えて次の指示を出すと襤褸襤褸(ぼろぼろ)の衣服を(まと)う少女は力尽きその場に倒れこんだ。




 <カーディナ・メーティス 魔術の部 500点中500点獲得>

マリさん の戦いまで入るつもりだったんですが、

予想外に文字数が言ってしまったので、区切ることとします。

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