表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女王の束ねた混沌  作者: GGGolem
10/15 皇国編
93/132

93/132 (4/8)

 皇女は討伐隊同行の依頼を引き受け、後日、僕たちは皇国騎士第四席のリサと面会した。


 リサは僕を見てすぐさま腰の剣を抜く。


「貴方は……何故ブラッドがここに……!シルヴィア様、お下がりください!その者は危険です!」


「リサ、貴女こそ剣を下げなさい。彼は私の劔です。今回貴女と共闘する仲間ですよ」


「何を仰っているのですか!この者は皇国の敵、ブラッドの戦闘員なのですよ!?ここにいること自体が罪なのです!」


「過去のことは聞きましたから、貴女の気持ちも分かります。ですが今は私が雇っている。その意味を考えなさい。彼が皇国にとって不利益となることはありません」


「ですが……。何を言われようと、この者と組むなど考えられません……。別の候補者へ依頼を回してください。それができないのなら、私の部隊だけで十分です」


「そうですか。勝手になさい。全く、どちらが皇国に不利益なのかしら。行くわよ、アラン」


 皇女の後に続き僕はリサの元を離れた。


 歩きながら僕は彼女に尋ねる。


「依頼はどうしますか?別の方に回すのですか?」


「いいえ、このまま受注するつもりよ。けれど……その前に、統括には全て話しておきましょう。貴方が以前第四席を退けた本人であることも含めて」


「そうですか……」


「大丈夫。彼は分かってくれるわ。常に皇国にとっての最善を考える男よ」




 皇女は依頼を引き受けたが、リサの拒否により僕たちは討伐隊に加わらなかった。結局リサの率いる部隊だけで討伐へ向かうことになり、皇女の元へは別の依頼が回された。内容はほとんど同じ、Aランク魔物フレアドラゴンの討伐だったが、今回はこちらが別の協力者を募る立場となる。


「とりあえず席持ちの騎士全員に要請してみましょうか。二部隊くらいには受理してもらいたいわね。最悪一部隊、もしくは傘下の隊員だけでも貸してもらえないか交渉しましょう」


「あの……Aランクの魔物であれば、恐らく僕一人でも対処できます。もちろん仲間が多いに越したことはありませんが、信頼を得るためでしたら僕は一人でも構いません」


「……えっと、何を言ってるの?Aランクよ?Aランク。ちゃんと見てる?」


「はい、問題ありません。任せてください」


「そう……貴方がそう言うのなら……。分かったわ、この依頼は私たちだけで行きましょう」


「では、シルヴィア様は城で待っていてください。現地へ向かうのは流石に危険過ぎますから」


「私もついて行くに決まってるでしょ?もちろん足を引っ張ることしかできないけれど。貴方の戦闘を見届けたいの」


「ですが……命の保証はできません」


「それでいいわ。もし私のせいで二人とも死ぬことになったら、その時は本当にごめんなさい。先に謝っておくわね」


「強い人ですね……。分かりました。側で見て判断してください。貴女の劔にふさわしいかどうかを」




 皇女と二人でその場所へ向かうと、すでに戦闘が行われていた。数名の遺体が転がっていて、一人まだ立ち上がろうとしている。


 僕はその人の元へ駆けつけ声をかけようとしたが、顔を見て驚き一瞬だけ硬直した。仮面を被っている。当然ルインブラッドの仮面ではなく皇国制のものだが、異形の病にかかっているのだろうか。


「あの、戦闘員の方ですか?あとは僕に任せてください」


「貴方……見ない顔ね。加勢はいいから、早く討伐隊を派遣するよう統括に言ってきて……。このままじゃ、街に被害が……あれ、シルヴィア様……?どうしてこんな場所に……」


「僕がその討伐隊です。シルヴィア様、この方の側に居て頂けますか?」


 皇女は頷いて、仮面の戦闘員の元に駆け寄った。


「分かったわ。貴女、大丈夫?仮面してるなんて珍しいわね。ブラッドの信者か何か?」


「シルヴィア様……危険ですから、お下がりください……。それより、討伐隊を……早くしないと……」


「さっき聞いたわ。もう到着してるから安心しなさい」


「え……?ですが、一人しか……」


「ええ。貴女もよく見ておくといいわ。私の劔が輝く様をね」


「はい……?」


 フレアドラゴンが口を開き炎を吐き出した。僕は血の壁でそれを防ぎ、さらに教団の力を開放する。炎の勢いが弱まると、僕は血の壁を溶かし、皇女に危害が及ばないよう細心の注意を払いながら、二教団同時開放から慣れた動作でその技を放った。


 混沌一列。放たれた一撃は魔物の外殻を打ち砕き、その巨体に大きく風穴を開ける。


 皇女はその光景に、自身の劔に収まらない輝きと人類の進化を見た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