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異世界転生した俺は、AIで魔法の精度を極めて無双する  作者: 森永あおば


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第14話 情報が壊れる

ミラと組まない依頼は、久しぶりだった。


掲示板の前で、俺は一枚の札を剥がす。


【調査依頼】

【対象:遺跡型ダンジョン・浅層】

【報酬:銀貨四十枚】

【提供情報:既存資料あり】


既存資料。


《注意:

情報の鮮度・出所 不明》


AIが、控えめに警告を出す。


(……使えるかどうかは、現地次第だ)



現地に着いて、すぐに違和感があった。


入口の構造が、

資料と一致しない。


《構造差異:+18%》


「更新されていない……?」


いや、

更新された形跡が、意図的に消されている。



浅層。


空気は軽い。

危険度も低い。


……はずだった。


《魔力反応:遅延》

《敵性反応:予測誤差》


一体目の魔物を倒した瞬間、

背後の壁が――動いた。


「……来たか」


最小出力で迎撃。


だが、

配置が悪い。


《回避余地:狭》


判断が、

半拍遅れた。



衝撃。


俺は、壁に叩きつけられる。


防御は間に合った。

だが、痛みが残る。


《被弾:軽度》

《戦闘継続:可能》


……久しぶりだ。


「情報が、足りない」


それを、身体で理解する。



俺は、即座に撤退を選んだ。


奥へは行かない。

追撃もさせない。


最短経路で、

入口へ戻る。


《撤退成功率:高》


幸運だった。


本当に、それだけだ。



ギルド。


報告書を提出すると、

受付の男が眉をひそめた。


「……被弾?」


「ああ」


「珍しいな」


「情報が古い」


俺は、資料を机に置いた。


「これ、意図的に欠けてる」


男は、資料を見比べ、舌打ちする。


「……上からだな」


「上?」


「国家か、神殿か」


軽く言うが、

意味は重い。



「どういうつもりだ」


「さあな」


男は、肩をすくめる。


「使える冒険者が、

 どこまで持つか見てるんだろ」


《目的推定:

選別》


AIが、はっきりと表示する。



「ミラは?」


男が、何気なく聞いた。


「別行動だ」


「……そうか」


それ以上は、聞かれなかった。



夜。


宿の部屋で、

俺は傷を確かめる。


大したものじゃない。


だが――

情報が壊れた瞬間、

判断は確実に遅れる。


《結論:

外部情報依存率 高》


(……これは、限界だ)


冒険者として、

正しい判断をし続けるには、


正確な情報


即時更新


歪みの排除


が必要になる。


だが、

それを冒険者が

自力で担うのは不可能。



翌朝。


ギルドに、見慣れない男が立っていた。


服装は、地味。

だが、立ち姿が違う。


「君が、レイか」


名を呼ばれた。


「話がある」


《人物識別:

国家関係者 可能性高》


AIが、静かに示す。


(……来たな)


情報が壊れる場所には、

必ず

管理する側が現れる。


冒険者でいられる時間は、

もう長くない。


俺は、男を見た。


逃げる気は、なかった。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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