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最上級生に上がるまでの期間、僕はルークと二人、もしくはアヤと二人で学校からの依頼をこなす日々を送った。アヤは今もルークのことを恨んでいるようで、三人一緒に行動することは無かった。
浮遊大陸でルークとアヤの二人は、僕が想像していた以上に激しく衝突していたようだ。アウローラにとどめを刺そうとしたアヤをルークが止めたことで口論になり、そのまま正面から戦闘してルークが勝ったらしい。
彼らの卒業の日、僕が朝学校へ行くために外へ出ると、寮の前にアヤが立っていた。
「おはよう、アラン」
「おはようございます。今日は登校しますよね?」
「まあね。統括も来るみたいだし。アウローラのこと、どうなったか聞いてる?」
「いえ、僕は何も……」
「両目潰されて禁固百日だって。一応統括の判断らしいけどさ……甘いよね。あれだけのことをしておいて」
「どうでしょうか……。彼女の罪が計り知れないことは確かです。でも……僕はいい判断だと思いますよ。統括の考えを支持します」
「どうして?あいつが何人殺したか知ってるの?」
「もちろん彼女の罪が許されることはありません。ですが、それは彼女を処刑したって同じことだと思います。死ねば許されることじゃない」
「だけど、生かしておいたら何するか分からないでしょ?今度はブラッドで何か企むかもしれない」
「僕は、そうはならないと思いますけど……。彼女の悪意は、きっと生まれ持ったものじゃないですから。周囲の環境と教団の力、この二つが彼女を悪い支配者にしたのなら、両目を潰せば十分に改心も望めるはずです」
「そう……私も、時間が経てば納得するのかな……。じゃあね、アラン。今まで色々とありがとう。またどこかで会えたら、そのときはよろしく」
「はい。僕の方こそ、ありがとうございました」
午後、学校での卒業式が終わり、僕は寮への帰り道をルークと二人で歩いた。
「アラン、お前はなんで卒業しなかったんだ?」
「それは……自分がまだ未熟だと思っているから。僕には六年目が必要だよ。浮遊大陸へ行ってはっきりしたけど、僕はルークやアヤさんと同じレベルに達してない」
「まあ、否定はしねえけどな……。流石に卒業レベルには達してるんじゃねえのか?お前なら部隊に入ってもやっていけるだろ」
「それはそうかもしれないけど……僕の目標は君を超えることだけだ。そのために、まだ学校でやるべきことが残ってると思う」
「なんだよ、まだ俺を超える気だったのか?差は開く一方じゃねえか」
「ああ……うん、否定はしないよ。だからこそ、君とは違う道を進みたい。僕は僕のやり方で強くなる。だから、次にまた全力で戦える機会を楽しみにしておいて。君はずっと先で待っていてくれればいいから」
「ああ、分かったよ。何度でもぶちのめして、思い知らせてやる。一生俺には追い付けねえってな」




