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世界平和、頑張ります!  作者: マサル
1/1

冒険は、終わらない

連載始めました。よろしくお願いします。

「そっちに行ったよ!」

長い杖を持ち三角帽子を被り、黒いローブの金髪の少女が木の上から指示を飛ばす。

「あいよ!」

赤髪の巨漢の男が、返事と共に森を駆ける。

着ているのは、革のジャケットだけだが、背中には自分の身の丈程まで長い剣が背負われているが、重さをまるで感じないのか獲物を見つけた獣の様に雑草を踏み潰しながら走り抜ける。

「逃げるなよっと!」

一呼吸起き勢いよく飛ぶ。

「ギャギャ!‼︎」

「ギャアギャア‼︎」

五匹の緑色をした皮膚の化け物達が逃げ惑っている。

「おいおい、散々人んちの庭を荒らし回っておいて、逃すと思ってんのかよっ‼︎」

背中の剣を一振りすると、首が三つ程纏めて飛んでいく。

「っち、しくったか」

男が愚痴を飛ばすと、返す剣で一匹を叩っ斬った。

声も発する暇も無く消えて行く仲間に為すすべが無くなったのか、残った一匹の緑色の化け物は男から、一気に飛び退いた。

「あっ! てめぇ! 逃げんじゃねよ!」

男の声が木霊するが化け物は、それに一瞥もくれず少女と男が居ない方に逃げる。

一刻程逃げただろうか、化け物は開けた草原に出ていた。

「ああ、こっちに来てしまったんだね」

化け物の前には一人の男が佇んでいた。

黒髪に黒い瞳、藍色のロングジャケットを着こなしながら化け物を一瞥していた。

赤髪の男に比べれば威圧感も強さも感じない。

「ギャ!」

化け物は、喜んだ。

先程の絶望に比べればなんと矮小な者。

「なにが、楽しいのか知らないけど君あっちの程が良かったと感じるかもよ」

男が藍色のジャケットを翻すと、ガラスの某の様な物を化け物がに投げる。

「ギャ?」

馬鹿にしたように男を見ている化け物に喜悦が浮かぶ。

「じゃあね」

パチン。

男が指を鳴らす。

次の瞬間化け物周りが青い炎で包まれた。

「ギャアアアアッアアアアアア!」

化け物の絶叫する。

「煩いな」

黒髪の男は化け物を気にする事もなく仲間の元に向かった。

「お待たせ」

三角帽子の少女は石の上にちょこんとと座り赤髪の大男が森の中で座り込んでいた。

「遅いですよ、一馬さん」

三角帽子を取ると金髪が光に照らされてより輝いて見える。

「そうだぜ、ゴブ野郎如きに時間をかける暇すら勿体無えんだから」

赤髪の男は、剣を降ろし身体を伸ばしている。

「済まない。 クロス、ソフィア」

軽く頭を下げる。

「か、一馬さん、そんな頭下げる程の事じゃないですよ」

ソフィアは、慌た様子で頭をあげさせる。

「かっか!! 一馬、ソフィアをおちょくってやるな」

クロスは、豪快に笑いながら二人を見守っている。

「そうだな、所でゴブリン達はもういないか? 」

顔を上げると真面目な雰囲気を作り出す。

「大丈夫ですよ、私の<サーチ> 掛かりませんし野良の群れだったんでしょう」

ソフィアがそう言葉を区切るとみんな一斉に息を抜いた。

「けども、久々にゴブ野郎狩った割には強くなかったか? 」

クロスが疑問を口ずさむ。

「まあ、クロスさん仕方ありませんね」

困った生徒を諭すように、答えだす。

「良いですか、魔王が倒されました。 その結果統率を失った魔物達は魔王の眷属では、なく一生命体として活動をはじます」

「ほうほう、それで」

感心したように、頷くクロス。

そのまま、ソフィアは言葉を続ける。

「そうすると、今まで命じられていただけの生物は、己が生きる為の魔物に進化を果たした結果、強くなった以上です」

「ほーん、て事は、勇者様が魔王を倒しちまったからこんな被害が出てるっと」

クロスは、周りを見渡す。

そこらかしこにゴブリンの腕やら足が放置されている。

「そうですよ、まったく考え無しに魔王を先に倒してしまうから魔物も、魔素化せずに物体として残ってしまうんですから」

面倒そうな顔をしたソフィアは、杖を掲げるするとゴブリンの死体は炎に包まれた。

「魔素と魔力のバランスは、今は安定してますけど最終的にどうなるかわかりませんから、本当もう少し考えて欲しかったですよ! 」

ソフィアは、語尾を荒げながらもゴブリンの亡骸を燃やし続けている。

一馬は、なにも言わずに散らばっているゴブリンだった物を火にくべていく。

「すまない、俺の元同郷が迷惑をかける」

村上一馬は、 本当に申し訳なさそうに頭を下げた。

「一馬さん、貴方が謝らなくても良いんですよ! どうせ、何にも考えてない王族が指示したんですし責任を取る勇者達は、いないんですから」

杖を胸の前で抱きながら一馬を諭すように、声をかける。

「まあ、なんだお前さんは最後まで責任を取って此奴らを片付けてるんだから気にするこっちゃねよ」

クロスは、どうでも良い様子で答える。

「本当二人にはありがとう以外の言葉がでないよ」

「一馬さん…」

気恥ずかしい顔をしながらソフィアは、照れている。

「一馬、まあ気にすんな俺は強い奴と闘えれば、満足だしな」

クロスは朗らかな顔をしながら答えている。

「さて、一馬さん此れからどうしますか?」

目につく全てのゴブリンのカケラを燃やし終えると一馬達は、森を出た。

「まず、全部の魔物を狩る」

一馬は、迷う事なくその言葉がでた。

「全部って本当ですか!!!」

ソフィアの叫びが響き渡る。

「ひゃっひゃっひゃっ、やべぇよコイツ、マジだ」

クロスは楽しそうに腹を抱えて笑っている。

「だから、ここで一旦みんなと、おわ」

「嫌です!!! 」

今までで一番大きな声が、辺りに響いた。

「今まで一馬に助けられたのにこんな所で別れるなんて絶対に嫌です」

「そうだぜ。 一馬まだお前に恩すら返していないのに別れるなんて俺が許さねえよ」

二人の体から嫌応なく怒気を発している。

「…いいのか? 」

伏せ目がちに二人を見ると真っ直ぐに此方を見ていた。

「…わかったよ」

大きく息を吐きながら承諾してしまう。

「よし、じゃあとっとと行くぞ」

クロスは、いの一番に駆けていく。

「さあ、一馬さん行きますよ」

ソフィアが腕を伸ばして一馬を誘う。

「…よし、行こうか」

依頼を終えた三人は依頼人の元へと向かった。








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