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異世界転生した俺は、AIで魔法の精度を極めて無双する  作者: 蒼井テンマ


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第2話 落ちこぼれの隣席

王立魔法学園の一年目は、奇妙な場所だ。


魔法学園と名乗りながら、

剣を背負う者も、回復杖を持つ者も、

同じ教室に押し込められる。


一年次――基礎課程コモン・クラス


「才能を測る前に、まず削る」


それが、この学園の方針だった。



「ここ、いいか?」


声をかけてきたのは、昨日の剣士科の少年――カイルだった。


「空いてる」


俺がそう言うと、カイルは気楽に腰を下ろす。


「一年目だけだもんな。

 こうして一緒なの」


「ああ。二年からは専科だ」


魔法科、剣士科、支援・研究科。


進路は、すでに暗黙の了解として存在している。


だが――

その“選択権”が平等だと、誰も思っていない。


《周囲視線:選別的》

《貴族比率:高》


AIの数値が、淡々と現実を示す。



基礎魔法理論の授業。


教師は黒板に術式を書きながら言った。


「剣士科がここにいるのを不思議に思う者もいるだろう」


何人かの貴族生徒が、露骨に視線を向ける。


「だが覚えておけ。

 魔法が常に使えるとは限らん」


ダンジョン深層。

対魔結界。

神殿聖域。


教師はそれ以上説明しない。


だが、カイルが小さく呟いた。


「……要するに、俺たちは“保険”だ」


《発言:自己評価低下》


「魔法が通じない時のな」


俺はそう補足した。


カイルは、少しだけ笑った。


「分かってるさ。

 それでも、必要ならやる」



実技演習。


魔法科の生徒たちが前に出る。


派手な火球。

大きな音。

広がる熱。


評価は、威力と見栄え。


支援・研究科志望の生徒が回復術を使うと、

教師は一瞬だけ渋い顔をした。


「……悪くはないが、地味だな」


《支援系評価補正:低》


――この時点で、進路の“格”は決まっている。



エリナの番。


圧倒的な魔力量。

暴力的なまでの出力。


教室が沸く。


《制御誤差:+9.8%》

《危険判定:見過ごし》


誰も、それを口にしない。



次は俺。


《成功率:96.1%》


火球は小さい。

だが、的の中心を正確に貫いた。


静寂。


「……威力不足」


それだけだった。


《評価:低》


カイルが、拳を握る。


「なあ……」


「分かってる」


この学園では、

当たることより、派手なことが正義だ。



昼休み。


カイルがパンを齧りながら言った。


「支援・研究科ってさ。

 なんであんな扱いなんだろうな」


「戦わない連中だからだ」


「戦わない?」


「鑑定、記録、解析。

 世界を数字で見るだけ。」


AIが、微かに反応する。


《関連適性:高》


「目立たない。

 だから評価も低い」


カイルは鼻で笑った。


「嫌な世界だな」


「正確な世界だ」



廊下を歩いていると、

貴族生徒たちが小声で話しているのが聞こえた。


「……推薦、来たらしいぞ」

「もう? 早すぎないか?」


内容は聞き取れない。


だが――


《情報欠損:意図的》


AIが、珍しく警告を出した。


(……表に出ない進路がある)


それだけは、確かだった。



その日の終わり。


廊下の向こうで、エリナと目が合う。


一瞬。


《観測:再確認》

《違和感レベル:中》


彼女は何も言わず、立ち去った。


カイルが首を傾げる。


「有名人に目をつけられたな」


「悪い意味でな」


俺は歩き続ける。


この学園には、


表の専科


裏の選別


そして、切り捨てられる者たち


が同時に存在している。


《学習フェーズ:進行中》


まだ、始まったばかりだ。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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