1話 初陣
拙いながらも、行き当たりばったりで? 頑張って書いておりますす
時間の流れに逆らい大三英雄と騒がれる前の世まで時間を遡った少女たちはとある宿屋で円卓を囲み状況の整理をしていた。
「そもそも、あの賢者 出鱈目過ぎるのよ! 時間を越えるのは不可能と証明されていたでしょう!?」
理不尽なまでの圧倒的な蹂躙を経て、さらには自分たちを過去ヘまで飛ばしてしまった伝説の人物を思い起こして ルルが不満を吐露している。
「違う。 ルル よく考えてみてあの人は賢者様よ、問題なのは魔術の腕も最上位でありながら 世界で一番とも言われた剣の達人の貴方が軽くあしらわれていたことだわ...」
続いて カーディナもかの大賢者の脅威を口にする。
「魔術、剣術共に最強。 そんな人を惚れさせることなんて出来るのかなあ」
そして、マリが自分たちが今直面している難題を突きつける。
「「「はぁぁぁー」」」
そして、少女たちは深い溜息を零した。
それから数時間後、ついに今後の指針を定めたのだった。
「まず、賢者様を探します。 そして一旦 様子見をして見ましょう」
ルル が、立ち上がりそう宣言すると未来の大英雄たちは勢いよく立ち上り、味わいのある木造の部屋を後にした。
「大賢者さまだぁ? 嬢ちゃんたちも生きる伝説に興味もあるのかい? いい男だもんなあ」
というのは、街の雑貨屋のおじさん。
結局、彼の居場所は知らないようだ。
未来では魔王を打倒した大三英雄と褒め称えられていたがために、自分たちを知らないという人がいるということに違和感を覚える。
聞き込み調査を開始してから時間が経ち、空が夕焼け色に染まった時。
三人の少女たちは、憔悴してぐちぐちと文句を言いながら歩いていた。
「なんなのよ、賢者って! 名ばかり有名で全然見つかんないじゃない!」
「あはは、300年前は魔法剣術学校の首席だったって小さい頃本で読んだことあるんだけどねー」
「え...」
「なによ、カーディナ あんたもなんか言ってやりなさいよ! 溜め込んでたらストレスで倒れるわよ」
急に黙り込む カーディナ に ルル の矛先が向いたと思えば、次に マリ までもが固まる。
「ルル、あれ見てみて。 あそこの二人は...」
そして ルル は、二人が視線を送る方向に顔を向けて目を見開いた。
「え...」
そこには、仲睦まじそうに歩む制服姿の男女。
金髪の可憐で美しい少女 現セレベス王国王女 セレナ・セレベス と 未来にて決闘し圧倒的な力で私たちを捩じ伏せた ルグサ がいた。
「あれだけ探して、見つからなかったのに。 運がいい... <夜空に浮かぶ星々よ我に力を与え給え混沌の世界に...」
この詠唱は、星の川だろうか。 と思った瞬時 ルルは慌てて静止に入る。
「ちょ、ちょっと! なにしてるの」
「"星の川"」
だが、間に合わなかった。
夕焼け空が不自然なスピードで暗くなり星が現れる。 そして星々が一つの団を作り、ぐるぐると渦巻いていく。
ルルは、その様子を肌に感じながらも目の前の少年を見る。
「ちょっ! これやばいってぇ!!」
マリも焦って、少年とカーディナを交互に見る。
突然、目の前の少年はこちらへちらりと視線を送り傍らの少女を抱き寄せる。
そして、時はやってきた。 構築された星々の塊から光のレーザーが ルグサ と少女に向かって放たれる。
「"雪部屋"」
少年がそう呟くと地面から白い壁が生えてきて、抱き合う少年少女を包み込んだ。
そこへ、凶悪な光線が衝突する。
が、全くもってビクともしないのだ。 現カーディナの最強火力の魔法を持ってしても。
光線が途絶えると、雪の半球体が頂上から消えていき、抱き合う少年少女が出現した。
そして、少女は少年に抱き付いており。
少年は、少女を抱き寄せながらも視線をこちらに向けている。
ルルの中に警鐘が鳴る。
「嘘でしょ... はっ離してっ!」
ひとまずその場を去ろうと、驚愕し目を見開いて呆然としているカーディナの手を引っ張る。
「いきなり何してんのよ! 逃げるわよ!」
「カーディナのばかぁぁ!!」
そうして、三人の未来の大英雄たちは英雄らしくもなくそそくさと宿へ向かって逃げていった。
隙間時間でかきかき