転生した場所
機械的なカプセルの中で僕は目覚めた、頭がぼーっとする、手を見ると赤子のそれだった。
「九人目はこれまた愛らしい黒髪黒目の赤子だね、和国の遺伝子情報もいれてみたが、なかなかどうして」
銀色のボサボサ頭に眠たげな瞳、無精髭に白衣を着たなんとも怪しげな男、これがこの世界で僕の父親となる不老不死の賢者レイン=マクスウェルとの出会いだった。
五年後
「ナインー!ナイン」
「なに?シックス姉ちゃん」
父親の研究所を降りた森林で僕は自分より3つ上の六番目の姉、シックス=ロクスウェルを見ながらにこやかに笑った。
シックスはとある砂漠の戦闘部族の遺伝子を持っていて浅黒い肌にオリエンタルな踊り子の衣装を纏っていた。髪の毛は情熱的な赤で拳闘術を得意とする完全戦闘向けだ、幼いながらも冒険者組合で上級レベルの猛者とも闘い認められてることから二つ名は目前とされている。ちなみに冒険者組合というのはテレビゲームでよくあるギルドを思い浮かべてもらえたらいいとおもう。
ちなみに階級は下級、中級、上級、最上級、ランクオーバーとされていて、受けれる依頼もそれぞれ違う、シックス姉さんは八歳にして上級レベルの猛者であるのでこのまま成長していけばランクオーバーも狙える。現時点では僕も父親の伝で五歳にして冒険者組合に所属してはいるが、父親含めて家族全員が僕を溺愛しているのでなかなか依頼に出させてもらえない。
ちなみに家族構成は
不老不死の賢者であり僕らの父親であるレイン=マクスウェル、とりあえず30代後半で不老不死になったといってたから一応40手前っていってる。
そして長兄、ファースト=マクスウェル、25歳、わずか5歳でランクオーバーになった最強の男、身体強化と自己治癒力だけをみたら父親をも越える、スキンヘッドに黒眼鏡で、黒いスーツをきて身の丈を越えるバスタードソードを軽々しく操る、巨人族の遺伝子を受け継ぎ主に無属性魔法を得意とする。完全なアタッカー、子供が好きでよく孤児院に寄付をしている。無口だけれど誰よりも優しい兄さんで僕は大好きだ。二つ名は沈黙の破壊者と呼ばれ裏世界でも一目を置かれる。
次兄であるセカンド=マクスウェルは軽薄であるけれど情が厚いひとだ。エルフの遺伝子情報を持っていて、精霊魔法に長けている、父さんの血も受け継いでいるのでぱっと見は人間にしか見えないけれど、魔法と銃の腕は一級品で色々なひとを助けてる、冒険者組合のレベルは最上級で、二つ名は韋駄天の伊達男、いわゆる女性をみたらやってしまい腕がたつことからだそうだ、魔法適正は全属性、僕みたいに希少魔法までは扱えないけど、ありあまる魔力に任せた魔法は圧巻だ。年は23歳。
長女であるサード=マクスウェルは錬金術と治癒術のエキスパート。だが攻撃もなかなかのもので補助魔術も右に出るものはいない、和国に住む魔人である雪女の遺伝子を持っていて、どことなく無表情な雰囲気もあるけれど、とても優しく素敵な姉だ、真っ白な髪が映えるような美しいひとでもうすでに夫がいる。父さんも嬉しそうだった。二つ名は白き聖女、ランクは最上級、姉さんに救われたひとは皆感謝してる、年齢は22
そして次女と三女であるフォー=マクスウェル、ファイブ=マクスウェル、猫の獣人の遺伝子を持っていて、双子の姉妹だ、偵察能力と隠密に優れていて、手数も多く暗殺特化の二人だ、年は16でここらへんから僕らの年齢差が出てくる、理由としては歳の差がある兄弟もよいとの話で、のほほんとした猫耳の二人は人当たりもよく隠れファンも多い。だが敵となる者には容赦がない二人なので恐れられている。ランクとしては上級、魔法適正はないもののアイテムの使い方や指揮に関しては超一流。二つ名は双星の姉妹、星のように早いそんな二人だからだ。
シックス姉さんはもう紹介してるのでまた後程。
三男と四男のセブン=マクスウェルとエイト=マクスウェル、この二人は魔王の遺伝子を受けついで、大規模魔法を使う攻撃的な二人、だが傲慢さはなくいわば本の虫でどちらかというと双子の姉に比べて穏やかで優しい、七歳でありながらも国ともやりあえることから、殲滅の魔法使いと呼ばれ、冒険者組合でも一目置かれ上級ランクとはいえ、攻撃力さえみれば最上級にもいくくらいである。だが優しい兄達であることには違いない、全魔法を使える。
そしてナイン=マクスウェルこと僕、この時点で全魔法の適正を持ち、様々な加護を持っていて和国の遺伝子を持っていて黒髪黒目、まさか自分が今後様々な加護や称号を授かるなんて思いもしなかったし、まあ続きはまた後日話すにしても、僕もこの時点で上級ランクであり五歳にしてファーストの再来と言われていた。二つ名はまだない。
ちなみに遺伝子の言葉通り、僕らは父さんの遺伝子と優秀な遺伝子を掛け合わせた新種の人間とも言うべき種族だ、ホムンクルスに近いが、きちんと生殖能力もあり人間としては頑丈ではあるがきちんと成長もする。
僕らの素性は一部の人しか知られてなく、遺伝子情報にいたっては、
「ぼくはもてるからね」
意味深な父親の言葉に聞けないでいる。
でも僕の情報、母親といってもいいひとの話はきいていていつか会いたいとおもってる。
まあそれは叶うんだけどね