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俺を勇者に仕立て上げたこの村を赦さない  作者: 月山
〜クアモス村から〜
7/9

〜テイローの彼女なのか?〜

ここはオービス最大の大陸、マグナ大陸の中心に存在する世界最大の国、マクシム王国である。この国は城壁で囲まれており、国の地図を見ればわかるが真上から見れば一辺が6kmの正方形をしている。中心にそびえ立つ王城を中心に東西南北にまっすぐ線を引っ張ったたようにエリア分けされており、貴族の居住区、平民の居住区、商業区で分けられている、その貴族区の中でも一番大きい屋敷の中に国軍のジラン・ゲルカがいた。


「南の勇者に会ってきたぞ」

「そうか、ご苦労。いくらお前でも勇者の卵が相手では苦戦を強いられたのか?」


ゲルカの座る椅子に対して、その向かい会う者サイガ・リードが座る椅子は、少しばかり豪華な装飾を施してあった。それはゲルカよりも位が高いことを示す。それでも互いの言葉に堅さがないのは古くからの親友であり、戦友であるからだ。


「いや、負けた。全ての防具を外した状態であったが、まぎれもなく正面戦闘で負けた」

「な!!?お前が負けた…だと?武神とまで呼ばれたお前がか?」

「いつの話をしているのだリードよ。その二つ名は10年も前に戦場に捨ててきたわ。だがあの戦いは久しぶりに楽しい戦いであった」

豪快に笑うゲルカに対してサイガは笑う、というよりは怪しい笑みを浮かべていた。

「そうか、それなら俺もその南の勇者に会えるのが楽しみだ…いやお前の話を聞いていたらすぐにでも見てみたくなってしまったよ」

「お、それなら今から行くか?リードの転移魔法なら俺も一緒に」

「お前はこれから国王様に南の勇者のことを伝えにいくのだろう?」

サイガがそう伝えると、ゲルカはがっかりしたような表情で部屋を出た。

「ゲルカがああいうってことは南の勇者の実力は本物ってことだな…だがそれなら俺も見てみたいものだ…そうだな…」

サイガは考え事をしたのち、席を立つと、複数名の兵士を連れて、マクシム王国の地下にある牢獄エリアへと足を運び、最近捕まえられた魔物使いの男を連れて転移をした。



「それじゃあここでお別れだにゃ」

リルロ大森林が終わりを迎え、これでもかというくらいに光をリューヤたちに浴びせる太陽は天高くに存在している。森が途切れる場所を境にしてリューヤとサーシャ、テイローがリルロディアンと向かいあっている。まず、ソーラが言葉を発した。

「また遊びにくるさ、どうせ村に帰るにはこの森を通るんだからな」

「その時は歓迎するでやんす。だがその前にソーラ姐との結婚式に招待するでや「何を言ってるんだにゃ!」」

ソーラの風を切る蹴りがケンドの頬に直撃し吹っ飛ぶ。その瞬間にもソーラの腰に巻かれた布が翻り下着の着けていないその中身が丸見えになったのだが、今となってはそれほど反応はしなくなった。当然だリューヤは見えそうで見えない、けれど見えるぐらいのチラリズムが好きなのだ、露出狂混じりのソーラには慣れてしまえばそれほどくすぐられるものがないのだ。などと余計なことを考えていると、ジロリと睨む視線を感じ振り向くと、サーシャがジト目でリューヤを見ていた。

「それじゃ、いくよ。今度ここを通る時は割と有名人になってるかもな…!!!?」

リューヤは森の中から鋭い視線を感じて目を見開く。その視線はリューヤにだけ注がれており、あえて気付かせたという感じであったが、その視線の主はすぐに気配を断ち、リューヤたちに近づいてくるようなこともなかった。一瞬だけ注視したことに気がついたソーラは少し心配そうにリューヤを見つめたが、優しく微笑みなんともないことを伝えるとその合図の意味に気がつかなかったリルロディアンの男どもはリューヤに地味な嫌がらせをした、その光景に笑い出したソーラにつられて全員が笑い出す。そのまましんみりとした雰囲気になる前に、リューヤたちは別れを告げて、リルロ大森林から離れていった。


リルロ大森林をマクシム王国の方に抜けるとまた少しだけ草原を歩くことになる。その草原はガヅイ草原ではない。その先にあるヴェルニノ山脈の名をそのまま借りて、ヴェルニノ草原と言う。ここにはそこまで強い魔物はいないらしく、回復至草(ヒールグラス)を始めとする発見されている薬草の内の10%以上が自生しており、なりたての冒険者がよくいると、ロージから説明を受けており、いくらか歩くたびに周囲を確認するが、今日は誰も来ていないみたいだ。

