やっぱり嫌い
「はぁぁぁぁぁぁ本当無理ぃ、、、」
ため息を吐きとぼとぼと歩きながら、勇者から無理矢理離れても行き着く場所はあまり王室から離れていない鍛錬場でした。
休息日前はめちゃくちゃに気合が入るので騎士は皆無我夢中で訓練をしています。私は邪魔になりそうなので端の方のベンチで彼等を見守ることにしました。
「第2王女リューリア・エルブンガルド様でお間違いないですか?」
1番聞きたくなかった声が聞こえて恐る恐る振り返ると甘いマスクの美青年、後ろに獣人の少女を引き連れた勇者がすぐ背後にいました。
「なっ、何故貴様がここに居る!!!」
「リューリア様とお話がしたいと思いまして、ダメですか?」
いいと言わないと殺す、いいと言っても殺すみたいな目で見られても困ります背後の美少女達。
「申し訳ないが、お断りする。私に何かあるならメリアを通してくれ。」
驚いたように目を見開く勇者から離れ、訓練に参加することにしました。とりあえずイライラしていたので剣を振ろうと思ったのです。
「うわ、リューリア様怒ってるよ、、」
「怖ぇぇ、めっちゃ怒ってんじゃん」
上着を脱ぎ捨て他の騎士と鍛錬に励みます。私の死亡フラグだって5割から6割は奴のせいなのですから気を許す訳には行きませんしそもそもあんな風なキャラはかなり地雷なのです。
周りの萌えキャラであろう獣人や他種族の少女達も怖いですめちゃくちゃ睨んできますし。
「リア様…無理すんなよ」
「あぁ、平気だダリアート、すまないな邪魔してるようで」
勇者が私のことを諦めて自室に帰る頃にはすっかり日が暮れ私の服も汗と土埃でまみれてしまいました。
折角綺麗だったのになぁと肩を落とします。あれもこれも全部勇者のせいです。
とにかくこれから前途多難だなぁと再度大きく溜息をつきました。