第5話 酒場での暴動
アルトに連れられやって来たのはカリムの酒場!
兵舎より居心地悪いぜ!
「って何でここなんだよ!」
「何でって?」
「いや、だって兵舎にごつい人達がいるからもっと落ち着く場所に行くって言ったのはお前だろ!」
「あれ?敬語はやめたんだな」
「聞けよ!」
めんどくせぇー......何だこいつ全然、全然...わからん!なんて言えばいいんだ!わからなすぎる!俺とアルトは合わない!こいつの感覚は俺とは違うってことか!やっとわかった。
「いや、だってようお前の服もボロボロだしそういうやつが集まる所の方が落ち着くと思ってさ」
え?言われてみれば俺の服ボロボロだわ。洞窟でもギフ・サーペントに噛みつかれたりもしたし、そんな服のまま村まで歩いてきたし、え?これで来たの俺?明らかに不潔な奴じゃん。
「ま、そんな事はどうでもいいさ、何が聞きたいんだ?」
「ん〜最初は何から聞こうかなぁ」
何が聞きたいって言われるとなんか思い浮かばないな。う〜ん、まずは常識的な事でも聞いておかないとこの先大変だろうし。
「じゃあ、ここはどこ?」
「酒場」
「言葉足りなすぎたわ、この村はこの世界のどの辺にあるの?」
「結構端のほうかな、洞窟とか森で見ただろ?魔物とか」
「魔物がいると何かあるのか?」
「魔物は世界の端と東の大陸にしかいないからな」
「へぇ、ていうか森にも魔物出るんだな」
「え?当たり前だろ、出ない方がおかしいぞ」
「1回も会ってないんだけど........」
「なら魔物避けを使ったんだよ、弱い魔物にはよく効くんだ」
「俺の散歩って結構危険だったんだな..........」
「何か言ったか?」
「いや、気にするな」
魔物避けとか初めて聞いたな、ヘルトは何で教えてくれないんだよ。いや、当たり前か教えても意味無いしな、常識だし。
「あ、あと聞きたかったことがあるんだ、身を守る方法とか教えて欲しいんだけど」
「戦いか...」
「どうした?」
「俺はそういうのはわからないんだ、戦った事がないからな」
「なら何で兵舎にいたんだ?」
「自兵連合は別に戦ったりするためだけじゃない、俺みたいに別の場所で働く奴もいるんだ。まぁほとんどはここの周りにもいるような血に飢えたような奴ばかりだけどな」
そうか、戦う以外にもあるんだな。でも俺はハルスとか言う奴を探しに色々と移動しないといけないし身を守れるようになった方がいいだろうな。てかハルスの事聞くの忘れてたわ。
「あのさ、ハルスって奴のこ.......」
「まずい、レジスが来た」
「レジス?あの今来たやつの事か?ってあれ、アルトいないし」
今酒場に入ってきたレジスは連れている子分らしき人に話しかけている。アルトがまずいと言うほどなので気になってドルフは少し耳を傾けて聞き耳を立てた。
「おい、アルトがここに入ったのは本当か?」
「はい、あそこにいる男と入っていきました」
ん?なんか今不穏な話をしてるのが聞こえたんだが、レジスが俺を見てるのと関係あるのか?あるに決まってるよな、てかこっち来たぁ!
「おい!お前アルトって男知ってるか!」
「あ、はい!知ってますけど」
「そうか.....」
レジスはそのまま無言でドルフに殴りかかった。
ドゴォォォォ!!!!
間一髪避けたドルフは何とか転がってレジスの背後に回り込んだ。
危ねぇぇぇ!!!!!何だこいついきなり殴りかかってきて!こんなの食らったら死ぬだろ!アルトの野郎俺を置いて逃げやがって、あとでぶん殴ってやる!
「アルトの連れだな!殺してやる!」
「連れってだけで!?てかアルトここにいないっ.........」
レジスが巨大な棍棒を取り出し振り回し始めた。
「うらぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「ってぇぇぇぇ!!!!!!危ないって!やめろ!」
「おい!レジスが暴れてるぞ!マスターだ!マスター読んでこい!」
なんかあっちでも騒いでるし、何なんだよここはぁ!
「おい!レジス止まるんじゃ!」
なんか爺さんが叫んでるけどあんなんで止まる訳ないだろ。
「うがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
「やめろって!」
レジスは怒っていて攻撃が単純になりドルフでも簡単によけられるようになってきた。
これなら避けるのは簡単だけど、まいったな、食らわずにはいられるけど止まらないぞ。
「だからやめろと言っとるじゃろうが!」
ドゴン!
「はぁ!?」
まさかの途中から現れた老人がレジスを一撃で気絶させた。
何だ?現状が全く理解できない。え?どういう事?暴れてたレジスがいきなり倒れたとしか見えなかったぞ。あと、爺さんの声がしてたけど。
「ふぅ、やっと止まったわい」
「あんた、何したんだ?」
「お前は誰じゃ」
「え?あ、あぁ、俺はドルフだ」
「そうかお前さんがアルトの連れか、歓迎しよう」
「え?何で?」
意味がわからない、いきなり出てきた老人が暴れるレジスを一撃で倒して、俺を歓迎するって?何なんだこれは。
「アルトの稼いでくる金がなけりゃワシらは生きていけんからのぉ、恩人の連れとなれば歓迎するに決まっておるじゃろう」
「へぇアルトがそんな事をねぇ」
老人はドルフの方を見ながら酒場の2階に歩き出した。
「ほら、こっちに来いここよりは安全じゃ、アルトもいるのでな」
「え?アルトがいるのか?」
「ほう、お主アルトに置いてかれたんじゃな。あいつは人より先に自分が逃げちまう男じゃからな」
「全くだ、少しはこっちの身にもなれってんだ」
適当な話をしながらアルトのいる2階に上がっていった。
しかし、この爺さんは強いな。あとでどうやってそんなに強くなったか聞いてみるか。
体を動かすシーンとかはどう表現したらいいのかいまいちわかりません。