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第1話 神の世界

ここは神界 . . .

あらゆるものの頂点に立つ神の住む世界

その世界で1人の神が動いた


「あなたに調べて欲しいことがあります」


天空の神、ファリオネルが使徒に言った。


「人間界にいるハルスという男が神に反旗を翻しています。ですがその男が見つからないのです」

「では私が人間界に降りてそのハルスという男を探し出せばいいのですね」

「話が早くて助かります」

「いえ、ファリオネル様の為ならば」


神の使徒、いや、使徒ドルフは忠誠を誓い、神の間から出た。


「はぁ、それにしてもあの話し方疲れるなぁ。ファリオネル様の事は尊敬してるけど、もっと気楽に話せた方が良いなぁ〜。」


ドルフは神の間から出ると口調が変わる。元々ファリオネルと話していた時の口調は苦手なのだ。


いつもの様にブツブツと独り言を呟きながら歩き、神の間へと続く道にある門のガーディアンに話しかけられた。


「また口調が元に戻ってますよ」

「良いんだよ、別に聞かれなきゃいいんだから」

「普段から意識していないと肝心な時にその口調が出てしまうかも知れませんよ」

「はいはい、わかったから仕事サボるなよ」

「あなたに言われるとは思いませんでしたね」


ガーディアンと日課とも呼べる会話を終えてドルフは自分の部屋へと戻った。


「さてと、人間界の知識でも頭に入れとくか。このまま行ってもどうすれば良いのか分からないしな」


神の使徒の部屋には色々な世界の大まかな情報を映すモニターの様な物が1つ設置されている。それを使いドルフは自分の現れる場所を確認していた。


「おいおい、こんな所で出てきたら神と勘違いされるだろ」


頭をポリポリと掻きながら言った。

その場所とは教会にある祭壇の上だった。


「どうせならもっとこう、なんだ、地味な所から出てきた方が注目されなくて楽なのに。こんな所から出てきたら色々面倒事に巻き込まれそうだなぁ」


独りでブツブツと文句を言ってたら、ドアからノックする音が聞こえた。


「ドルフはいませんか?」

「俺の部屋なのに俺以外誰がいるんだよ. . .」

「いるなら返事して下さい」

「いるぞー!」

「遅すぎますよ。というかもう中に入ってます」

「何!いつの間に!」

「いつもこうして入ってきてますよね?」


この、了承なく部屋に入って来たのはフリノという女性だった。

フリノはドルフの世話役としていつも身を粉にして働いている。


「いつもご苦労!フリノさん!」

「さんは付けなくていいです。それより人間界に関する情報を持って来ましたよ」

「おう!ありがとう!」


ドルフは早速フリノが持ってきた情報を目に通した、が、それは全部さっき自分で見ていた、どこで現れるかという事だけだった。


「あのーこれ全部知ってるんだけど、他はないの?」

「はい、ありません」


断言された。


「え〜ホントにこれだけ?」

「はい、先程資料室に行ったのですが、何故か人間界に関する情報だけ無くなっていたのです」

「う〜ん、まぁいいか何も知らないで行った方が楽しそうだしな!」

「気楽ですね、私はかなり考えていたのですが、無駄だったみたいです」

「だな!」


ドアからノックの音が聞こえた。


「なんだ?また誰か来たのか?」

「私が見てきます」


フリノはドアを開けて外を見た。外には連絡用の精霊が飛んでいて手に手紙を持っていた。


「ん?何の連絡だ?」


ドルフは不思議に思いながら精霊が持ってきた手紙を読んだ。


「はぁ?え、もう?」

「何て書いてあったんですか?」

「そろそろ人間界に行く時間らしいよ?」

「え?随分と早くないですか?」


フリノは時計を確認しながらそう言った。


「ドルフがファリオネル様に言われてからまだ10分程しか経っていませんよ」

「なんか用事が出来たから急がないといけなくなったとか?」


ドルフは普段からファリオネル様は命令してから少なくとも1日以上は行動に移さないので疑問に思っていた。


「まぁ、そんなことはどうでもいいから早く行かないと遅れるな。ちょっと人間界に行ってくるから留守を頼んだ!」

「はい、お気を付けて」


ドルフはフリノと別れを済ませファリオネルの所へ向かった。


神の間へと続く道にある門に差し掛かった。だが少し前にいたガーディアンはいなくなっている。


「おかしいな、部屋を出てから誰にも会わなかったぞ」


その事に疑問を持ちながらもファリオネルのいる神の間に辿り着いた。口調を変えるため少し頭の中で話す練習をしてから入った。


「お呼びですかファリオネル様」

「すみませんね新しく用事が出来てしまったのでドルフが人間界に行くのが早まってしまいました」

「そうでしたか、ですが私は準備なら出来ていますので」

「そうですかなら始めましょう」


ファリオネルはドルフの目を見て頷き、人間界に降りるための装置を起動させた。


「では、頼みましたよ」

「はい!行って参ります!」


ドルフは元気良く返事をして装置の中へと消えていった。



1話目は綺麗に収めようとしたらかなり短くなってしまいましたけど、2話目からはもう少し長くなります。

これから先も投稿していくつもりですのでどうかよろしくお願いします。

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