勇者の精霊
「ヒイロ、私に付きまとわないでくれ」
「リューリア様がいいと言ってくださるまでは嫌です」
「私は貴殿らの仲間にはならないと何度も言っている。」
「貴女を助けたいんです、周囲から手酷い言われ用をされ、目に余る嫌がらせまで。」
「思い上がるなよ人間。私に構うな」
と、このやり取りをもう10万回ほどやっている感じがします。面倒なのでキツめに言っても見てるのですが何を勘違いしてるのか、「無理をしないでください」「俺がなんとか」「1人で溜め込まなくても」などと言っているのです。頭おかしいんじゃないでしょうか。
ここ3日はこのやり取りを毎分やっている様な気分で寝室に帰る頃にはクタクタです。
「‥‥リア様おかえりなさいませ。湯浴みはされたようですね。もうベットに入られてください、顔がげっそりされてますよ。」
リアと呼ぶ時若干声をうわずらせたのはもちろん聴き逃してません。ベットメイクしてくれたベットはふかふかで寝心地がとてもいいのです。メリアが居てくれれば幸せだし、騎士団のみんなと話している時はたのしいのですが彼はそれがわからないのでしょうか。
「メリア、ありがとう自室に戻りなさい」
「はい、り、リア様!おやすみなさい!!」
顔を赤く染めて彼女自慢の魔術で部屋に逃げ帰ってしまいました。
「ヒラリアだったか?私は憐れに見えるか?」
「気付いていたのか、混血。‥‥貴様は十二分幸せを謳歌してるだろう、そう見えるさ」
「ヒイロに伝えては貰えないか?」
「ヒイロは1度勘違いしたら、自分で気づくまでは意見は曲がらない。そういう男だ。」
「ヒラリア殿は何故ヒイロ殿と一緒に?」
「ヒラリアは、彼に救われたのだ。だからヒラリアは彼に恩を返すと誓った。だから彼と共にある」
「そうか、引き止めてすまないな、もう遅いからはやく戻りなさい。」
私を一瞥し一礼を終えてから彼女は部屋を去っていった。
ヒラリアは話がわかる子だと思ったのを私はかなり後悔することになる。