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翌日、学校へ行くと校門を潜ったところで一人の女子生徒に声をかけられた。
「あ、あの!アランさん!」
確か同じクラスの生徒だが、名前はすぐには思い出せない。
「え、僕?」
「はい。あの、昨日の試合見てました。アランさん凄く強くて、格好良くて……。それで、なんというか……その、これからも応援したいとなと思ってて……」
「えっと……何を言ってるの?」
「え……あの、昨日の試合で……」
「ルークとの試合だよね?僕は負けた。格好良かったのはルークの方だよ」
「結果はそうかもしれませんけど……。でも、あの人はなんていうか……皇国の人、ですよね?」
「ルークは……いや、ごめん。もう行くよ」
僕はそう言い速足でその場を去った。
学校の敷地内を進み、屋内演習施設へと向かう。中へ入るとシルベの姿を見つけ、彼女と二人で暫く待機するとサキとルークも遅れてその場に来た。
四人が集まり、個室を一つ借りて演習を始めることになるが、しかし、この日は部屋に入ったところでサキがルークに冷めた目を向け口を開く。
「で、昨日のは何?」
「昨日の?アランとの試合か?」
「それ以外ないでしょ。皇国の技なんてどこで覚えたの?」
「自力だ。悪いのか?」
「悪いに決まってる。ここはブラッドの学校なんだから……。何平気な顔してんの?私が何を言おうとしてるか、分かってるよね?」
「あ?他人の気持ちなんて知るかよ」
「あんたね……別に混血なのはいい。私が言いたいのは、どうして皇国の技ばっか使うのかってこと。ブラッドの技は全然使わないくせに。どう考えてもおかしいよね?」
「悪いが、俺は俺のやり方で強くなる。お前の意見なんて関係ねえよ」
「ここはブラッドの学校なの!ブラッドの技を磨くための場所なの!そんなに皇国が好きなら、皇国の学校に行けばいいでしょ!?」
「自分のことは自分で決める。お前に言われる筋合いはねえな」
「誇りはないのかって言ってんの!ブラッドの戦士としての!」
「は?ねえよそんなもん」
サキは拳を握り、今にも振りかぶろうとしている。
僕は二人の間に割って入った。
「待って。サキ、一回落ち着こう」
「戦争で何人生徒が死んだと思ってんの!?みんながどんな思いで戦ったと思ってんの!?それをこいつは!後から来て!街だけ奪って!」
「サキ、違う。ルークはブラッドの仲間だよ」
「私は認めないから!昨日の試合も、勝ったのはアランよ!皇国の技に頼った時点であんたの負けよ!」
サキは僕を押しのけて言ったが、それでもルークは表情も変えずに平然としている。
「勝手に言ってろ。雑魚に認められたってなんの価値もねえ」
「ルークっ……!もういい、出てって。あんたの顔は見たくない。二度と私の視界に入らないで」
「そうかよ。じゃあな」
ルークはそう言い部屋を出ていったが、僕は彼を止められず、シルベも悲しげな表情で見守るだけだ。
ルークが居なくなった部屋で、サキは蹲り涙を堪えていた。
「サキ……その、今のは……」
「分かってる、ごめんね……。ほんとごめん、私が悪い……」
「いや、今のはルークが悪いよ。サキの気持ち知って、煽るような最悪な言い方だった」
「無理に庇わなくていいよ。私が間違ってるんだから。えっと……悪いけど、今日はもう解散でいい?」
「ああ……うん、分かった……」
「ごめんね、じゃあまた」




