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女王は僕とアキトをとある部屋に案内し、そこで暫く待っていると、蒼炎、アイカ、アカリの三人が部屋に入ってきた。僕の兄妹たち、全員が既に女王の元に居たようだ。
「みんな……どうして……」
蒼炎も僕と同じように少し戸惑った様子で口を開いた。
「揃った、ということか……。やはりメアは四つの体に一人ずつ同行させていたのだな」
「知らされていなかったんですか?」
「ああ。以前手紙で尋ねたこともあったが、明確な回答は無かった。皇国の体は全て知っていたのか?」
「はい。僕たちは知っていました。体が四つあること、教団の力を複数持つために実験されていたこと、そして、完成した僕に対し不完全だった者を兄妹としたことも」
「なるほど。成功したお前を、失敗作である我々に護衛させたということか」
「そうなります……。でも、メアさんは僕のことも失敗だと言っていました。彼女の研究はずっと前から破綻していたようです」
「いくら人類が進化を重ねても、魔物の進化には追い付けない。そういうことだな?」
「そうです。メアさんはその事実を知り、僕を作ったところで研究を辞めました。彼女は魔物を滅ぼすことを不可能だと諦めたのです」
「しかし女王陛下は諦めていない。メアと文を交わす中でヒントを得て、ある作戦を実行するため世界を支配しようとしている。意思は継がれた。ならば我々もそれに準ずる」
「じゃあ、みんなリヴィ様の配下に……?」
僕が尋ねると、アイカとアカリも頷いた。彼女たちもそれぞれブラッドパールから寝返り、女王の指示の元動くようだ。
アイカは口を開く。
「難しいことは知らないけど、なんかそういう流れだったし……。私はアランと同じ立場で戦えるならそれでいいよ」
「ブラッドと敵対することになっても?」
「そんなに敵対するかな?ベルクさんはもうカオスに寝返ってるし、あの人についてきた戦闘員だって大勢いるよ」
「ベルクさんが?本当に?」
「うん。だから、ブラッドではもう諦めムードって感じで……。ベルクさんは今も統括のままだから、ブラッド全体の意思としてカオスに従うことを選んだのだと思う。敵対するとしたらルインブラッドの残党くらいかな」
「そうなんだ……。僕が居なかった間に色々なことが変わったんだね……。姉さんは?パールを裏切っても大丈夫なの?」
僕が尋ねると、アカリは笑顔を見せた。
「私は大丈夫。貴方たちと違って戦えないから、裏切るって言うよりは旅行みたいな感覚?今はただ、貴方に会えて嬉しい。側に居られるなら、このままカオスに引っ越すよ」
「ああ……ありがとう……」
僕が一度アキトの方を見ると、彼は何か察したように懐から手紙を取り出す。僕はそれを受け取って、蒼炎、アイカ、アカリの三人にそれぞれ手渡した。
「これ、メアさんから預かってて……。彼女からの最後の言葉が書かれてると思う」
蒼炎は手紙を開けて中の文章に目を通し、それから口を開いた。
「最後か……」
「何が書いてありましたか?」
「兄弟仲良く、そんなところだ。親にでもなったつもりか知らんが……今更、言われるまでもない」
そう言って笑う蒼炎に、アイカとアカリ、それからアキトも頷いていた。