「どうしたのかな?リューヤは、そんなにキョロキョロして…もしかしてソーラさんが気になってるの?」

唐突に予想もしていない口撃がサーシャから飛んでくる、あまりの急な一撃に回避することができなかった

「そ、そんなことない。ただロージからこの辺はなりたての冒険者がよくいるって聞いてたからちょっと気になってな」

「焦るところが尚更怪しい…でもそれは私も気になってた。今日は全くいないのね」

「そうなんだ、マクシム王国で何かイベントでもあるのか…それとも何かが起こってるのか…もしかしたらさっきのサナリスが、いやそれならもっと荒れているはずだし、なによりここは水がねぇからな」

リューヤは色々と思考してみるが、それに対する答えを得ることができないと知るや、すぐさま切り替え目の前にそびえるヴェルニノ山脈を睨むように見つめた。

「ところでテイロー、お前はどこまで一緒にいてくれるんだ?」

リューヤとサーシャの歩幅に合わせてゆっくりと歩く、巨大な狼帝狼(エンペラーウルフ)のテイローは日に日に体を大きくし、今現在では2m90cmとなっている。体の大きさに伴って顔つきも変わっていき、威厳たっぷりの顔はそのへんにいる魔物など睨みつけただけで失神してしまうかもしれない。そんなテイローがなぜリューヤ達についていくのかはわからないが、敵対する気はないらしい。とまではわかっているのだが、このままマクシム王国に行くわけではないだろう、そう思ったリューヤは質問をしていた

『この山の頂上までだな、我はこのヴェルニノ山脈を目指していたのだ。』

「それは、お前の力が制限されていることと何か繋がりが?」

『むっ、気がついていたのか…流石…というべきか。ああそうだ、我の力を取り戻すには自然エネルギーが圧倒的に枯渇している。確かに全力で取り込もうと思えば、いつでも できたのだが、やってしまえば周囲の動植物の生命エネルギーまで取り尽くしてしまう。だから霊峰ヴェルニノに用があったのだ』

カマをかけたリューヤだったが、幸運にもそれは通ってしまった。何が流石なのかわからないリューヤであったが、徐々にエネルギーを取り込んで行ってその大きさなのだとしたら、本来の姿というのはどれだけなのだろうかと想像していたリューヤの前に壁のようにそびえるヴェルニノ山脈の入り口にさしかかった。


ヴェルニノ山脈。それは大小様々な山が連なって最大標高が10000mにも及ぶ、世界最大の山であり、魔力や霊力など様々なエネルギーが集まる霊峰とされている。当然いろんなエネルギーが集まるのだから人間が利用しないわけがないのだが、それでもなぜかほぼ無人なのである。その絶対的な理由として、強力な魔物が住み着いているから。

先ほどサナリス・バスが使役していた王蛸(キングオクト)と同等かそれ以上の魔物がさらに群れをなして生息している。ゆえに迂回路などが用意されており、わざわざこのヴェルニノ山脈を越えようとするものなどいないのだが、リューヤ達はもちろん迂回を考えていたのだが、テイローはそんなつもり毛頭なくどんどんと入っていく。


「ちょ、ちょっとテイロー、お前ならなんとかなるかもしれないけど、俺やサーシャが襲われたらたまんねぇぞ?」

『大丈夫だ、このヴェルニノはいわば我の庭だ』


テイローは、突如空を仰ぎ、わずかにピリピリとした空気を醸し出し、響き渡るように吠えた。まるでこの山脈全域に響いているのではないかと思えるほどであったが、その思いは現実となっていた。テイローの遠吠えに反応した何かが、あちこちから集合した何かがテイローの目の前に集合した。


『エンペラーウルフ様おかえりなさい。』


リューヤたちにも聞こえた魔力による会話。それを行ったのはテイローに似ているがそれよりも幾分か小柄で毛の色が茶色く、光加減によっては金に輝く、その姿にリューヤもサーシャも見覚えがあった。金色狼(アウルムヴォルフ)この世界で狼型の魔物の種類はおおかれど、数百匹の群れをなして生息するポイントを変える種族はこの金色狼(アウルムヴォルフ)だけなのだ。そしてこの狼を目にした時人々は争うことをやめる、逃げるのをやめる、彼らは平等だからだ、彼らはどんな生物か、問わずに、平等に死を与えるのだ。荒れ狂うような性格ではない、だがそれでも彼らは殺してしまう、それだけに圧倒的な存在なのだ、触れただけで腕が消し飛び、吠えただけで全身に切り傷が生まれる。


そんな彼らが腰を低くして迎え入れるのは、リューヤとともにしていたテイローだった。すなわち、テイローは彼らよりも強いということになる。


「これは一体どういうことだ?」


『なぁに、彼らは…いや彼女金色狼(アウルムヴォルフ)のリーダー、ウェノフを筆頭とする300余りの集団は、元は我が率いていたのだ。だが我が帝狼(エンペラーウルフ)に進化し使命を与えられた時に全てを残し、使命を全うするためにここから出て行ったのだ』

