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女王の束ねた混沌  作者: GGGolem
5/15 六年目
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 後日、学校へ向かうと、敷地内に入って少し歩いたところでサキの姿を見かけた。彼女は建物の影で一人蹲っている。


「サキ?どうしたの?」


 僕が声をかけると、彼女はこちらを睨みつけ声を荒げた。


「来ないで!」


「な、何かあったの……?」


「来ないでって!あんたには関係ない!」


「でも、泣いて……」


「触るな!そんな手で!私に……!」


「ご、ごめん……」


 周囲にいた生徒がこちらを見ている。その中にディケインの姿を見つけ、僕は彼の元へ駆け寄った。


「おはよう、ディケイン」


「ああ……なんだ、大丈夫か?」


「分からないけど……。僕じゃ力になれそうにない」


「あれ……サキだよな?お前、元々同じ班じゃなかったか?」


「そうだけど……。解散した後はまともに話してくれなくて」


「そうなのか……心配だな。一応教師を呼んでおこうぜ」


「それなら僕から報告しておくよ。ディケインは先に行ってて」




 僕は教師にサキのことを報告し、彼女の班を注視するよう頼んだ。その後で依頼を受け付ける施設へ向かい、ディケイン達と合流する。


「来たな、アラン。サキの方はどうだ?」


「先生に報告しておいたから、ひとまず安心していいと思う。今日の依頼はもう決まってる?」


 ディケインは頷いてテーブルの上に依頼書を広げ、僕はそれに目を通していく。


「今日というか、今後暫くって感じだな。この前教師に勧められた依頼なんだが、そろそろ受けてみようと思ってる」


「へえ……少し遠出になりそうだね」


「ああ。まだ決めたわけじゃないが、今のところ第一候補だ。あとはお前の意見を聞きたい」


「いいと思う。僕は賛成だよ」


「なら決まりだ。今日はこれで解散して、明日出発しよう」




 翌日、朝いつものようにアイカが僕の部屋を訪ねてきたので、僕は依頼について彼女に話した。


「それで、暫くは学校を離れると思うから」


「新しい班見つけたんだっけ?どんなメンバーなの?」


「リーダーはディケインっていうんだけど……名前じゃ分からないか」


「全部で何人?」


「僕入れて四人だよ」


「女は?」


「え……ふ、二人……」


「ねえ、そういう関係になるんだったら事前に私に報告するようにして。それで一回は私のところに連れてくること。いい?」


「そういう関係って……」


「彼女作るならって話。今後そういうのは一人で決めないで」


「どうしてそこまで僕を気に掛けるの?六年目になってから特に」


「何……迷惑って言いたいの?」


「エスカレートすれば迷惑にもなるよ。じゃあ、もう行くから」


「待って。ねえ、待って!」


 部屋を出ていこうとする僕の腕を、アイカは強く掴んで引っ張った。振り向くとアイカは寂しそうな表情をしていて、暫く俯いてから僕の腕を放した。


「私たちって、なんなんだろうね……。本当に家族なのかな……」


「アイカ……?」


「いや、ごめん……。じゃあね、頑張って……」




 学校の依頼を受け付ける施設へ向かうと、既にディケイン達他三人は揃っていた。テーブルの上には何枚かの依頼書を広げている。


「おう、アラン。ついでに受けられそうな依頼を集めておいたぜ。せっかくの遠出だからな」


「これ全部?何枚あるの?」


「追加したのは四枚だ。ランクも低いし問題ないだろう」


「そうだね。若干地域が離れてるのは気になるけど……」


「ああ、途中二手に分かれてもいいかと思ってな。どう思う?」


「いいよ。詳しい計画は君に任せる」


「よし、じゃあ確定だ。受注してくる」


 ディケインはそう言い、全ての依頼書を手に受付へ向かった。彼がテーブルを離れると、サリーが笑みを浮かべながら口を開く。


「さっき二手って言ってたけどさ、基本的にはアランとヒマリで組むことになるから。仲良くね」


「ああ、うん。よろしく、ヒマリ」


「はい……。よろしくお願いします……」


 ヒマリは小さな声でそう言い軽く頭を下げた。


 彼女の第一印象はシルベに似た生徒。実力もそうだが、性格や言動にも重なる部分があった。

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