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九人の超越者  作者: 作者不詳
18/23

邪神

勇者にはそれぞれもたらされた特性という物がある、例えばアーサーの扱う聖剣エクスゼリオスの特性は浄化、遍く邪悪を滅ぼす一陣の刃となって敵を滅ぼすのだが…。




「おいおい、マジかよ」


「痛い!!痛い!!」


そこに居たのは光に身を焦がされながらも立ち上がる異形の女だった。



「何故何故!!貴方を手に入れるために全て捨てたのに!!」


リムルはそう叫びながら祈るように空を見る。


「ならいっそ全てを貴方にあげるわ!!ネファルティ!!この人を喰らって!!!」


そう叫ぶと同時に黒い光が彼女を包む。




包んだ瞬間現れたのは胸元を開けた蠱惑的なスーツを着た黒い髪に赤い目の女性。


「おいおい、また美人なのが出てきたな」


アーサーは油断なく剣を構える。


「初めましてこんにちわ、そしてさようなら、私はネファルティ、命を喰らう邪神が一柱」


そういうと同時手をあげると同時に黒い光が放たれる!!



「マジかよ!!」


咄嗟に防御するが弾き飛ばされる!!





「マジで?」



「マジだな」



突如現れたナインに驚きながらも自身の愛剣がぽっきり折れたのを見て苦笑する。


「それってクラウディアから渡された奴じゃないの?」


「そうだな、クラウディア様からもらったなあ」


「破壊不可能だよね」


「そうだなあ」


「それよりもあの人、リムル?」


「違うな」


「なんだか魔法形態も違うみたいだし」



「あら、可愛らしい子がきた…、うそ、まさか」



「うん?」



「[ロストレガリア]まさか失われた導き手が生きてたというの?」


ロストレガリアその言葉を聞いてナインはとてつもない懐かしい気持ちになり首を傾げた。



「わかるか?ナイン君?」


「わからない」


「そうでしょうとも、貴方は、いや貴方様は忘れているから、思い出さねばならない失われし名前を」



ネファルティはふうため息をつきにこりと笑う。


「また会いましょう、愛し子よ、私の名はネファルティ、負の情念を喰らう邪神が一柱、顕現はなった」


そういうと同時に体を消失させた。



「追わないでいいの?」


「リムルは喰われたようだし、剣もこの様だ、色々と気になるが行こう、恐竜も戦車ももう終わったようだ」



「ライザさん達、異世界でも戦えそうだね」


「全くだ」



そう言うと同時にその場を後にした。





「ロストレガリア…失われた王という意味だな」



執務室に戻ったアーサーは眉間に皺を寄せながらかつて勇者として滅ぼした魔人や魔王の断末魔を思い出していた。



「奴らは死ぬ直前、ロストレガリアを持つ者がいればと言っていた」


ナインはもうすでに村の方へと帰らせている。

ライザ達には褒章を与え、セベルクも帰した。



今は一人思考の海に埋没している。



「この世界とは違う体系の魔法、そしてナイン君を見てのロストレガリア、すでにこの世界は何者かに侵略を受けていた?」



アーサーの呟きを誰も聞く者はいない。






「失われたものはまた取り戻せばいい」



黒髪の男ミカエルはにこやかに微笑む



「僕らは大いなる意志でつながっている、大いなる母にね」



ミカエルはにこやかに月を見る


「ナイン、君の存在は転生者にして異質な魂を持つ者」



ミカエルは手を広げ


「君は知るべきだ、何故魔法もない場所で生を受けたのか、そして何故神は君という存在に気付かなかったのか」



ミカエルはにこやかに微笑む


「君こそが大いなる存在であることに気付くべきだ」



クスクスとミカエルは笑う



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