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女王の束ねた混沌  作者: GGGolem
2/15 カオス編
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 目を開けると、僕はベッドの上で寝かされていた。手首に点滴の針、体中には包帯が巻かれている。すぐ側には黒い服を着た女性が居て、彼女は僕が目を覚ましたことに気付くと笑顔で口を開いた。


「良かった。目が覚めましたね。体の調子はどうですか?」


「はい……大丈夫です……」


「やっぱりブラッドの方は治りが早いですね。点滴も外しておきましょうか」


「あの、ここはどこですか?」


「お城の中ですよ。街にある病院は使えないみたいで……」


「城って、もしかしてカオス領の……?」


「はい、そうです。気を失っていたので分からないですよね。貴方のことは捕虜として捕らえたと聞いています。ですが、治療するようにも言われているので安心してください」


「捕虜……。戦争はどうなったんですか?」


「詳しいことは分かりませんが、まだ続いていると思います。早く終わってほしいですよね……。では、私は一度貴方のことを報告してきます。少し待っていてください」


 女性はそう言い部屋を出ていった。


 結局僕は負けたのか……。あの青いローブの男に。


『それでも、貴方が生きていて良かったです』


 何故生かされたのかは分からないけどね。やっぱり君の力に利用価値が?


『どうでしょう。利用価値というよりは、単に興味があるのかもしれません』




 暫くして部屋のドアが開き、一人の少女が中へ入ってきた。D地区で青いローブの男と一緒に居た少女だ。あの時は鎧で武装していたが、今は黒いドレスを着ている。


「治りが早いね。流石は不死の軍団」


 僕は体を起こして彼女の方を向いた。


「殺そうと思えばできた筈です。どうして生かしたのですか?」


「それは蒼炎の判断だよ。私は別にどちらでも良かったけど……せっかくだし、君の力について聞きたい。あれはどういう力なの?」


「えっと……血を強くする力です……」


「血を強く……なるほどね。君の場合ブラッドの血が濃くなるって感じかな。第四期の一つと考えると、そこまで脅威ではないか」


 教団の力はどの時期に生まれたかによって大きく四つに分類され、能力の種類もその分類ごとに決まっている。蒼炎のような万物を操る力は第一期になるが、僕の力は第四期にあたるようだ。


「どうして僕の力が第四期だと分かるんですか?」


「一期から三期に当てはまらないから。それに、私の教団も君の力が同等であると言っている」


「じゃあ、貴女の力も第四期の……」


「まあね。と言っても、私もまだ自分の力のことはよく分かっていないんだ。これから試していくつもり」


「だからあのときも、貴女自身は戦わなかったんですか?」


「別に関係ないよ。君程度、蒼炎一人で勝ってもらわないと困る。カオスの、次代を担う戦士としてね」


 彼女は僕に背を向けると、先ほどの黒い服の女性を呼んだ。


 これから僕はカオスでどう利用されるだろうか。生かされているのがあの青いローブの男の判断であれば、今後のことも彼に決められるかもしれない。

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