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イケメンはすごい

勇者がエリア20のフロアボスを攻略したとの情報をメリアが話してくれました。

そろそろ王城から夜逃げする準備でもしなきゃだなと、部屋に篭もって考えています。


王城の隣にある舘の窓からは光が溢れ、騒がしい声も聞こえてきました。そういえば今日、第1王女マリシティアの生誕パーティーだったなぁと外を眺めながら考えていました。


リューリアは基本パーティー、夜会などの華やかなイベントには参加させては貰えません。

生誕パーティーなどもしたことないですし、なんだかちょっとした隠し子みたいですがこれは50歳になった時リューリアが進言したことだそうです。


「私のパーティーなど必要ないから、他のことに金を回して欲しい」と。


結果私はかなり隠し子的な感じになってしまった、という訳です。


マリシティアの生誕パーティーなど参加したくないから招待されなくてせいせいしました。

メリアは東方生まれのことをヒルデカルトに馬鹿にされるし、私はハーフエルフの子供であることを馬鹿にされるのです。


エルフにとって、東方生まれは野蛮人の田舎者でハーフの子は基本娼婦の子供であることが多いことから汚い存在と蔑視されることが多く、公の場ではそれをずっとこそこそこそこそ言われます。


華やかな行事事以外は参加するので、「どうしてあんな小娘が、」「混血のエルフ」「野蛮人と混血」とかもうずっと言われるのでうんざりです。


私はハーフの母を持っていたので、実際にはクオーターヒューマンというエルフとは別の種族です。


これについてもとても言われるのですっかり慣れてしまい、リューリア大変だなぁと毎日どっと疲れることになりました。


メリアは知らずにエリア20到達を喜んでいましたが勇者がこのエリアに来れば魔王がエルフの森を焼きに来ます。

それか、リューリアが森を焼くかなんですが私になったので悪堕ちルートはないでしょう。


勇者がきもいモブだったら貞操が終わりだし。


ふと、ノックの音が聞こえました。


「はい?どうぞ、」


去年こうやってドアを開けた時には急に短剣を構えた女が出てきたりしたので一応自分の剣を持ってドアを開けます。


「私ですよ、リューリア様」


「あぁなんだ、イリシアか、」


イリシアは一応公爵家の三男なので本来ならばパーティーに居るはずですがどうしてここに来たのでしょう。


「どうしたんだ?イリシア」


「夜会なんてめんどくさくて、、抜けてきたんです」


「君はそういうやつだったな、」


ドアを開けてイリシアを部屋の中に招き入れ、薄いショールを羽織り彼をソファに座らせました。

部屋が月明かりだけで照らされていたので明かりでもつけようかと魔石燈の紐を引こうとするとイリシアに止められました。


「月明かりの照明って風流なものがあるじゃないですか。」


「なるほど、」


外からゴシップなんて撮られたらたまらないし盗聴されててもダメだなと即席の結界を私の部屋の周りにしきました。


無言が続いて正直気まずいです。


「あの、、用がないなら部屋で寝たほうが、、」


「リューリア様‥‥」


「っうわっ、なっ……」


酔っているのでしょうか、イリシアに押し倒されてる形になってる気がします。ビックリしすぎて力が抜けて何もできません。


「俺、好きなんです、、」


どんどん近付いてくるイリシアのイケメンな顔に耐性のないわたしの精神は完全に砕けました。

リューリアのSTRとDEXを全てつぎ込んだ拳を彼の右頬にストレートでぶち込みます。


イリシアは吹っ飛んで、そのまま気絶してしまいました。


「あ~、やっちゃった、、」


彼をベットに運び、治癒魔法を掛けてやります。酔った勢いだ忘れてやろうこの夜のことは、と心に誓いました。



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