『それにしてもそのお姿はどうされたのですか?』

『その話は、機会があればするさ。この人間には聞かれたくないのでな』

『左様ですか、では質問を変えます。その人間は誰でしょうか?エンペラーウルフ様のそばにいるゆえ襲うことを止めていますが…敵…でしょうか?』


その言葉をスイッチに伏せをしていた314体もの金色狼(アウルムヴォルフ)が立ち上がり、臨戦態勢に入った。もしもウェノフがGOサインを出せば、瞬く間にリューヤもサーシャも死んでしまうだろう。しかしテイローはそう思っていないらしく


『やめろ、彼らはそうだな…我の友人だ。手荒な真似をすれば、我自ら仲間を手にかけねばならなくなる、そんな事態にはしてくれるな。あともう一つ言おう、たとえ彼と戦闘になったとしてもただの人間と思うなよ、おそらく200の犠牲は覚悟するべきだ』


そんあ脅しなのか冗談なのか、テイローの顔と声色では判断できない、とても信じがたいことを聞いた金色狼(アウルムヴォルフ)は再び伏せの態勢にもどり、リューヤの実力を見定めるように静かに、鋭くこれまた金色に輝く瞳を向けてきた。


『とりあえず、歩きながら話そう。この人間をマクシム王国まで連れて行かねばならぬのでな』



再び歩みだしたリューヤとサーシャとテイローだったが、森を抜け草原を歩いていた時と違うのは、その背後に1体のリーダ格ウェノフとさらにその背後にぴったりと隊列をなしてついていく314体の金色狼(アウルムヴォルフ)だった。


「それで、このまま大行列でこの山を越えるのか?それともさっき頂上までって言ってたけど、そこでお別れってことか?」

『相変わらず、すぐに尋ねるのだな』

「そりゃな、お前の目的がエネルギーの収集が目的なら、山を降りるまで付いてくる必要はないんだろ?」

『ああ、我の目的はリューヤの推測通り、この山でエネルギーを補給することだ、だがお前ら2人でこの山を降り切れるとは思えない。先は金色狼(アウルムヴォルフ)相手にすれば半分以上の被害を出せるとは言ったが、それはお前が戦闘モードに初めからなっていればの話だ』

「不意打ちされればその限りではないってことか」

テイローはリューヤの方を向かずに頷くそぶりだけをして肯定した。

『だから、我が頂上についたあとは、ウェノフをつけさせよう』

『テイ…エンペラーウルフ様!どうして私が人間などの』

『お前になら我の大切な友人を任せられると思ったんだが…荷が重かったか?』

突然のことに驚いたウェノフは、テイローに向かって甲高い声で抗議をするが、即答で返したテイローに

『そ、そんなわけないじゃない!エンペラーウルフ様の指示を完璧にこなせるのは後継者であるこのウェノフしかおりません!ウェノフが責任をもってこの2人の人間を山の(ふもと)までお送り致します!』

『ウェノフならそう言ってくれると思っていたよ。あと我のことは昔と変わらずテイローと呼んでくれないか?種族名で呼ばれるとお前との間に距離が生まれてしまったのか?』

『そんなことない!私は今でも一番にテイロー様のことを考えております。』

ウェノフは照れながらも言い切り、先ほどまでリューヤたちの後ろを付いていたのだが、今では並走する形となっていた。

「なぁテイロー」

リューヤがテイローに向けて声をかけると嫉妬に混じった鋭い殺気のような視線がウェノフ側から注がれるが、そんなことを気にもしないリューヤはそのまま続ける

「ウェノフはお前の彼女か?」

『な、な、何を言っておるのだ!我は崇高なる帝狼(エンペラーウルフ)だ!た、たかが金色狼(アウルムヴォルフ)の一頭にうつつを抜かすなど…』

『テイロー様…』

テイローの発言に明らかに気を落として見せたウェノフの様子は明らかに恋する乙女そのものであった。

「まったく、鈍感な男ってのは存在するんだな」

その言葉そっくりそのままお返ししたいテイローは睨みつけ、サーシャはげんこつを食らわせた。


山の中腹あたりになると、もはや歩くということができなくなり、壁をよじ登らなければならないほどの断崖絶壁となった。


「サーシャ、お前にはここ無理じゃないか?テイローの風魔法ならどうにかできるだろ」

『ああ、多少戻った力で人間の一人くらい浮かせられるが…サーシャは魔法を使えないのか?』

テイローはサーシャを見る。そのテイローの目にも当然リューヤの目にも映っていることだが、サーシャの体には普通の人間の倍以上の魔力をもっているのを確認できる。それでも出力できる魔力は非常に少ないのだ。

