ランド王国のエモンド国王
オレ達はマロンの指輪の正体を確かめるために、転移でロッテンシティーの森まで行った。
「懐かしいわね~。ここで何するの?」
「ああ、マロンの指輪を確かめるんだ。マロン。その指輪を前に出して魔力を込めて『現れよ!我が僕!』って唱えてごらん。」
「うん。なんかカッコいい!やってみる!」
するとマロンが腕を前に出して唱えた。
『現れよ。我が僕!』
すると指輪が光り地面に大きな魔方陣が現れた。その中から真っ赤な鳥が出てきた。
「ピーちゃん!」
何と出てきたのは、成長して飛び立ったフェニックスだった。ミコトは驚きすぎて固まっている。
「も、も、もしかしてこの鳥は神獣のフェニックスじゃないのか!」
「そうよ。それがどうかしたの?」
「リン。フニックスだぞ!神獣だぞ!なんでそんなに落ち着いているんだ!」
「あなた、忘れたの?私は天使見習いなのよ!フェニックスなんか見飽きるぐらい見てるわよ!」
ミコトはガクリと肩を落とした。するとフェニックスは人間の言葉で話してきた。やはり神獣だ。人間の言葉が話せるようだ。
「お呼びですか?マロン様。」
「会いたかったよ。ピーちゃん。」
「その節はありがとうございました。ごつごつとして少し狭い場所でしたが、マロン様の温もりはよく覚えております。」
「ごつごつ?狭い場所?ピーちゃん!今の私はごつごつじゃないよ!」
「確かにそのようですね。」
どうやらフェニックスは、マロンの胸の中で温められていたことを覚えているようだ。それよりも鳥がしゃべっていることにミコトが驚いている。
「これって夢じゃないよな~。しゃべってるよな~。」
するとフェニックスがオレの前に来た。
「ガイア様。ナデシア様からの伝言があります。」
全員に緊張が走った。
「伝言って何?」
「『お嫁さんが3人になってよかったね。』とおっしゃっていました。」
なんか緊張した自分が馬鹿だった。だが、一人だけ違った反応のものがいた。
「本当にナデシア様がそう言ったのか?本当にアスラのお嫁さんが3人と言ったんだな!」
「はい。間違いありません。」
なんかミコトが真っ赤になってもじもじ始めた。するとリンがぶっきらぼうに言った。
「よかったじゃない。でも、ミコトは第3夫人だからね!」
「う、うん。」
なんか今までのミコトとは違っていきなり女らしくなった。
「ミコト!オレは今までのミコトの方が好きだな。ミコトのような美人が、男のような振る舞いをしているのがすごくカッコよかったんだけどな。」
「美人?アスラは私のことを美人だと思っていたのか?」
「ああ、オレだけじゃないと思うよ。なあ、リン。マロン。」
「そうね。ミコトは美人だと思うわよ。」
「ミコトは美人!あたしも美人!」
そんなこんなでフェニックスは帰っていった。これでいつでもフェニックスを呼び出せることがわかってマロンは大喜びだ。そしてその日、宿に戻ったオレ達は広いベッドでぐっすりと寝た。翌朝、その日はランダ王国の国王に会うつもりだったのだが、リンが言ってきた。
「ランダ王国はオルセン王国と違って、帝国の属国になることを選んだのよね~。私達が行って本当に大丈夫なのかな~。」
「フィリップさんからの紹介状もあるし、大丈夫じゃないか。」
するとミコトが教えてくれた。
「アスラ。リンの言う通り気を付けた方がいいぞ。ランダ王国の現国王エモンドはなかなかの策略家だと聞いたことがある。」
「どういうこと?」
「エモンドは元々ランダ王国の伯爵だ。他の貴族達を蹴落として、先代の国王の一人娘と結婚したようだ。」
「そうなんだ~。つまり頭がいいってことだよな~。」
「ま~。確かにそうとも言えるがな。」
オレ達は王城に行った。オルセン王国からの使者を名乗るとそのまま謁見の間に案内された。謁見の間にはエモンド国王の他にエカテル王妃、その隣にアズベルト王子がいた。
「よくぞ参った。フィリップ殿の使者よ。」
「はい。エモンド国王陛下に置かれましてはご機嫌麗しく恐悦至極に存じます。」
「フィリップ殿も息災か?」
「はい。オルセン王国の領土を帝国から奪い返し、現在は経済・政治・軍事にと忙しくしております。」
「そうかそうか。確か~魔王が現れて帝国兵を追い出したと聞いたが、それは事実か?」
「はい。魔王は我らに協力的でして、平和を乱す帝国の軍事行動を相当怒っていたようです。」
「ならば、このランダ王国が帝国から独立を考えた時、魔王は協力してくれるかの~?」
「恐らくは。」
「それで、帝国を滅ぼした後はどうするつもりなのだ?帝国の領土をわしとフィリップ殿で2分するつもりなのか?」
「いいえ。フィリップ殿はそのようなことは考えておられません。」
「そうか~。残念だな~。実はな。帝国から手紙が来てな。再びオルセン王国を亡ぼすのに手を貸せと言ってきておるのだ。オルセン王国を滅ぼした暁には、オルセン王国の領土をわしにくれると言ってきておるのだ。どうしたもんかの~。」
すると、アズベルト王子が怒り始めた。
「父上!何を言っておられるのですか!帝国はフィリップ殿の国を滅ぼしただけでなく、我が国をも属国としたのですよ。わが国民の惨状を見てないのですか!帝国の者どもに搾取され、今やわが国民達は苦しみと悲しみのどん底にいるのですよ!」
「だまれ!アズベルト!お前のような甘い考えの人間には国は守れん!強い方に味方する、条件のいい方に味方する、それのどこが違うのだ!我々王族が滅んでは意味がないであろう!」
ミコトの言った通りだ。なんかこの国を守ろうとしていることがバカバカしくなってきた。
「あ~あ。やめたやめた!リン、マロン、ミコト!もうこの国はいいや。帰るぞ!」
「そうね。こんなのが王様でいたら国民達が可愛そうよね。」
「本当にいいのか?アスラ。このままだとこの国は帝国に滅ぼされるぞ!」
「でもさ~。リンが言う通り、オレ達が助けてもこの王様じゃあ国民は幸せにはなれんからな。」
いきなりオレ達が立ち上がって国王の悪口を言い始めたので、国王達も何が起こったのか理解できていなかったようだが、どんどん顔が赤くなっていく。
「無礼な奴らだ!この者達を不敬罪で殺せ!」




