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魔王少年アスラ  作者: バーチ君
オスマイ帝国
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ミコト!飛翔する!

 勇者の末裔のミコトがオレ達の仲間になることになった。リンやマロンが子どもっぽいのに対して、ミコトは大きな胸を持った美女だ。断る理由なんかない。だが、ここで大きな問題が発生した。今までのオレ達は長距離を移動するときは飛翔していたのだが、人族のミコトには飛翔ができないのだ。



「オレ達はさ。飛翔できるんだよ。でも、ミコトには無理なんだよな~。だからさ。どうしようか考えてるんだ。」



 すると、マロンがポツリと言った。



「精霊女王様に相談。」



 精霊女王と聞いてミコトが大声をあげた。



「精霊女王様だと~!」


「ああ、そうか。マロン。お前、天才かもな。」


「えへ。」



 オレがマロンの頭をなでるとすかさずリンが頭を近づけてくる。仕方がないのでいつものように二人の頭をなでた。するとミコトが大声で笑い始めた。



ハッハッハッハッ



「どうしたの?いきなり。」


「いや。なんでもないさ。ただ、私は本当に誤解していた様だ。すまなかった。アスラ。なんか自分が恥ずかしい。ナデシア聖教国では魔族や魔王は悪として教え込まれるのさ。その影響だろうな。だが、こうして自分の目で見ると何が正しいかよくわかるよ。」



 オレは手を前に出して呼び出しの魔法を唱える。



「我が望みをかなえよ。『精霊女王ラミリス』」



 すると、目の前に巨大な光の球が現れた。それがどんどん人型になっていく。そして豊満な美女が現れた。



「お呼びですか?ガイア様。」


「うん。急に呼び出してごめんね。ラミリス。この人、オレ達の仲間になったんだけど人族なんだよね。どうにか飛翔できるようにならないかな~。」


「そうですね~。なら、シルフィーを呼びましょう。」



 すると緑の神をした美女が目の前に現れた。



「あ~。ガイアちゃん!おひさ~!相変わらず可愛いわね~。」



ボコッ



「シルフィー!何ですか!その挨拶の仕方は!」


「すみません。ラミリス様。」


「シルフィー!あなたこの女性に加護をつけなさい。飛べるようにするのよ!」


「は~い。」



 するとミコトの背中に透明な羽のようなものが出た。



「これで飛べるわよ。」


「ありがとう。ラミリス。シルフィー。」


「どういたしまして。たまには世界樹に来てくださいね。待っていますから。」



 精霊女王ラミリスもシルフィーも帰っていった。ミコトはずっと黙ったまま立っている。



「アスラ!この子、気絶してるわよ!」


「立ったまま気絶!すごく器用!」



 ミコトを揺すって意識を戻した。すると、堰をきったかのように話してきた。



「アスラ!今のは誰だ?まさか本物の精霊女王様じゃないだろうな?」



 するとリンが厳しい目つきで言った。



「あんた、何言ってるのよ!精霊女王ラミリスに決まってるじゃない!」


「ま、ま、まさか!本当なのか?もしそれが本当なら大事件だぞ!恐らく聖教国の教皇様でも精霊女王様になんかあったことないはずだ!」


「あんた、バカじゃないの!あんた、さっきのラミリスの言葉を聞いていなかったの?」


「確か~、アスラのことをガイア様とか言っていたな~。ま、ま、まさか、アスラは神なのか?!」



 なんかやっぱりミコトは残念娘のような気がしてきた。普通に見たら、だれがどう見ても美女なのになんかもったいない。



「もういいよ。さっき話したことがすべてだから。」


「どういうことだ?」


「だ・か・ら!アスラは覚えてないのよ!わかった?」


「ミコト、意外とバカ!」


「マロンまでひどいぞ!」


「まあともあれ、これでミコトも飛べるようになったんだからいいじゃないか。」


「本当に私が飛べるのか?」


「飛んでみなさいよ。」



 ミコトが飛ぼうとすると背中に透明な羽が出た。そして少しずつ空中に浮きあがるが、足と手をバタバタさせている。



ドテッ



「アスラ!この人、本当に勇者の末裔なの?」


「さあな。」


「酷いじゃないか!」


「なら、もう一度やってみなさい!飛べるまで練習よ!」


「え————!!!」



 それから2時間ほどした頃、やっと安定して飛翔できるようになった。念のために、オレ達がミコトを囲むように飛翔する。



「まるで夢みたいだ!私、空飛んでるよな?」


「そうよ。この速度だからいいけど、もっと速度を上げると息ができなくなるから自分に結界を張るのよ。そのぐらいはできるでしょ?」


「ああ、簡単な結界なら張れるさ。」



 それから1時間ほど飛翔したところで地上に舞い降りた。



「ここからは歩いていくぞ。盗賊達がどこにいるかわからないからな。」


「そうね。ミコト!あんたは一番弱いんだから、私達の後ろにいなさい。」



 なんかミコトが本当のことを言われて不貞腐れている。



「なあ。リン。」


「なによ?」


「私に魔法とか教えてくれないか?」


「どうしてあんたに教えなきゃいけないのよ!」


「だって、私だって仲間になったんだからいいじゃないか!」


「リン。教えてやれよ。」


「わかったわよ。」


「私も教えてあげる!」


「ありがとう。マロン。」


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