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魔王少年アスラ  作者: バーチ君
オスマイ帝国
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ミコト、仲間になる!

 オレ達が去った後、ミコト達は地面に座り込んで話をしていた。



「ミコト様。魔王の力があれほど強大だとは思いませんでした。」


「今の我々では歯が立ちません。」


「あれでもあいつは本気じゃないさ。多分、100分の1も見せてないだろうな。」


「そ、そ、そんな~。」



 しばらくミコトは考え込んでいた。



「ミコト様、この後どうなされるんですか?」


「私にはあの娘の言ったことが嘘には思えなかったんだ。もし、魔王が悪でないとしたら、私は何のために今まで修行をしてきたのか。」


「私もあの少女の言葉が嘘には聞こえませんでした。」


「それに、あれだけの力を持っていながらなぜ魔王は人族の国を滅ぼさないのでしょう?」


「お前達もそう感じたか?」


「はい。悪い存在には見えませんでした。」



ミコトは立ち上がって従者の二人に言った。



「よし!決めた!お前達は国に帰れ!」


「ミコト様は?」


「私は魔王と一緒にいよう!魔王が悪なのかどうかこの目で見極めるさ!」


「ですが危険では?」


「あいつが殺す気だったら、私達はとっくに死んでいるだろ。」



 その頃、オレ達は帝都に戻って食事をしていた。お洒落なレストランの窓際の席に座って外を眺めながら食べていた。マロンが肉を食べようと大きな口を開けた時、窓の外にミコトがいた。窓からこちらを恨めしそうに眺めている。



「気にするな!見たら負けだ!食べるぞ!」


「うん。」


「あの子、何をしたいのかしらね?」


「知らん。」



 すると、ミコトが店の中に入ってきた。



「声をかけてくれてもいいじゃないか!」


「どうして、オレがお前に声をかけなきゃいけないんだ?」


「私はお前達といると決めたんだ!」


「勝手に決めるなよ!オレ達は許可してないだろ!」


「いいじゃないか~。」



 店の中の客がこっちに注目している。



「わかったからここに座れ!」



 オレは隣の席に座らせた。すると、いきなりミコトが店員を呼んで注文した。その数が半端ない。



「お前、よっぽど腹が減ってたのか?」


「ああ、国を出てから一日一食だったからな。」


「どこの国だ?」


「ナデシア聖教国に決まてるだろ!」


「なるほどな~。」



 リンとマロンを見るとミコトを見ている。というよりもミコトの胸を見ている。ミコトは20歳前後だろうか、やはりリンやマロンよりもかなり成長しているのだ。



「あ~食った!食った!久しぶりにお腹いっぱいだ。感謝するぞ!」


「お金は別々だろ?」


「えっ?!それはないだろう。私はお金なんか持ってないぞ!」


「オレに金貨を渡しただろ!」


「あれは2000年前の貨幣だ。使えるわけないだろうが!」


「しょうがないな~。後でしっかり働いて返してもらうからな。」


「え~!仲間にしてくれるんじゃないのか!」


「リンもマロンも一緒に魔物を討伐してるんだ!お前にも魔物を討伐してもらうからな。」


「わかった。」



 それからみんなで冒険者ギルドに行った。ギルド内はかなり騒がしい。オレ達が掲示板を見に行くと、結構な数の盗伐依頼が出ていた。



「これがいい!」



 マロンが1枚の紙をはがした。見るとここから北に50キロ離れた場所の街道に盗賊が出るようだ。



「わかったよ。なら、これにしよう。」



 オレ達は受付で討伐依頼の紙を見せて、目的の場所に向かうことにした。帝都を出て30分経過したところでリンが話しかけてきた。



「アスラ。本当にあの人を仲間にするの?」


「何でだ?」


「だって、あの人がいたら飛翔していけないじゃない!」


「そうか~。確かにそうだよな~。」


「アスラ!もしかして何も考えてなかったの?」



 オレ達は街道から少し入った場所で休むことにした。



「ミコト!正直に言え!お前の目的はなんだ?」



 ミコトが目をそらして少し考え込んだ。そして静かに話し始めた。



「私は勇者の末裔だ。だが、お前の言う通りあまりにも弱い。だから、お前達と一緒にいてお前の強さの秘密を知ろうと思ったのさ。それに、私にはどうしてもお前が悪の存在に思えないんだ。だから、それを確かめようと思ったんだ。」


「そうか。わかったよ。ならお前にオレのことを話してやろう。」



 オレは神界にいた話から魔王になったこと、大罪を犯した罰として不老不死になって人族に転生したこと、今までのすべてを話した。



「なるほどな。やはり、お前は悪の存在ではないのかもな。むしろ神に近い存在なんじゃないのか?」


「それはわからん。記憶がないからな。」


「そうか。それで、リンとマロンは何者なんだ?」


「私、私は天使見習いよ。」



 リンが背中から純白の翼を出した。すると、今まで態度の大きかったミコトがリンに平伏しようとした。



「何してるのよ!」


「ですが、リン殿は天使様・・・」


「リン姉は見習い。み・な・ら・い!」


「マロン!あんたねぇ!まあ、そういうこと。普通にしてちょうだい。今まで通り、リンでいいから!」


「私は魔族!」



 マロンが背中から黒い翼を出した。



「魔族?」



 いきなりミコトが警戒した。するとリンが言った。



「ミコト!あなた勘違いしてるんじゃないの!人族も魔族も神が創造されたのよ。みんな兄弟じゃない!何で魔族を敵視するのよ!」



 ミコトは言い返せない。理屈ではわかっているのだ。



「そうで、だな。」


「そうよ。魔王だって悪とは限らないのよ!」


「なるほど、それならば納得だ。」



 どうやらミコトが納得してくれたようだ。ここで本題に入ることにした。


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