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魔王少年アスラ  作者: バーチ君
オスマイ帝国
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ランダ王国の王都ジャイール

 オレ達は帝国の様子を伝えにフィリップのところに行った。フィリップも帝国の様子を聞いて意外な様だった。



「フィリップさん。オレ達これからランダ王国に行ってきます。何かあればすぐに戻ってくるつもりなんですけど、その間にオルセン王国を立て直しておいてください。」


「わかりました。」



 フィリップが簡単に返事をしたのが気に入らないのか、リンが強い口調で言った。



「あなた分かってるの?国を立て直すっていうのは簡単なことじゃないのよ!政治や経済、それに帝国に対抗するための軍事力を作るってことなのよ!」


「はい。わかってます。もう2度とあの苦しみを味わいたくありませんから、国民が一丸となって行動できるように説明しますから。」


「ならいいけどね。」


「フィリップ!がんばれ!」


「ありがとうございます。マロン殿。」



 オレ達は時間短縮のため、ランダ王国まで飛翔していくことにした。ランダ王国は属国になったが滅んだわけではない。そこで、王都ジャイールに行くことにした。



「この街もなんか空気がどんよりしてるわね。」


「そうだな。それにしても兵士の数が多いな~。」


「アスラがオルセン王国で魔王の姿を見せたのが原因じゃないのか?」


「そうかもな。」



 とりあえず様子を探るため冒険者ギルドに行くことにした。冒険者ギルドの中は意外にも活気があった。



「何でこんなに人が多いのかな~。アスラ~。やたら多くない?」


「そうだな。受付に行って聞いてみようか。」



 オレ達は受付に行った。珍しく受付にいたのは男性職員だ。



「ちょっと聞きたいんですけど。」


「なんだ?忙しいから要件を言ってくれ!」


「どうしてこんなに人が多いんですか?」


「そんなことか!古代遺跡だよ!みんな古代遺跡のお宝を換金に来てるんだ!もういいか?」



 なんか受付の男性がそっけない。



「アスラ。お前よく我慢できるな!私はああいう態度には我慢できん!」


「ミコト。お前さ~。もう少し大人になった方がいいぞ。」


「そうよ。胸ばっかり大人になったってしょうがないんだから!」


「リン!私の胸のどこが大人なんだ!」



 ミコトがリンの胸を見た。どうやら納得したようだ。



「私も大人!リン姉は子ども!」


「マ・ロ・ン!」



 マロンがオレの後ろに隠れた。まあ、中がいいのはいいことだ。



「なんか古代遺跡って何か気になるよな~。」


「そうね。なんかきな臭いわよね。ちょっと私が冒険者に聞いてみるわ。」



 リンが冒険者達に聞きに行った。だが、子ども扱いされて相手にしてもらえない。



「あいつら何よ!フン!人を子ども扱いして!」


「私が聞いてこようか?」



 ミコトが聞きに行くと男達は鼻の下を伸ばしていろいろと情報をくれたようだ。



「何でよ!何でミコトが聞いたら教えてくれるのよ!納得できないわ!」


「まあまあ。それで?」



 ミコトの聞いた話によると古代遺跡は2つのエリアに分かれているそうだ。1つのエリアは冒険者がお宝を探しているようだが、もう一つのエリアには立ち入り禁止になっている。どうやら帝国の兵士達が管理しているようだ。



「やっぱりよ。もしかしたら帝国がこの国を属国にしたのってそれが理由じゃないの。」


「そうかもな。」



 するとミコトが聞いてきた。



「どういうことだ?私にもわかるように説明してくれ!」



 そこでオレはグラッセ王国の古代遺跡について説明した。



「そうか。ならばここの遺跡も4000年前のものの可能性があるんだな。」


「そうさ。当時、世界中で戦争していたらしいから、何かしら軍事品のようなものが出てきてもおかしくないだろ!」


「古代の武器か?」


「そうよ。昔は人々も魔法が使えたから、それに対抗できるような武器を開発していたでしょうね。」


「なるほど。そうなると剣で戦っている今と違って、もっと強力な武器があったかもしれないということだな。」


「そうね。」


「どうするんだ?アスラ。」


「調査しに行こうか?」


「仕方がないわね~。」


「マロン!スパイやる!」



 なんかマロンはスパイに憧れているようだ。オレ達は古代遺跡に行く前に腹ごしらえすることにした。食堂に入ると兵士達がいた。中には将校らしき人達もいる。オレ達は空いている席に座って周りの話を聞くことにした。



「何食べようかな~。」


「リンもマロンも食べすぎるなよ。」


「わかってるわよ!」



 とりあえず注文した後、オレは魔力を耳に集中させて周りの声を聞いた。



「オルセンに魔王が現れたっていうのは本当なのか?」


「ああ、間違いないらしいぜ。軍務卿に例の兵器の開発を急ぐように言われたんだ。まったく、現場の声を聞いて欲しいぜ!こっちはもう寝る暇もないんだからな。」


「やっぱり本当だったんだな。そうなるとこのランダにも来るかもしれんな。」


「そうだな。そしたらお前はどうするんだ?」


「戦うしかないだろう!逃げ帰ったりしたら皇帝に処刑されちまう!」


「だがな~。相手は魔王だぞ!」


「そうだよな~。オルセンの連中も可哀そうにな~。魔王から逃げきれても帝国から反逆罪にされたら、どこにも逃げ場がないもんな~。」


「いっそスチュワート王国にでも逃げるか!」


「そりゃ名案だ!ハッハッハッハッ」



 オレは2人の話を聞いて無性に腹が立ってきた。一般の兵士達は帝国からすればいわば使い捨ての道具なのだ。彼らは戦って死ぬか、帝国で重い罰を受けるかのどちらかしか選択できないのだ。



「どうしたの?アスラ。」


「ああ、ちょっとな。」


「もしかして、兵士達の話を聞いたんでしょ。」


「そんなことができるのか?」


「ミコト!あなた本当に何も知らないのね。魔力を耳に集中すれば人の話ぐらい簡単に聞けるわよ!」


「それは本当か?」



 マロンは運ばれてきた料理を食べることに集中しているようだ。何も言わずにひたすら食べている。そして、食べ終わったオレ達は古代遺跡に向かった。



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