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九人の超越者  作者: 作者不詳
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冒険者組合王都本店

王都シュベルクには凄腕の冒険者達が集まり、王自らも量より質という気風から向上心が多い者が多い、持ち込む物品や狩りで得た獲物も高品質の物も多く、冒険者組合員も厳正な審査と教育によって公平性を持った人格者が多い、血の気の多い上級者冒険者程度ならば素手で圧倒する実力も備えており、バカな真似をする者はほぼいないといっていい。そんな高レベルの冒険者組合であるからこそ確かな信頼と実績があるのだが、今回驚くべき報告があがった。



「最上級クラスのパーティー[烈火の怒り]が殺されたか」


組合長のマーク=リヴァイスは眉間に皺を寄せてこの報告を聞いていた。烈火の怒りといえば炎神の加護を得た元勇者のパーティーで僧侶や狩人に魔法使いとバランスがいいパーティを組んでおり、高位の加護を得た凄腕だったはずだ、もうすでに世界の脅威になる魔王を三人倒していたはずだ。報告書を見ながら唸る。



「またか、現存の魔法を喰らう魔人」


ここ最近新種とも言えるこちらの魔法形態とは違う魔法を扱い文字通り魔力を喰らい吸収し自分の力に変えるそんな魔人が現れたという報告を受けている、まだマークは見てはいないが、魔法というより彼等は魔術と言っているらしい、


「(魔術といえば魔法という概念が生まれる前に扱われていた謂わば魔法の前身とも言える技術体系だ、今よりも遥かに優れたものだと聞く、太古の人間は人ならず者とも友となり、友を護るために共に戦ったと聞く)」



マークの脳裏にふとかつて聞いた御伽噺が浮かんだ。






太古の昔、創世神が産み出す前に一つの世界があった、その世界の名はパンドラ、災厄の名を掲げながらも慈愛を持った悪神が産み出した世界、その世界は貧富もなく違いも享受し栄えていた。



異種族とも手を取り合い高位の次元の者とも家族となり安寧を享受していた。


そこにあるのは奇跡の御業魔術、世界に接続し行う奇跡の御業。



そこには万物と話し神羅万象を総べる王がいた。


優しくも苛烈なる王、民にも愛され母である悪神にも愛されていた。


父はおらず長き時を経て半身として産み出された。


神であり人である人でない者。


王を護るために護り手達は産み出された。



だがその悪神の力は[吸収]


その富は他者から奪い得たもの。


その平和は他者を滅ぼし築いたもの。


優しき慈愛持つともそこにいるだけで奪う神


それはあらゆる歪みを与える悪しき存在。


やがて悪神は父である神と母である神に討伐され


姉である神と兄である神に封じられ


息子である王もまた存在を消され護り手達も封じられ


その世界は民もろとも亡きものとされた。


そして何もなくなった世界にまた伊吹を与えたのが


創世神クラウディアーーー。




「(誰が書いたかは知らないが、その御伽噺が事実ならばこの世界は二度目なはずだ)」




マークは煙草を吸う



「この御伽噺が神話だとするならばこの世界は元に戻ろうとしている?」



一人そう呟いた。






とある空間




「悲しい、このまま私はこの場所で眠りたいのに」



黒髪の赤い瞳、黒いドレスを着た美しい女は黒く彩られた空間を見ながら


「奪うだけの女である私を眠らせてはくれないのね、では与えましょう、全てを奪いつくして」



そう彼女は呟いた。







「我が主の眼覚めは近く護り手もまた目覚める」



ミカエルは砂漠の大地に足を踏みしめ



「魔法は所詮魔術には及ばず」



ミカエルは嗤う



「少なくとも主ならばこんな世界にはしなかった」



またミカエルは嗤う


「争う事が宿命ならばならば我らが奪おう」



ミカエルはクスクスとまた嗤う



「そう取り戻す我らが王と共に」



そう言うと同時に世界に溶けた






「どうなるんだろうねえ、この世界」


一人の道化師が現れ笑う


「産み出した妹の世界が救われるか?それとも奪われた姉の世界が蘇るか」


道化師は無垢な声で語る。



「まあ、鍵は君だよね、ナイン君、君は君を知るべきだ」



道化師はくるっと反転すると



「始祖神様も面白い役割を僕に与えたよね、道化者、好きなように演目をやれってさ、いいよ、いいね、僕は僕の物語を開演しよう」



にこやかな声で言った。













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