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女王の束ねた混沌  作者: GGGolem
7/15 ルインブラッド
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70/132 (7/10)

 新しい環境にも慣れてきた頃、A地区二番街の酒場にて僕はナギサとナナミと三人で集まっていた。


 ナギサは僕に尋ねる。


「そういえば、アランは闘技大会招待されてないの?ほら、年に一回のやつ。もうすぐでしょ?」


「ああ、そうだっけ……。今のところは何もないけど……」


「そっか……。うちの部隊からはラビが招待されてるみたいだけど、なんか残念……。絶対アランの方がいいと思うのに」


「他の部隊だと誰が出るの?」


「さあね。今年はベルクが出ないって言ってるらしいから、よく分かんない。ナナミ知ってる?」


「あー、なんか、ルークって人?が優勝候補らしいけど。この辺じゃ聞かない名前だよね。一番街だと有名なのかも。あとは……何、アラン、どうかした?」


「いや……ルークが、出るんだ……」


「知り合い?」


「うん。学校の同級生で……。ごめん、今日は先に帰るよ」


「え、どうしたの急に」


「少し用ができた。じゃあ、また」


 僕はそう言い残し席を立ち、五番街へと向かった。




 五番街の酒場へ入ると、中では統括が一人でソファに座り依頼の整理をしていた。


「おう、アラン。暇ならこの辺の依頼片付けてくれねえか?」


「暇じゃないです。闘技大会のことで話がしたくて」


「なんだ、興味あるのか?」


「はい。誰を招待するかは統括が決めているんですか?」


「まあ、そうだな。俺の考えとしてはお前を招待するつもりは無かったが……最近ベルクから話があってな、丁度悩んでいたところでもある」


「ベルクさんから?どういう話ですか?」


「このままだと過去最悪につまらん大会になると言われた。だが、お前が出場することで変わるかもしれねえ」


「つまらないって……それは、ベルクさん本人が出場しないからでは?」


「それもあるな。あいつが何故出場しないか分かるか?」


「いえ……」


「絶対に優勝できないからだ。負けると分かっている大会に出る気はないらしい。あいつにそこまで言わせる出場者が居る」


「そういうことですか……。ルークですね?」


「ああ。このままだと確実にルークの優勝で終わる。例えベルク自身が参加したところで何も変わらねえ。誰もルークの皇国流に勝る術を持ち合わせてねえんだ。ブラッドの大会で皇国流が無双すれば、そりゃあ大半の人間にとってはつまらんものになるだろうな」


「確かに……」


「そのルークが、唯一お前を警戒している。実際気にしてるみてえだぜ、アランは出るのかってな」


「出たいです。可能なら」


「お前が希望するなら決まりだな。色々と手を回すことにはなるが、出場できるよう準備しておいてやる。だが、出るからには勝てよ」


「はい、もちろんです。ありがとうございます」


「……で、どうやって勝つんだ?」


「えっ、と……作戦は色々あります。教団の力で強度を上げた装備なら、いくらルークでも突破されないと思いますから、その時点で対等には渡り合える筈で……」


「それで?」


「それで、その……。いえ、すみません。ルークはきっと僕の想像を超えてくる。僕の教団の力なんて、今のルークには通じないかもしれません」


「ならちょっとついて来い。下の施設にでかい部屋がある」


「え……?」


「牙をやる。ルークを倒すためのな」

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