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魔王少年アスラ  作者: バーチ君
オスマイ帝国
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シュバルツ、アデルを説得する!

 結局、シュバルツとマリアがアデルの説得に行くことになった。同時に、代官の処分を行う予定だ。オレ達は、アデル達のいる集落に行く前にコッペンの街に立ち寄ることにした。



「じゃあ、シュバルツもマリアもオレの近くに来てくれ。転移で行くから。」


「転移?」


「ああ、そうさ。」



 するとリンが2人に言った。



「アスラは魔王なのよ。転移魔法ぐらい使えて当然じゃない。そんなに驚くことないでしょ。」


「そうよね~。アスラは魔王なのよね。」



 なんかマリアがしみじみと言った。



「アスラ兄は正義の魔王!」


「そうね。アスラだもんね。」



 それからオレ達はコッペンの街に転移した。転移に慣れていないためか、2人は目を白黒させている。



「大丈夫か?二人とも。」


「ああ、大丈夫だ。それより、話には聞いていたがこの街はまるでゴーストタウンじゃないか!」


「そうね。人の姿も少ないわ!」


「ああ、そうさ。人々は重税で買い物どころじゃないんだ。それに、女性はうっかり目をつけられれば代官屋敷に連れていかれるからな。」



 女性が代官屋敷に連れていかれると聞いて、マリアの顔は怒りで真っ赤になっている。オレ達は、アデルの協力者の宿屋に行った。



「女将さん。ちょっといいですか?」


「あら、あんた達、帝国に行ったんじゃないのかい!」


「ええ、その前にやることができたので。」


「なんだい?そのやることって!」


「オレ達。アデルにあったんですよ。」



 店の奥から主人も出てきた。2人とも物凄く警戒している。



「大丈夫ですよ。オレ達は敵じゃありませんから。それよりこれからアデルのところに行くんですけど、その前にこの2人にもこの前の話を聞かせてもらえませんか。」



 主人と女将はシュバルツ達を見た。



「なんだい?この人達は。どっかの貴族様のようじゃないか。」



 するとマリアが名のった。



「私は第1王女のマリアよ。こっちは主人のシュバルツ侯爵よ。」



 すると2人は平伏しようとした。



「女将さん。そのままでいいんだよ。マリアもシュバルツも偉ぶるような人間じゃないから。」


「で、ですが。」


「いいのよ。アスラの言う通りよ。それより、代官の話を教えてくれるかしら。」


「はい。」



 それから、主人と女将は代官アントニーについて説明を始めた。シュバルツは拳を握りしめて聞いている。



「マリア。代官のアントニーは男爵だったよな?」


「そうよ。10年前の反乱の時に、辺境伯軍を裏切ってこちらに内通したことを評価されて男爵になったのよ。」



 十数年前の反乱以降、このスチュワート王国には王族派も貴族派もない。そもそも派閥というものが存在しなくなったのだ。だが、下級貴族の中には出世のために上級貴族に賄賂を贈ろうとする者もいた。



「わかっただろ?シュバルツ。どうするんだ?」


「ああ、アデルのところに行くさ。俺が説得してみるよ。」



 オレ達は宿屋を出て、アデル達のいる集落に向かった。オレ達が集落に行くと兵士達がやってきた。どうやらアデルのもとまで案内してくれるようだ。



「ああ、そなた達か。いきなりいなくなってどうしたんだ?」


「ちょっと王都まで行っていたんですよ。」


「王都に?」



 すると、アデルはシュバルツとマリアを見た。



「もしかして、お前はシュバルツか!」


「久しぶりだな。アデル!」


「ああ。お前は確か黒龍を討伐して、バッハ殿の後を継いで侯爵になったんじゃないのか?」


「そうさ。だが、黒龍を討伐したのはオレじゃないんだけどな。」



ん~ ゴッホン



 シュバルツはオレの咳払いで気が付いたようだ。話題を変えた。



「それより、アデル!お前、反乱を起こすのはやめろ!」


「どうしてだ?!この街の人々は代官に苦しめられているんだぞ!黙ってみていろとでもいうのか!」


「違うさ。すでに今回の件は国王陛下の耳にも入っているんだ。今回の件は代官が悪い。だから、その代官を処分するために俺とマリアが派遣されたんだ。」


「マリアって。第1王女のマリア様か?!」



 するとマリアが口を開いた。



「そうよ。私が第1王女のマリアよ。シュバルツの妻でもあるけどね。シュバルツの言う通りよ!アデル!この件は私達に任せてもらうわよ。」



 アデルの側近達がアデルに話しかけている。



「返答を待ってくれるか?少し相談したいんだ。」


「いいぞ。」



 その間、オレ達は集落を見学していた。どれくらい時間が経っただろうか。兵士達が呼びに来た。オレ達がアデルのいる会議室に向かうと、兵士達がオレ達を取り囲んだ。



「シュバルツ。悪いな。やはり、お前達のことを信用できそうにもないんだ。」


「アデル!目を覚ませ!お前は父上達と同じ過ちを犯すつもりか!」


「申し訳ない。マリア王女。あなたには何の恨みもないが、俺達が代官を討伐するまでの間、シュバルツと一緒にここにいてもらいます。」



 リンとマロンがオレを見た。



“どうするの?アスラ。このままだとあのアデルは反逆罪になるわよ!”


“アスラ兄。あの人いい人。”



 どうしようかと悩んでいると街の協力者らしき男がやってきた。



「ハーハーハーハー アデル様!大変です!代官達がこちらに攻めてきます!お逃げください!」



 するとアデルの側近が聞いた。



「どのくらいの兵力なんだ?」


「ハーハーハー 3000人はいると思います。」



 この集落にいる男性を全員集めても200人程度だ。さらに、戦えそうな者はせいぜい100人だろう。



「アデル!早まるな!俺とマリアに任せろ!」


「シュバルツ!それはできない。こうなった以上、俺達は殺されるだろう。だが、ただでは死なないさ。あいつらも道連れにしてやるだけだ。」


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