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女王の束ねた混沌  作者: GGGolem
7/15 ルインブラッド
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 地下研究施設の中には学校の演習施設のような部屋が設けられていた。その部屋はガラス張りで外から様子が見えるようになっており、統括と二人で中へ入ると、ガラスの向こうで数名の研究員が立ち止まり僕たちの様子を見ていた。


「まずはお前の剣を見せてみろ」


 統括はそう言い爪で指に傷をつけ、そこから流れる血で剣を象った。僕も彼と同じように血を操り剣を構えると、それを見て統括は少し驚いた表情を見せる。


「流血操作?どこで覚えた?」


「これは、自分で……」


「自分で?嘘だろ……。ベルク以外じゃ初めて見たぞ」


「最初は教団の力を使いながら覚えて、今は普通に使えるようになった感じです。そんなに珍しいとは思いませんでしたが……」


「縦の技術ってだけで珍しいに決まってんだろ?まあいい、全力で来い」


 彼の言葉に僕は頷き一歩踏み込んだ。そして下から上へと剣を振り上げる。統括はこれを受け止めたが、僕は流れるような動きでもう一度別の角度から剣を振り上げる。再び受けられたが、相手の受けにほんの僅かずれが生じている。それを見逃さず、全力で逆方向へ振り抜く。すると統括の剣は彼の手から離れ、壁に突き刺さった。


「お前……その剣術、ブラッドのものじゃねえな?」


「はい。剣の基礎はカオスで習いました。それを自分なりに磨いてきたので……ある程度対等な剣撃では、もう負けないと思います」


「はっ、いい自信じゃねえか。しかし予想以上だな。もっとG地区の件を引きずってると思ったが」


「それは……どうでしょう……」


「俺も話はある程度聞いてる。生き残りはお前一人で、他は全員死んだんだろ?ついでに理由は分からんが教団の反応も消えた。まあ、俺としては封鎖した区画を開放できただけで十分だったが」


「え……?今なんて……」


「ん?何がだ?」


「教団の反応が消えた理由です。分からないって……」


「ああ。一応調査はしてみたが、よく分からんままだ。お前、何か知ってるのか?」


「知ってるも何も……教団は僕の中にあります」


「あ……?何言ってんだ……?教団を取り換えたってことか?」


「いえ、二つ目の力です。二つとも僕の中にあります」


「二つ目……。本気で言ってんのか……?」


「はい……。すみません、ちゃんと報告できていなくて……」


「なら、その力を今ここで見せられるか?」


「ここで、ですか……。まだ開放自体したことがないので……」


「なんだよ、ちゃんと引きずってんのか……。まあ無理にとは言わねえが、それならちょっと待ってろ。シルベにも確認する」


 統括はそう言い一度部屋を出た。




 暫く待つと統括が部屋に戻り、大きく息を吐く。


「確かにシルベの検査結果で異常値が出ていた。前に一度目を通していたんだが、俺が見逃すとはな……」


「どういう検査ですか?」


「教団の力を持つことで突出する項目があるんだよ。お前の場合、元々が既に異常値だったからな。適当に流し見しちまってたらしい」


「そうですか……」


「詳細は後でシルベと話しておくが、お前自身も色々試してみたらどうだ?開放を躊躇うのも分かるが、せっかくの力だ。大会までに調整しておけば、流石にルークにも届くだろ」


「いえ、きっと足りません。能力を振り回すだけじゃ、彼を倒す牙にはなり得ない。力を活かした技が要ります」


「まあ、それもそうか……。なら本題に入るぞ。俺の知る中で最大の攻撃手段を教えてやる」


 統括は再び爪で血を流し片腕を壁の方へ向けた。彼の手の先で血が一定の空間に凝縮されると、次の瞬間目にもとまらぬ速さで放たれ、血は一列の直線を描き壁に突き刺さった。


「凄い……」


「血線や一列と呼ばれる縦の技術だ。これを習得してお前の能力と合わせれば、恐らく別次元の技へ昇華できる。大会までに仕上げるぞ。それまで俺が付き合ってやる」

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