不良界で伝説の男
最底辺のクズどもが集まるとある底辺高校の体育館裏。
その体育館裏で放課後、3年のクズどもがとある1年の男を取り囲んでいた。
「立花よぉ、おめぇ1年のくせに生意気なんだよ」
「今日は俺らがみっちり教育してや……グボアァァ!!」
三下男がお約束のセリフを言おうとした瞬間、3年の男のジャガイモ顔はポテトのように潰れた。
「立花っ、テメェ何しやがるっ!!」
「ごちゃごちゃうるせぇ! 全員ブッ潰す!」
壮絶な乱闘が始まった。
だがその乱闘は1年の立花の独壇場! 目も当てられないほどの一方的な虐殺状態!!
「くっ……殺してやるっ!」
3年のクズの一人がナイフを取り出して立花に襲い掛かったが、立花はクズの手首をつかんでナイフを取り上げた。
「センパイ、とうとう一線超えちまったな。ヒカリモン出したらもう殺すか殺されるかだよな?」
「なに……まさか!? やめろっ!?」
3年の太ったクズの腹に、ナイフがブッ刺さった。
「痛ってぇぇぇ!!」
「や、やりやがったぁぁーーっ!!」
「ヤベェ! ヤベェよ! こ、こいつマジヤベェよっ!!」
周囲の3年のクズは蜘蛛の子を散らすように逃げた。
………
……
…
体育館裏の乱闘など無かったかのように颯爽と下校する立花。
ふと寄り道した繁華街のゲーセンにあるパンチングマシーンで100を出して満足する立花。
「ねぇねぇキミ、俺らと遊ばね?」
「嫌っ やめてくださいっ!! 誰かっ!」
パンチングマシーンの近くのクレーンゲームコーナーで、可愛い女子高生が不良に絡まれていた。
「おいテメェ、俺の女に手出すんじゃねぇよ!」
「んだとゴラ……グボアァァ!!」
不良の顔面が粉みじんになるぐらいに立花のコブシがめり込むと、不良はそのままブッ倒れてピクリとも動かなくなった。
「あ、ありがとうございますっ!」
「おい女、俺の相手をしろ」
「は?」
「お前は今から俺の女だ。だからこっちに来い!」
「えっ!? 嘘っ……いやっ!!」
立花は可愛い女子生徒をゲーセンのトイレに強引に連れ込んだ……。
………
……
…
「あースッキリした。やっぱ女と2人きりでヤるのは最高だな!」
「ひっく……ひっく……。ひどいよ……」
「奈々子ちゃん! この男に何されたんだっ!」
「あ、新谷君……見ないでっ! ひっく……」
「よ、よくも僕の奈々子ちゃんを!」
トイレから出てきた立花と奈々子に、ガリ勉メガネ男子高校生が怒りに任せて殴り掛かってきたが、立花は一切動じることもなくガリ勉メガネ男子高校生の顔を鷲掴みにした。
アイアンクローだ!!