「使えなくはないんだけど…風魔法も自分を浮かせるほどの力は出せないの」

「サーシャの重さだと俺の風魔法だとバランスがとれなくてな、精密作業はにがっ!!」

リューヤの頬をサーシャの拳が貫く、赤くした顔にするどく光る眼光がリューヤを殺さんとする勢いで睨みつける。

「そんなに重くないわよ!!」

『それで?どうしてあなたはそれだけの魔力があるのに魔法の出力が低いのよ』

呆れた表情でウェノフは、話題を戻そうと助け船をだす。間違いなくそれはリューヤのためではないことが確かだ。

「私は祈り姫という職業についております。祈り姫というのは、神様の言葉を聞くとされています。しかし実際には世界の声を受信する特殊な魔力を有している者のみがつくことのできる固有職なのです。」

『世界の声?それは我も聞いてことないな、だが精霊使いなど言葉の通じない存在と会話ができる魔力を持つ者もいるのは我も確認しているからな。そんな存在がいてもおかしくはなかろう』

「でも最近はこの世界の声を聞こえる人が少ないらしいの…いえ、正確には聞こえてもそれを信じる人がいないのよ、同じ声の聞こえる人がいないと証明する方法もないし、どんな方法を用いても声が聞こえる人を探すこともできないの。でも共通するのが祈り姫は魔法の出力が低いということなの。」

『常に世界の声を聞くためにそちらに魔力を割かれてるってことなのね…それも自らの意思ではなく強制的』

ウェノフのつぶやきにサーシャは頷く、証明してみせるために、リューヤに視線を送ったサーシャは、静かに息を吸って

「「風よ、対象を優しくつつみ、全てから守れ」」

同じ内容の同じ魔法を後ろにいた別の金色狼(アウルムヴォルフ)にそれぞれ発動する。魔力の方向を自分たちに感じた金色狼(アウルムヴォルフ)たちは警戒の色を強めるが、強者ゆえの経験で、その魔法に敵意や害意が含まれていないことを察知し、すぐに動きを止めて魔法を受けた。この魔法は対象の周囲に風の膜を作り出し空気中に含む毒性のあるガスや、こういった山の中では火山灰や細かい(ちり)などを弾く役割を持つ。風魔法の基本的な補助魔法である、そのため魔法の練習をしていない子供ですら5分は続くのだが。

「あ、もう消えちゃった…?あれ」

サーシャが発動した魔法は消えてしまった。でもそのサーシャが発動した魔法によって生まれた風の膜、それは半球体のような形をしているのだが、それよりも少し小さい位置で力強く同じ魔法が発動していた。

「これって…どういうこと?」

『これが霊峰の証明といったところかしら、魔法の発動に反応したこの山の持ついろんなエネルギーが全く同じ魔法を発動させるの。大きさが小さいのはこの魔法が対象に対する適性のサイズに調節されるから、つまりあなたの魔法には無駄があるってことね…それよりも』

『リューヤ!それはなんだ!?』

「いや、俺にもわかんないんだけど…これも霊峰の力か?」

驚くテイローと唖然としてもう感情すら生まれないリューヤの目の前には明らかに無駄の塊とも言える巨大な風の塊を生み出していた。それは穏やかとは程遠く攻撃力がないものの場合によってはダメージを与えられそうなほどの風速を有していた。その上、対象としていた金色狼(アウルムヴォルフ)の周囲には小さな魔法が発動していなかった。

『霊峰が力を貸したように見えるけど…そんなことって…あなた何者!?』

ウェノフが驚きを声に交えリューヤの方を向くが、そのリューヤも現状を正しく理解していない。ただ勇者だからというのは簡単だが、リューヤ自身勇者としての自覚はまだほとんどなく、流れでそうなってしまったという感覚でしかない、自らの過去を振り返ってみても魔法を発動した際は人並みぐらいの効力しか発動せず、心当たりと言っては、やはり、尋常ではない回復力を施してくれた、あのエリグラスに原因があるのではないかと考えていた。しかし、最初は驚いていたテイローとサーシャはその原因を知っていた、いや正確には推測していたのだ。しかしこれは互いに互いの理由でリューヤには話せないことであった。


結局普通程度なら、このウェルニノ山脈のエネルギーによって魔法を発動できるとわかり、サーシャはふわふわと浮きながらついて行っている。テイローや金色狼(アウルムヴォルフ)は壁をまるでしっかりとした足場であるかのように軽やかに登っていく。リューヤは少ないとっかりを頼りに登っていく。リルロ大森林での特訓のせいかか相当筋力的にも成長したリューヤは、この山を住処とする金色狼(アウルムヴォルフ)と競い合えるほどの速度で登って行った。そして太陽が沈みきる頃にはテイローの目的であった山頂に到着した。


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