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九人の超越者  作者: 作者不詳
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冒険者組合にはランクオーバー級で世界の秩序を護る帝という位が存在する。

人格者であり強大な力を有す者が厳正な審査を経て任命される。



余談ではあるがナイン=マクスウェルの兄であるファースト=マクスウェルはもっとも若い帝として剣を司る帝、剣帝として知られている。

何故今、その帝という地位が話題にあるのか…。




王都シュベルク


中央地区ギルド提携宿[潮騒の祈り]


上級貴族等が住む高級街の一角にある高級宿、最新鋭の魔道具と呼ばれる、地球でいう所の家電器具に相当するものが設置され、部屋もまた現代の高級ホテルと遜色のないものとなっている。この世界では転生者と呼ばれる者が認知されていて、魔道具の開祖と呼ばれる人間もそれであった、1000年前に彗星の如く現れたスザク=スドウと呼ばれる男がそうであったとされ、その親友として語られているのがレイル=マクスウェルとされるので恐らくはなんらかの関わりをもっていると思われる、それはともかく開祖のブランドとしてスザクオリジナルと呼ばれこの魔道具を持つだけでも土地が買えるとも言われているほどなのでそんなスザクオリジナルの魔道具を惜しげもなく設置している宿というだけでこの宿のランクはわかるものだ。




そんな高級宿に泊まっている一人の女性、黒い髪にポニーテールにした利発そうな黒い瞳にどこかナインに似ている顔、170ほどで胸も果実のように実り、和国特有の着物と呼ばれる服装を身を纏いスレンダーな魅力を持つそんな彼女の名はリオ=スドウ、魔道具を扱う開祖の商会、現会長であり、炎帝である帝…、そして…。



「楽しみだなあ、息子に初めて会えるのは」



美しい顔を喜色に浮かべてうれしそうに笑う、今回彼女は従者も伴わずに来たのは母親としてのはじめてを誰にも邪魔されずにの事だったが、その目論見は叶わない事になる。










王都冒険者組合

組合室




「おい、母親である事は言うなっつたよな?」



金髪の長い髪を束ねて無精髭を生やし強面の顔を更に歪めた男が目の前の赤毛の髪の少女に声をかける。

190の身長にガタイの大きい強者の雰囲気を持つ男の名前はマーク=リヴァイス、王都冒険者組合の組合長であり、帝を束ねる全帝と呼ばれる最高位の帝だ、彼は公平を重んじ怒ったりは滅多にしないのだが…。




「まあ、噂なんざ、どんなとこでも出るし、仕方ないんだがな」



目の前の赤毛の少女はどこからかナインの母が炎帝だという事を聞いてきてまあ噂に聞こえるほどの新鋭のランクオーバーで見た目麗しい少年の母親がそうなればどこかしらで話は漏れるのは仕方ないとは思うのだが…。



「…まだ俺しか知らない情報なんだがな」


ふと脳裏にある女が浮かぶ。




「(エデンの仕業か)」



とある自分だけが知る事情を思い出しながらつぶやいてこれから起こる事に頭を悩ませる



「(異世界の神に創造神ともあろう人達が自分の惚れた男の親に挨拶したいがためにこんなことをするとは、人間としての体をわざわざ造って組合に来たのにも驚いたが)」



マークは敬虔なクラウディアを主神と崇める創世教に所属していて最高位の司祭にもついており、そのおかげかクラウディアから使徒の称号ももらい、神か人かの判別もできるようになっているのではあるが…。



「(神は気まぐれ、主に自分の欲求を時に優先させる)」


かといってクラウディアへの信仰をやめようとは思わないが



「まあいい、少なくともナインは問題はないだろうが、性格的には炎帝とその他だな、とりあえずお前はナインに謝っておけ、それにここだけの話、ナインは母に事情があって今日まであってないんだ、先んじて言わなかった俺にも非がある」


そういうと赤毛の髪の少女を帰すと


「もう少し守秘義務に関して講習するか、さすがに師匠の耳に入るとな」


マークは数少ないナインの出生と父親も知る人物で、駆け出しの時にレイン=マクスウェルの師事を受けた数少ない弟子の一人でもある、それ故に破天荒なレインの性格と家族に対する情も知っていて、炎帝の性格も勿論知っている。



「(リオも普段はおしとやかで優しいんだがな、それにナインに至ってはエデンとそしてクラウディア様にはまだ会ってないはずだ、リオの事だからはじめての息子との時間を大事にしたいと考えてるはずだからな)」




マークはため息をついて



「第一級危険令発令だな」



そういうと共に組合室を後にした。







冒険者組合

受付カウンター




「エデン、機嫌よさそうじゃない」


顔なじみの冒険者に声をかけられ黒髪黒目の長い髪の美しい女は和服姿でにこりと笑う



「ああ、今日はいいことがあるんでな」



隣に控えている白色の聖女を思わせるような団子頭の翡翠色の瞳をした白いローブを纏った美少女が頷く



「貴女達姉妹を頷かせるなんて男?」



「まあそうだな」



その言葉に冒険者組合の空気はびしっと止まる、この姉妹エデンとクラウディア(実は地球の神とこの世界の創造神であるのだがその事は伏せている)冒険者組合で颯爽と現れてどんな難題の依頼もクリアする事から一目置かれこの容姿であることから男からも声をかけられるが興味もないかのように一蹴される事からこの発言に困惑と驚愕を与えたのだった。


この時点で[黒白の姉妹]と呼ばれ最上級のクラスにいる事もありある種高嶺の花と思われていたのだが…。




この発言によってとある騒動が巻き起ころうとしていた。




こうしてナインの知らない所で彼を包囲するある種包囲網が出来上がっているのだった。







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