「喚くな、もやし。こいつは俺の女だ」
「だ、黙れっ! よくも、よくも僕の奈々子ちゃんを汚しやがって!?」
「あ゛あ゛ん?」
「ち、違うの新谷くん、あたし、この人にトイレでしりとりをヤらされて……」
「し、しりとり……?」
「この人、単語の最後を『む』でしか返してくれなくて……とっても卑怯なの!」
「はぁ……」
「おいこらクソ女っ! 俺の必勝作戦バラすんじゃねぇ! 苦労して元素記号暗記したってのに気分が悪くなった! ちっ、もういい。テメェみたいなお口のユルい女は俺の女じゃねぇ! とっとと失せろビッチがっ!」
「まっ、待って! 私を捨てないでっ!? もう一回しりとりしようよっ!」
………
……
…
「立花翔っ! 殺人容疑で連行するっ!」
ゲーセンから出ると、立花はあっと言う間に警察官に取り囲まれた。
「ごちゃごちゃうるせぇ! 国家権力の犬がぁぁぁ!」
「グボアァァ!!!」
立花は警察官全員の顔面に握りこぶしをねじ込むと、悠々とパトカーを奪った。
だが、交差点で赤信号になってしまったので立花は冷静にパトカーを停止させると、かわいい子猫ちゃんが横断歩道にとり残されているのを見つけた。
「あのガキ……あぶねぇぞ!?」
立花はパトカーを降りて子猫ちゃんに近づく。
が……、そこに、無慈悲にも左折してきたトラックが突っ込んできたのが見えた。
「トラックのクセに動物虐待すんじゃねぇ! 死ねぇぇぇ!!」
「グボアァァ!!!」
立花は子猫ちゃんを歩道に優しく投げ込むと、10トントラックの顔面に握りこぶしをねじ込んだ状態のまま絶命したのであった……。
◇ ◇ ◇
「うおっ!」
気がついたら荒々しい海が見える崖の先っちょにいた。
一歩足を踏み外すと崖下へ真っ逆さまだ。
「どこだってんだ……ここはよ」
まるでサスペンスドラマで犯人が捕まるシーンにありがちな、大海原がが見渡せる崖の上。
そして立花の目の前には、ゲームのメニュー画面みたいな情報ウィンドウがいくつも浮かび上がっていた。
《現在地:最果ての地》
「なんだ? こりゃ……」
宙に浮かぶウィンドウの1つには立花の全身画像が映っていて、ゲームキャラのステータスみたいなものが七角形のグラフ(レーダーチャート)で表示されている。
力、魔力、素早さ、器用さ、防御、抗魔、運……
数値は一切ないが、目盛りが10個あるので、このグラフはおそらく10段階評価で表示されているのだろう。
「これが俺か。力10、素早さ10……残りは全部1だと!? おいこらっ! ふざけんなテメェ! 全部100億万にしやがれカスがっ!」
すると空気を読んだ7角形のグラフはすべてMAX状態をはみ出し、ウィンドウ内に収まり切らなくった。
「なんだぁ? ちっせぇグラフだなぁ、それがテメェの限界かよ? もっと気合い入れろや!」
立花の脅しに七角形のグラフは少しだけ伸びだが、ステータスウィンドウはこれ以上は無理と言わんばかりに、涙を流しながらペコペコと立花に土下座しはじめた。
「ちっ……。使えねぇな」
立花はステータスウィンドウを踏みつけると別のウィンドウに目をやった。
そのウィンドウのタイトルには『スキル一覧』と書かれているが、一覧といっても何一つ書かれていない。
「おいこらテメェ、空白たぁどういうことだ? テメェも俺様を馬鹿にしてんのか? あ゛あ゛ん!?」
するとスキル一覧には
《番長》《怖い》《助けて!》《許してください!》《ごめんなさい><》
と表示された。
「ダメだ、許さん」
立花の一言に、スキル一覧ウィンドウは涙を流しながらペコペコし始めた。
《番長》《最強》《男の中の男》《モテモテ》《みんなの憧れ》
「当然だ。それだけか?」
《破壊神》《 俺ルール》《救世主》《万夫不当》《一富士二鷹三茄子》
「なんだこりゃ? よくわからんが俺様にぴったりだな、許す!」
《ありがとうございます!》《番長!》《かっこいい!》
スキル一覧のウィンドウは立花にペコペコと土下座した。
突然、崖の反対側の茂みから、可愛らしい少女が立花の方へ逃げるように走りこんで来た。
そしてその少女を捕らえようと、人相の悪い鉄の鎧を着こんだ兵士2人が追いかけてきた。
「助けてくださいっ! 助けてくださいっ!」
「おいそこのガキ、死にたくなければその女をよこせ!」
……ブチッ!
「おいテメェ、今、俺に指図したな?」
「ふん、大人しく女を渡せばいいものを馬鹿なやつめ……。今すぐ死ねっ!」
「死ぬのはてめぇだぁぁぁ!!」
「グボアァァ!!!」
立花はあっという間に兵士の顔面に握りこぶしをねじ込んだ!
