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魔王少年アスラ  作者: バーチ君
オスマイ帝国
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ランド王国の解放

 エモンド国王の命令を聞いて兵士達が剣を抜いて向かってきた。



「アスラ兄。どうするの?」


「仕方ないから、ちょっとお仕置きするか。でも、殺すなよ。」


「わかってるわ。」



 リンもマロンも魔力を解放する。すると、2人の背中に純白の羽と漆黒の羽が出た。そしてオレが魔力を解放すると天井、床、壁がミシミシと音を立て始め、背中には漆黒の翼が現れた。



「お前達は!ま、ま、まさか、魔王なのか?!」


「フィリップさんに頼まれてこの国も助けてやろうと思ったけどやめとくよ。」



 そして兵士に向かって行った。



「勝てるつもりならかかってきなよ。殺さないけど苦しむことになるよ。」



 オレが目に力を入れると兵士達の後ろの壁が音を立てて崩れた。



ドカドカドッカーン



 兵士達はその場で腰を抜かして立ち上がることができない。国王を見ると椅子から落ちて失禁していた。



「た、た、助けてくれ!何でもいうことを聞くから、命だけは助けてくれ!」



 リンが剣を抜いて国王に近づいていく。すると国王を守るようにアルベルト王子が前に出て土下座した。



「お願いです。どうか父上をお助けください。私の命はどうなっても結構ですから。どうか母上と父上だけは!」



 完全に興ざめだ。オレ達は魔力を戻し元の姿になった。



「アスラ。どうだろう?このアルベルトを国王にしたらいいんじゃないか?」


「ミコト!お前、頭いいな。そうだな。こっちの息子の方がよほど国王に向いているな。」



 オレはアズベルトの前に行った。



「わかった。お前の両親を助けてやろう。その代わり、お前が国王になれ。それが条件だ。」


「ですが、急にそう言われても。」


「別に私達はこの国が滅んでもいいのよ。でもあんた達、帝国のことを甘く見すぎじゃないの!帝国がこの国を属国にしたのは古代遺跡があったからでしょ。でも、もうその必要もなくなるわよ。」


「どういうことですか?」


「昨日見に行ってきたのよ。そしたら、古代兵器はすでに完成したみたいだったわよ。」



 すると、エモンド国王が言った。



「それは誠か?」


「まあね。古代兵器さえ手に入ればこの国の価値はないわけよ。あなた達の価値もね。そうしたら、皇帝はどう考えるかしらね。」


「そうだな~。多分、用済みになったこの国の王族達を皆殺しにするだろうな。」



 エモンド国王の顔が真っ青になっていく。



「まあ、そういうことだから。オレ達には関係ないからさ。」



 オレ達がその場から立ち去ろうとするとエモンド国王が大声で言った。



「わしが、わしが悪かった。お願いだ。この国の民達を守ってくれぬか。わしの家族を守ってくれぬか。この通りだ!」



 国王がオレ達に土下座した。その場にいた兵士達も全員が土下座した。



「どうするの?アスラ。」



 オレはアズベルトの前に行った。



「あんた次第だ。あんたが国王になるっていうなら助けてやるさ。」


「アスラ殿。お願いします。どうかこの国を助けてください。国王にでもなんにでもなります。どうかお願いです。」


「わかったよ。なら、3日以内にこの国から帝国兵を追い出すから。」



 オレ達は転移で王城の外に出た。



「これからどうする?アスラ~。」


「この国はオルセン王国と同じで小さいから、全部回ってもそんなに時間かからないだろ。」


「そうね~。」



 ここでミコトが聞いてきた。恐らく故郷の聖教国に帰ってみたいのだろう。だが、今回は帝国を優先しなければならない。ミコトには悪いが今回は聖教国に行くつもりはない。



「なら、聖教国との国境の街から回るのか?」


「そうだな。でも、聖教国にはいかないぞ!」


「わかってるさ。ランド王国の救済が優先なんだろ!」


「ミコト、賢い!」


「まあな。」



 オルセン王国の時と同じだ。北の街から順次帝国に向かって兵士達を追い返していくだけだ。2日もあれば大丈夫だろう。そう思って最北の街から行動を開始した。途中で戦闘になった街もあったが、オレ達の力を示すとたちどころにみんな逃げていった。そして、王都までやってきた。後はこの王都から南にある街2つを攻略すれば終了だ。



「アスラ。王都だけどさー。街の外れに古代遺跡があるわよね~。どうするの?」


「もしかしたら古代遺跡そのものを破壊してしまう可能性があるから、一応王城に行ってアズベルトさんに許可取っておいた方がいいよね。」


「そうだな。アスラの言う通りだな。古代遺跡は国にとってはお宝のような物だからな。」


「そんなもんなの?人族って厄介だよね。」


「厄介!」



 オレ達はいったんランド王国の王城に行った。



「アスラ殿。報告が来てますよ。既に北の街には帝国兵がいなくなったそうです。ありがとうございます。」


「今日来たのはアズベルトさんに一応許可を取ろうと思ってきたんですよ。」


「何の許可ですか?」


「この前話したけど、古代遺跡のことなんだよね。」



 するとリンが説明した。



「古代遺跡に帝国の兵器工場があるのよ。知ってるでしょ?今からそれを破壊するのよ。古代遺跡も壊しちゃうかもしれないから来たのよ。」


「古代遺跡に帝国の兵器工場があったのは知っていますよ。ですがもうありませんよ。昨夜から今日の朝にかけて、帝国兵がすべて運び出していましたから。」


「そうなんだ~。」



 アズベルトの話を聞いてリンが怒り始めた。



「アズベルト!あなた、帝国が兵器を運び出すのを黙って見ていたの?」


「いいえ。そんなわけないでしょ!我が国の兵士達が止めようとしました。ですが、帝国の武器が強力でこちらの兵士に多数の死傷者が出ましたよ。」


「アズベルトさん。怪我人のところに案内してくれますか?」


「どうするんですか?アスラ殿。」



 アズベルトに案内されてオレ達は怪我人がいる場所まで行った。怪我の様子を見ると、どうやらオレ達が見た金属の筒の武器でやられたようだ。どの怪我人の傷にも金属の玉が入っていた。オレは怪我人達に向けて魔法を発動した。



「すべての怪我を癒せ!『リカバリー』」



 するとオレの手から眩しい光が放射され、部屋全体を包み込んだ。そして怪我人達の傷口から金属の玉が零れ落ち、傷が見る見るうちに塞がっていった。



「き、奇跡だ!」


「神なのか!」



 兵士達がオレを拝み始めた。その様子をアズベルトが神妙な顔で見ている。



「アスラ殿。あなたは本当に魔王なのですか?私には神にしか思えません。」


「アスラは魔王よ。でも、正義の魔王なのよ。」


「アスラ兄は正義!」



 アズベルトと別れた後、オレ達は王都の上空に舞い上がった。そして、再び魔王の姿に変身して帝国兵達を追い出した。約束の3日目にはランド王国内にいた帝国兵は全員が帝国に逃げ帰った。


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