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女王の束ねた混沌  作者: GGGolem
7/15 ルインブラッド
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 地上へ上がると酒場で赤い髪の男が僕を待っていた。統括の右腕、彼とは何度か会話したこともある。


「あれ、統括は……」


「外出中だ。検査は終わったのか?」


「はい、今日はもう大丈夫だそうです」


「そうか。アスラからお前の案内を頼まれているが、明日以降のことは何か聞いているか?」


「いえ、まだ何も……。二番街へ行けばいいんですか?」


「ああ、そこの部隊にお前の名前が登録してある。家も二番街に手配済みだ」


 彼は地図を取り出しテーブルに広げ、指で示しながら説明を続ける。


「ここが地下通路で、ここが部隊の拠点になる。で、お前の家はここだ。行って名前を伝えれば鍵を貰える筈だ」


「分かりました。ありがとうございます」


「明日はひとまず部隊の方で手続きを済ませておけ。ここへ来る日は、そうだな……次の検査日は決まっているのか?」


「三日後と言われました」


「ならその日で構わない。俺からは以上だが、何か質問は?」


「いえ、大丈夫です。これからよろしくお願いします」




 酒場を出ると既に日は暮れかけていた。意識を失っていた時間は思っていた以上に長かったようだ。


 僕は地下通路を使いA地区二番街へ移動した。街に到着し案内された場所へ向かうと、そこには花屋が建っていて、少し困惑しながらも中へ入ると店員らしき女性が僕に気付く。


「すみません、今日はもう閉めるところで……」


「えっと、僕、アランっていうんですけど、ここを訪ねるように言われていて……」


「あっ、アランさんですね、お待ちしてました!部屋は二階になるので、付いてきてもらえますか?」


 僕は頷いて、その女性と共に店のカウンターの内側の階段を上がっていく。二階には部屋が二つ。片方が僕のために手配された部屋のようだ。


 女性は鍵を取り出して僕に手渡す。


「こちらの部屋です。自由に使ってください。何かあれば私に言ってくださいね」


「ありがとうございます。あの、家賃は……」


「部隊の方から頂いているので大丈夫ですよ。アランさんはこの街の新しい戦闘員の方なんですよね」


「はい、そうです」


「実は、私の姉も戦闘員で……もしかしたら関わりがあるかもしれません。ナギサっていう名前で……あっ、私はカナデといいます。姉がナギサで」


「カナデさんにナギサさん、ですね」


「はい。これから頑張ってください。応援しています」




 翌日、部屋を出て下の階へ行くと、カナデともう一人別の女性が居た。その女性は僕と同じような戦闘員の服装をしていたので、恐らく昨日言っていた姉のナギサだろう。二人はそこで何か話をしていて、僕に気が付くとカナデは笑顔で口を開いた。


「おはようございます、アランさん。こっちが姉のナギサです」


 僕がナギサに軽く頭を下げると、彼女はこちらに笑顔を向ける。


「あんたがアランね。今日から同じ部隊に所属って聞いたけど?」


「はい、えっと……ナギサさん。よろしくお願いします」


「敬語とかいらないから。私のことも呼び捨てでいいよ。部隊の拠点は分かる?一緒に行ってあげてもいいけど?」


「えっ、ああ……ありがとう。案内してもらえると助かる」


「ん。じゃ行こっか」


 僕たちは二人で花屋を出て、部隊の拠点の酒場を目指した。




 酒場に着くと、ナギサはまず部隊の案内人と見られる女性に声をかける。


「おはよ。この人今日からなんだけど、登録されてる?アランって名前」


「はい、登録されていますよ。ナギサさんのお知り合いだったんですね」


「知り合いっていうか、昨日私の家に引っ越してきたんだよね。なんか学校から手配の連絡があったらしくて」


「ど、どういうことですか?つまり、同棲中……?」


「違う違う。花屋の二階が一部屋空いてて、そこに引っ越してきたってだけ」


「なるほど、そういうことですか……」


「で、今日の依頼はどんな感じ?」


「これがリストになります。アランさんも同行されますか?」


「ああ、どうする?せっかくだし一緒に行く?」


「そう、だね……」


「ん、じゃあ三人ね。あとでもう一人来るから。依頼はどうしよう……いきなり魔物討伐だときつい?」


「大丈夫。任せるよ」


「そう?じゃあ、これで」


 ナギサは依頼を一つ選んで受注し、そのあと少ししてもう一人が合流した。


「ナナミ、こっち。今日はこの人も同行するから」


 ナナミと呼ばれた女性は僕たちの元に来て、不機嫌そうに表情を歪める。


「え、まあ、いいけど……。男……?」


「あれ、男無理なんだっけ?」


「別に、普通だけど。変に浮つかれるのが嫌なだけ。今日はいいけど、次からは勝手に誘わないで」


「はいはい。じゃあ出発するよ」

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