兵士の顔面はミンチ肉のようにぐちゃっと潰れて絶命した。
「ひ、ひぃぃぃぃ!」
「てめぇも死ねやあぁぁぁ!」
「たす、たすけっ……グボァァ!!!」
もう一人の兵士はボディに大きな風穴が開いて死んだ。
「ちっ、あーあ、きったねぇなぁ」
立花は何事もなかったかのように、血の付いた握りこぶしを地面の草になすりつけて拭いた。
「あの、ありがとうござ…」
「うるせぇ! 女、テメェちょっとそこで黙ってろ」
「あっ、はいっ……」
立花は少女を正座させると、倒れた兵士の遺体を漁って財布らしきものを抜き取った。
「ん? なんだこりゃ……ゲーセンのメダルか?」
「い、いえ、それはこの国の通貨です」
「ちっ、シケてやがるな、こいつら100円すら持ってねーじゃねぇか」
「いえ、それは黄金貨ですのでかなりの……」
「うるせぇ! 気が散る! もう少し黙ってろ!」
「は、はいっ……」
立花は死体から金目の物を漁り続けた。
「お、この真珠のネックレス、ダイヤも挟んで会ってなかなか高そうだな」
「あっ……それはあたしのお母さんの……」
「ん? そうなのか?」
「はい、間違いないです」
「てことはてめぇの母ちゃん、こいつらにカツアゲされたのか?」
「カツアゲ?」
「カツアゲはカツアゲだろうが。軟弱者から身分不相応なモンを取り上げる由緒正しき行いだ。つーか女、カツアゲすら知らんのか?」
「はい……」
「変なヤツだ。ふん、まあいい。こいつはテメェにくれてやる。お袋さん大事にしてやれ」
「ありがとうございます……。でも、お母さんは……死にました。この人たちに殺されました」
「なに……?」
「あの、もしかして知らないんですか?」
「何がだ?」
「いまこの世界は帝国に征服されようとしているんです」
「ていこく?」
「帝国の兵士達は、村々を次々と襲っては若い女の人をさらっていくんです……」
「いたぞっ! あの女だっ!」
茂みの向こうから、今度は30人ほどの兵士がやってきた。
「総員整列、包囲しろ!! いいか、上玉の女は絶対に殺すな!」
隊長らしき男の掛け声に、兵士達は綺麗に整列する。
だが、立花のいる場所は崖っぷちだ。
360度ぐるりと取り囲むことは不可能!!
「おい女、テメェ俺の女になれ。なるならこいつら全員始末してやる」
「えっ?」
「ならないなら犯す!」
「ひっ! な、なりますっ!」
「よし! ……って事だ。テメェらは死ね」
「総員突撃っ! あの男を崖下に突き落とせ!」
「うおぉおおお!」
兵士の一団がまとまって突撃してきた。
「砕けろオラァァァアア!!!」
「グボアァァ!!」
崖っぷちという地形上、密集状態になってしまった兵士達は、立花の握りこぶし一振りでまとめてグチャグチャになって死んだ。
「ほう……やるではないか」
後ろに控えていた兵士達の隊長らしき男は、肉塊と化した兵士達を見ても、物怖じもせずにつぶやいた。
「次はテメェの番だ」
「ふん。帝国軍第七戦隊隊長、草刈のイルゴット様も舐められたものだ。いいだろう、かかって来……」
「ゴチャゴヂャうるせぇ!!」
「グボアァァアアアアア!!!!!」
立花の握りこぶしで、隊長らしき男の身体は粉々になった。
「す、すごい……」
「おい女、名前は?」
「あっ……フローラといいます」
「よしフローラ、これでお前は俺の女だ。これからは片時も俺から離れるな。いいな?」
「は、はい……」
「よし。じゃあさっそくだがフローラ、『し』と『せ』のどっちがいいか言え」
「えっ?」
「何度も言わせるな。『し』と『せ』だ。好きな方を選べ」
「じ、じゃあ……『せ』にします」
「『せ』か。『せ』がいいのか。珍しいヤツめ。よし分かった。じゃあさっそく始めよう」
「な、 何をです?」
「性行為に決まってんだろうぅぅぅ!」
「ええっ!? そんなっ!? きゃああぁぁぁっ!?」
プロットも何もありません。
何も考えずに好き放題書きたくなったので、期待しないでください。
た れ な が し ま す!