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数日後、ルインブラッドの全員がA地区五番街の拠点に集められた。統括によると、ルインブラッド直属の戦闘員が何者かに襲撃され一名が死亡、一名が重傷を負ったとのことだ。重傷を負ったのは統括の右腕でもある赤い髪の男。彼の情報では、襲撃者は第二期教団の力を保有し、顔を仮面で隠していたという。
統括はいつになく険しい表情で全員に注意を促した。
「ルインブラッドが狙われている可能性が高い。全員、仮面付けて行動するときは最大限警戒するようにしろ」
アヤは不満気な表情で統括に尋ねる。
「相手も仮面付けてるって話だけど。元ルインブラッドか何か?」
「ああ。だいたい予想はついてる。あの男が、今更復讐に来やがった……」
「えっ、誰かも分かってるの?」
「まあな。恐らく敵はゼノという名の男だ。赤髪から聞いた能力からしてほぼ間違いねえ。あいつなら動機もあるしな」
「動機ってどんな?」
「俺と合わなかったんだよ。それで除名した。恨まれてんだろうぜ」
「じゃあ襲撃もアスラのせいってこと?」
「そう思ってもらって構わん。だからお前らにも依頼は出さねえ。この件は俺が片を付ける」
「大丈夫なの?格好つけてないでアランに任せたら?」
「うるせえな。とにかく一旦は俺が持つ。まあ……有力な手掛かりを掴んだら、その時はアランにも相談するかもしれねえ。何か質問はあるか?」
僕は口を開いて統括に尋ねた。
「あの、赤髪の方の容態は?」
「順調に回復している。シルベも治療についているからな。すぐに復帰できるはずだ」
「それなら良かったです。でも、亡くなった方は……」
「ああ……奴の命で償わせてもらう。憎悪を込めて殺してやるさ」
全体への話を終えると、統括は僕に一枚の依頼書を渡した。目を通すと、Aランクの魔物フレアドラゴン討伐の依頼のようだ。
「ついでで悪いが、それをお前に依頼したい」
「Aランク……。僕一人でですか?」
「ああ。だが期限を設けるつもりはない。新しい力に慣れた後でいい」
「慣れた頃に試せということですね。分かりました」
「頼んだぞ。お前の活躍が、ブラッドの歴史の証明になる」
後日、僕はブラッド領内のとある地でフレアドラゴンと対峙した。見上げるほどの巨体を持つその竜は、大きく翼を広げこちらを威嚇している。
僕がいつものように血で鎧を纏うと、その鎧は銀色の輝きを放った。竜がゆっくりと口を開け炎を吐き出し、僕はそれを正面から浴びたが、銀の鎧は溶けることなく熱を完全に遮断する。これがブラッドの集大成、最大の弱点であった熱までも克服したようだ。
手に血の剣を生成すると、剣は鎧と同様に銀色に輝いた。その剣で竜に斬りかかったが、しかし厚い甲殻に阻まれダメージを与えることはできない。僕は銀の剣を液状に溶かし一点に集めると、次の瞬間対象へ向け細い一列の線を高速で放った。しかしこの技も甲殻に弾かれ、線は四方に散ってしまう。
竜が巨大な腕を振るうと、鋭く尖った鉤爪が僕の鎧を捕らえた。強烈な衝撃に体ごと吹き飛ばされたが、鎧は柔軟にダメージを受け流し、僕は受け身を取りすぐに体制を立て直す。そしてイコルルドラ両教団を開放し、周囲に自身の血を溜めた。召喚された黒い剣を地面に刺し、両腕を前方へ翳し、その技を放つ。渾沌一列。新たに銀の輝きを加えた技は、竜の甲殻を打ち砕きその巨体を簡単に貫いていった。




