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女王の束ねた混沌  作者: GGGolem
8/15 闘技大会編
81/132

81/132 (8/8)

 統括と話していると酒場にアヤが入ってきて、僕を見て声をかける。


「あ、アラン居るじゃん。復帰したの?」


「はい、今日から部隊に戻ろうかと」


「そう。あれだけの怪我でもこんなにすぐ治るんだ。やっぱ凄いね、ブラッドの血は」


「流石に自分の力だけでは厳しかったです。シルベが治療してくれたこともあって……」


「シルベ……?ああ、研究員でそんな人いたっけ」


「試合後すぐに動けるよう待機してくれていたみたいで。短期間で復帰できてよかったです」


「そっか……。にしても凄い試合だったね。私はアランに勝って欲しかったけど……」


「すみません……」


「そういえば……フィオの隣で見てたんだけどさ、最後ルークが勝ったとき、あの子泣きながら叫んでたよ。凄い嬉しそうにね。試合前もルークの控室に居たみたいだし、何かあったのかな……」


「そうですか……。フィオが……」


「来年は期待してるから。今度は私に叫ばせてよ……なんてね」




 二番街の酒場へ向かうと中にラビの姿があった。彼女は僕を見つけると、いつもとは違った雰囲気で話しかけてくる。


「よ、よお、アラン……。怪我は、いいのか……?」


「はい、今日から復帰します」


「そ、そうか……。その……一応、お前に謝っておきたくて……。色々、悪かったな……」


「お互い頑張りましょう」


「は……?」


「嫌な相手に負けましたから。立ち直るには時間がかかります」


「あ……ああ……。ははっ、何言ってんだよ……。あたしとお前じゃ、全然違うだろうが……」


「立場は同じだと思います。ルークに負けた。実力を知った。何から始めたらいいか探すところからです。前へ進むために必要なことを、これから見つけていきましょう」


 僕がそう言い去ろうとすると、ラビに呼び止められた。


「ま、待てよ!あの……あたしに、教えてくれねえか?」


「えっ……」


「頼めるような立場じゃねえことは分かってる。けど、まずは武器の振り方からお前に習いたい……。あたしにとっては、それが今一番必要なことだと思う」


「ですが……」


「な、なんでもするからさ!土下座でもなんでも!今までの分、お前には何されてもいいし……」


「じゃあ……ステラさんに謝罪してきてください。今まで迷惑をかけた部隊の方々にも。そしたら考えます」


「ほんとか!分かった!」


 ラビはステラの元へと向かい、僕は一度ため息を吐いてから、空いていた席でナギサとナナミの二人を待った。




 時が経ったある日、僕はB地区のとある街の墓地を訪れた。ここはディケインの故郷、今日は彼が亡くなって丁度一年となる日だ。


 ディケインの墓の前では僕より先に一人の女性が手を合わせていた。少しして彼女は顔を上げ、僕に声をかける。


「久しぶり、アラン。今日で一年なんだってね」


「サキ……?どうして……」


「なんとなく。丁度牢からも出られたし、あんたも来ると思ったから」


「ディケインとは前から知り合いだったの?」


「全然。まともに話したのは牢で面会したときだけ。正直誰って感じだった」


「え……?じゃあ、彼はどうして君と面会したのかな?確か、話したいことがあるって言ってたけど……」


「ああ……なんか、私が殺した生徒と昔色々あったらしくて……。それで……まあ、つまんない話されただけ。でも、そのお陰で多少前向けたのもあるから……」


「そうだったんだ」


「じゃあね、アラン。私はまたゼロから始めるよ」


 サキはそう言い残しこの場を離れていった。彼女が居なくなった後、僕は墓の前で手を合わせる。


 ディケイン、君の命と引き換えに得た力は間違いなく今の僕を支えている。この一年で大きく成長できたことや、あのルークと互角以上に戦えたことだって、全て君のおかげだ。これから僕はもっと強くなって、この力で沢山の人を救うよ。僕がいつか君の元へ行くまで、そこで見守っていて欲しい。


 少しして足音が聞こえ、僕は顔を上げ振り返った。そこにはヒマリの姿があって、彼女は笑顔で口を開く。


「アランも来てたんだ。久しぶりだね」


「うん、久しぶり。元気そうで良かった。最近はどう?」


「うーん……普通かな。特に何もないよ。サリーはまた別の男と付き合い始めて楽しそうにしてるけど」


「そ、そう……。サリーは来てないの?」


「来てるけど……アランを見つけて、二人で話したいでしょって言われて……。アランは最近どうなの?」


「えっと……ルークやシルベと再会したよ。二人ともなんだか別人みたいに思えて……学校を卒業して、みんな徐々に変わっていったのかもしれない……」


「アランも変わったんじゃないかな?前より格好良くなった」


「あ、ありがとう……」


「この後時間ある?B地区あまり来たことないよね、案内させてよ」


「そっか、ヒマリの部隊はB地区だっけ」


「うん。サリーと一緒にね」


「じゃあ、頼むよ」


 墓参りの後、僕はヒマリと二人で街の方へ向かった。彼女の案内でB地区を回り、その日一日を彼女と過ごした。

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