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2話 邂逅

スイッチ入っちゃうと どばばばばー って書いちゃいます。

入らないと... だらだらだら。





 「えっ、なんでここに...」



 宿に逃げ帰ってきた少女たちは、宿の前で看板に(もた)れる少年を見て、言葉を失う。



 未来では、悪者だったとしても今は賢者として人々に尊敬の眼差しを送られている。

 

 そんな 生きる伝説 に、常人なら即死級の大魔法を(けし)かけたのだ。



 罪人となり、処刑されてもなんら不思議ではない。



 口に出す言葉を慎重に選ぶ ルル。


 しかし、先に口を開いたのは目の前の少年だった。



 「で? いきなり()()()の僕と王女に最高位魔法をお見舞いしたわけを聞こうじゃないか」



 そう ルグサ は心なしか大賢者を強調して、弾糾してくる。


 

 「そ、それは... あの、そうよ! 石こ、石ころが落ちてたのよ! 危ないからどけてあげようとしたの!」



 「君は... 馬鹿なのかい? あんなの石ころどころか 周りの民家だってどいていただろうね。 世界から」



 必死の言い訳も虚しく、大賢者様に愚者のレッテルを貼られた ルル は がくんと肩を落とし俯いてしまった。



「ルル...」



 ルルの心情を悟ってか、マリ が心配そうな声で名前を呼ぶ。



 ルル は握りこぶしに精一杯に力を入れて。



 「おりゃ、"ルルパンチ"!」



 わかってはいた。 わかってはいたけどもその八つ当たりとも言える抵抗は容易く ルグサ に捕らわれてしまった。



 「まったく。 なんなんだ君たちは... まぁ、これからはこんな物騒なことしないようにね」



 ルグサ は ルル の手を離し、立ち去ろうと歩みを進めた。



 ルル と マリ は立ち去る少年の後ろ姿を眺め、ふぅ とため息を吐いた。



 そして、カーディナは。



 「<我が美貌の(とりこ)とせよ我に力を授け給え>"魅了(チャーム)"」




 「「なにしてんのぉぉ!?!?」」



 長い付き合いである ルル と マリ も 吃驚(びっくり)である。




 その魔法を受け、ルグサ が 振り返る。



 目の色は、"魅了(チャーム)"にかけられた人の特徴であるピンク色へと変化していた。



 それを見て、ルル と マリ は え? 成功したの? 任務達成? と 気持ちが浮く。



 カーディナもドヤ顔で二人の方を向き親指を立てていた。




 「本当になんなんだよー。 僕に恨みでもあるのかい? 何か君たちにしちゃったのかな? 」



 ルグサ は呆れたようにそういって笑った、するとピンク色の目の色は元の茶色へと戻っていった。



 そして、失敗したことを悟って悔しそうな表情をするカーディナ。



 そしてその目の色は徐々にピンク色へと変色していき。



 変化はすぐに訪れた。



 魅了(チャーム)されかえされてしまった彼女はとことこと少年の下まで歩くとばさっと少年に抱き付いた。



 「ルグサ様ぁ、カーディナを貴方の花嫁にー」



 普段の静かな彼女とは違い、普段の理知的な目をとろんとさせ、空気がピンク色だと錯覚するくらいに ルグサ にメロメロになり頰を彼の首元にすりすりと擦り付けて甘えている。



 「ちょっ、ちょっ!! ルル ちゃん これやばいやつだよ! 早く止めてカーディナちゃんを正常に戻さないと!!」



 「くっ、でも私たちじゃあいつには敵わないわよ!?」



 ルグサはカーディナの薄紫の髪に優しく触れ、手を通して()いたあとに パチンッ と音を鳴らした。



 すると、ピンク色に染まっていたカーディナの瞳は元の空色へと戻り。


 自分のしていた事を思い起こして、頰を真っ赤に染めている。



 「少しは懲りたかな? 君のやろうとしたことはこういうことだよ。 あまり僕の好かない魔法だ」



 そういって少年 ルグサ・ライアスは、少し不機嫌そうになりながらも今度こそ帰っていった。



 彼女たちは後ろ姿をただ見つめることしか出来なかった。





     *****








 そして、宿の部屋の円卓を囲む三人の少女たち。



 今日の反省会。 カーディナの意味不明な行動を問い詰める会とも言える。


 「カーディナ! いきなり大魔法ぶっ放した気分はどうだった? 気持ちよかった? 気持ちよかったんでしょうね!!」



 「うん。 気持ちよかった。 心残りがあるとすれば、あそこでまだ未熟な若い芽をつめなかったこ、 ぐはっ」



 カーディナの言葉は額にくらわされた ルル のデコピンによって断たれた。



 「で、カーディナ? いきなり 男に魅了(チャーム)かけようとして失敗した気持ちはどう? 気持ちよかった?」



 ルル の言葉でカーディナは ぼふっ と音を立てるように顔を真っ赤に染めて俯いてしまった。



 「わ、悪くはなかった...」



 ぶちっ。


 何かが切れる音が聞こえたような音がした。


 傍観者に徹していた マリ の背中に嫌な汗が流れる。



 「ぐぬぁぁぁぁぁぁああ!!」



 デコピンどころではない、立ち上がり飛び膝蹴りをかまそうとしている ルル を マリ は慌てて制圧する。



 「まあまあ! ひとまず何事もなく帰ってこれたんだから、いいじゃない。 ね?」



 ぷしゅー と鼻息を荒くする ルル が 落ち着くのを待って、次に今後の方針を練ることになった。



 「殺すこともできない、魅了(チャーム)で惚れさせることもできない。 もう打つ手なし」



 正攻法が存在しないカーディナ。



 「当たって砕けろよ! 明日 告白してみるわ!」



 手順を踏まない特攻型のルル。



 「いきなり告白しても上手くいきっこないよー たぶん第一印象最悪だし...」



 一番現実を見れているのは、マリ だけのようだ。



 「あの制服、セレベス魔法剣術学校の制服だよ! うちはみんなでセレベス魔法剣術学校に入学して、好感度を稼いでいくのがいいと思います!」



 「でも、間に合う? さっきも王女と一緒にいたし、堕ちてしまうまでの時間制限(タイムリミット)も近いんじゃないの?」



 「賢者様がこの時間にうちたちを送ったってことは、まだ猶予はあると思うんだけどなー」



 「もし失敗したとしても、また前の世界での出来事を辿れば過去に飛ばしてくれる」




 そして、マリ の案以外に良案も出てくることは無くこれからの方針が固まった。




 賢者様と同級生となるべく、セレベス魔法剣術学校へ入学をすることになった。

 


三人組の会話が苦手みたいです。

この作品を通して 練習しようと思います。

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