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女王の束ねた混沌  作者: GGGolem
5/15 六年目
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 その日寮へ戻ると部屋の前にヒマリが立っていて、彼女は僕に気づいて声をかけてきた。


「あ、アラン。やっぱり部屋ここなんだ」


「ヒマリ?今日は集合無しだよね?」


「そうだけど。中で話そうよ」


「え……でも、散らかってるから……」


「いいよ、気にしないし」


「そう……。何の話?」


「中でね」


「ああ……分かったよ」


 ヒマリを部屋に入れると、彼女は部屋を一通り見渡してからベッドの方を指さして、座っていいか僕に尋ねた。僕が頷くと彼女はベッドに腰を掛けて、それから布団に顔を近づける。


「ふぅ……はあ……。この匂い好きかも……」


「あの、話は?」


「ああ、うん、なんだっけ……。えっと、アランも座ったら?」


「ヒマリ、僕は……君と今以上の関係になる気は……」


「ちょっと、黙ってて……。すぐ終わるから……」


 ヒマリは僕の手首を掴んで引っ張ると、僕の体を抱きとめて服の下に手を滑り込ませる。僕が抵抗して離れようとすると、彼女は僕の両腕を強く掴んでベッドに押し倒した。


「い、痛っ……。ちょっと……腕、放して……」


 僕の言葉にヒマリは笑みを浮かべて更に腕を強く掴むと、こちらに体重をかけ顔を寄せてきた。


「ふふ……ほんとは好きなんでしょ?こうやってされるの」


「いや、何言ってるの……」


「いいよ、アラン。私が全部、受け止めてあげるから……!」


 ヒマリは僕の顔に唇を押しつけてきて、僕が抵抗をやめると暫くの間は彼女のいいようにされた。それから時間が経ち一人の生徒が部屋の中に入ってきてベッドの側に立つと、ヒマリはそれに気づいて顔を上げる。


 部屋に入ってきたのは妹のアイカだった。彼女は状況が呑み込めない様子でただ僕たちを見つめていて、暫くしてヒマリが僕から離れて口元を拭うと、その瞬間アイカはヒマリの首を掴んで勢いよく壁に押し付ける。それからようやく口を開いた。


「こいつ、誰?」


「は、班のメンバーだよ……。また今度紹介するから……」


「ねえ、アラン……最近さ、私のこと避けてるよね?朝来ても居ないし、どこ行ってるの?」


「避けてるわけじゃないよ……。ただ、その……」


「何?」


「また今度ちゃんと話すから。ヒマリも、もう部屋には入れないようにする」


「ヒマリってこの女?付き合ってるんじゃないの?」


「違うよ。僕は全然その気も無いから」


「そう……分かった。またすぐ来るから。言い訳考えといてね」


 アイカはそう言いヒマリの首から手を放し、代わりに腕を掴んで彼女を部屋の外へ連れ出した。




 後日、僕が学校でベンチに座っているとその場にサリーが来た。彼女は笑みを浮かべながら僕の隣に座り口を開く。


「どうしたの?どうせヒマリことでしょうけど」


「ごめん、急に呼んで」


「いいって。私もアランと話したいことあったし」


「ディケインのこと?」


「まあね。それで?ヒマリとは上手くいってないの?」


「その……この前の遠征から、急に性格が変わったというか……。最近はちょっと怖さもあって……」


「ああ……元々そういう子だよ、ヒマリは。アランが班に入る前からストーカーみたいなことしてたし。一緒に過ごすようになって、色々歯止めがきかないんじゃない?」


「えっ、元々……?どうしたらいいと思う?」


「は?普通に付き合ったらいいじゃん。顔は可愛いんだし、言い寄られて嬉しくないの?」


「いや、僕は……今は付き合えないよ……。彼女の言動がこれ以上エスカレートしたら、何されるか分からないし……」


「ふふふっ、何かされたの?アランの方が力あるんだし、最悪抵抗したらいいでしょ?」


「それは、そうだけど……」


「まあ、ゆっくり受け入れていったらいいよ。ヒマリにはアランが居なきゃ駄目だから、簡単にあの子のこと突き離さないであげてほしい。あの子には私からも言っておくからさ。もうちょっと時間かけて距離詰めなってね」


「うん、ありがとう……」


「じゃあ、今度は私の番ね。最近ディケインと何かこそこそしてるでしょ。何企んでるの?」


「こそこそしてるつもりは無いけど……朝二人で演習施設を借りてるだけだよ」


「何のために?」


「もちろん強くなるために……」


「それだけならいいけど……。そういえば、G地区のダンジョン、まだ攻略されてないらしいね」


「はぁ……勘付いてるならそう言ってよ。ディケインは挑む気でいる。多分本気だ」


「だと思った。あいつ結構分かりやすいから。アランから見てどうなの?上手くいく可能性はどれくらいある?」


「詳しくは分からないけど、ゼロに近いんじゃないかな?これほど長く放置されるダンジョンも珍しいし……。言葉を選ばずに言えば、彼は死ぬと思う」


「そう……厳しいね」


「だから僕はいつも同行しないって言ってる。一応説得のつもりだけど……それでも彼が一人でも行くと決意したときは、そのときは僕もついていこうと思う」


「そっか……ありがとう。ちょっと安心した。私も何かできたらいいんだけど……足手まとい、だよね……」


「そこまでは言わないけど……サリーはディケインの無事だけ祈っていてくれたらいいよ。もし本当に挑むことになったら隠さずに話すから」


「分かった。ほんとありがとね、アラン」

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