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昼を過ぎた頃、一度演習を中断した。
「ルーク、来ないね……」
僕が呟くとサキは気まずそうな顔で頷く。
「まあ、そうだね……。来られても困るけど」
「少し抜けてもいいかな?ルークを探してくるよ」
「は?なんでよ」
「大丈夫、個人的なことだから。別に連れてこようとか思ってないよ」
「いや、でも……」
「ルークはいつ学校を離れてもおかしくない。話したいことは今話しておかないと」
僕はそう言い、シルベとサキの二人を残して部屋を出た。
ルークは演習室の別の部屋に一人で居て、僕は彼の部屋を見つけてその中へ入った。
ルークは僕に気付くと、一度手を止めてこちらを向く。
「アランか……サキとシルベはどうした?お前は二人と遊んでろよ」
「遊んでいられるような雰囲気じゃないよ。君のせいでね」
「俺のせい?言うじゃねえかアラン。いいぜ、そこに立てよ。サンドバッグにしてやる」
「ああ、分かった。君の拳が壊れないことを祈るよ」
僕はそう言い指を噛んで血を流すと、教団の力を開放して強固な鎧を纏った。
それからどれくらい時間が経っただろうか。僕もルークも互いに疲れ果て、二人で地面に座り込んだ。
「はぁ……疲れた……。ルーク、そろそろ本題に入ろう……」
「ああ……仕方ねえ、聞いてやるよ……。どうせ班のことだろ?」
「うん。君はどう考えてる?今後、僕たちはまた一緒に行動できると思う?」
「知るか。どうでもいいだろそんなこと」
「考えを聞きたいだけだよ。今の班をどう思うのか」
「何も。悪いが、俺は本気で班のことなんて考えてねえ」
「じゃあ、これからのことは?君は学校でどう過ごしていくの?」
「別に、力を付けるだけだ。お前に勝って満足したとでも思ったか?俺はこの先もずっと、死ぬ気で強さを求め続ける」
「そう……一つ聞きたいんだけど、君は何を原動力にそこまで強くなろうと思うの?過去に何かあったとか?」
「別にねえよ。理由がねえと強くなれねえような奴らと一緒にするな。俺はそんな奴らとは次元が違う」
「まあ、君らしいとは思うけど……尖った考えだね。ちょっと心配になるよ」
「はっ、うるせえな」
「僕は少なからず班に貢献したくて強さを求めた。その原動力が力になってる」
「そんなこと考えてるから俺に勝てねえんだろ。負けた奴の言葉には何の説得力もねえ」
「確かに負けたよ。でも、認めてはもらえた」
「ああ?……いや、そうだったな。いずれお前に負ける日でも来れば、その時は俺も考えを改めるかもな」
「本当に?案外素直だね」
「素直だと?何を勘違いしてんだ?元々そういう世界じゃねえか。尖った思考はねじ伏せられる。力を持つ人間が支配する。俺はただ、世の理ってやつを理解してるだけだぜ」




