マロン!謎の指輪を手に入れる!
翌朝、目が覚めて裏庭に行ったデンデンが大声を上げた。
「な、な、なんじゃこりゃ!」
オレ達もデンデンの大声で目が覚めた。
「あっ!風呂を片付けるのを忘れてた。」
「何やってるのよ!アスラ!どうするのよ!」
オレ達が裏庭に行くとデンデンが風呂を調べていた。
「デンデンさん。おはようございます。」
「ああ、おはよう。これはなんじゃ。アスラ達が作ったのか?」
「ええ、そうです。邪魔なら片付けますけど。」
「いいや。そのままにしておいてくれ。これはただでもらってもいいんじゃろうか。」
「ええ、いいですけど。」
デンデンが蛇口に手をのせると蛇口から勢いよくお湯が出た。
「そのお湯をためてこの中に裸で入るのよ。気持ちいいんだから!これがお風呂よ。」
「そうなのか。この国では体を拭くか、川で水浴びをするぐらいじゃからな。これは参考になるぞ~!すぐにみんなに教えないとな。」
朝ごはんも食べずにデンデンが出かけて行った。それから1時間ほどして戻ってきた。
「アスラ!ちょっと一緒に来てくれるか?」
オレ達はデンデンの後をついていった。すると、やたらと大きな館に案内された。
「一緒に来てくれ。」
中に入ると玄関前には警備兵らしき人達がいた。玄関から中に入る。そして通された部屋には結構年配のドワーフがいた。
「そなたがアスラか?」
「はい。」
「わしはこの国の王ドワルグじゃ。そなたが人族の酒をふるまい、風呂なるものを作ったと聞いたが誠か。」
「はい。」
「どうじゃろう。わしにも酒を飲ませてくれんかのう。この館に風呂も欲しいのじゃが。」
するとリンが国王に言った。
「いいけど。何をくれるの?こういう時は物々交換でしょ?」
「そうじゃのう。なら、宝物庫に一緒に来て選んでくれるか。」
国王と一緒に館の奥の宝物庫に行った。そこにはドワーフ族の珍しい武器が飾られていた。けど、正直言って欲しいものが何もない。
「この盾は何ですか?」
「ああ、これは太古に時代にこの国の最高の鍛冶師が作った魔法の盾じゃ。どんな攻撃も防ぐようじゃ。」
「アスラ!この杖は何かしら?」
「それは全属性の魔法が使えるようになる魔法の杖じゃな。だが、魔力量に応じて使える魔法違うがな。」
最後にマロンが聞いた。
「この指輪。可愛い。」
「その指輪は何かよく分かっておらんのじゃ。」
「アスラ兄。私これが欲しい。」
「決めました。この指輪をください。」
「そうか。そんなものでよいのか?」
「ええ。マロンが気に入ったみたいなんで。」
「わかった。ならばそれを持っていくがいい。」
「ありがとうございます。」
その後、オレは魔法袋から酒を5本取り出して国王に渡した。さらに、裏庭に行って風呂を作った。国王のわがままでかなり広い風呂だ。その分、蛇口も2個設置した。
「これでいいですか?」
「ああ、感謝する。ところで、アスラは人族ではないな。」
「やはりこの質問が来た。」
「どうしてですか?」
「そなたからあふれる魔力は人族のものではないからな。」
ここでリンがひそひそと声をかけてきた。
「アスラ。大精霊ノームを呼び出したら納得するわよ。」
「そんなことで呼び出していいのかな~。」
「仕方ないじゃない。疑われてるんだから。」
オレは右手を前に出し、大精霊を呼び出した。
「我の前に出でよ!『大地の大精霊ノームよ。』」
すると土が光ったと思ったら、土の中から大精霊ノームが現れた。国王とデンデンは驚きのあまり腰を抜かした。
「お呼びですか。ガイア様。」
「ごめん。この人達がオレのことを怪しんでいたからさ。あっ!次からはアスラって呼んでね。」
「畏まりました。」
大精霊ノームが国王ドワルグを睨んだ。ドワルグは土下座状態で大精霊に平伏している。
「この方は怪しいものではない。安心するがよい。」
「畏まりました。ノーム様。」
ノームが土の中に消えていった。
「アスラ様は一体何者なんですか?」
「オレは普通の人族ですよ。『様』はいりませんから。」
「わかりました。アスラ殿。」
やはり『殿』はつけるんだ。その後、オレ達は国王の屋敷を後にして再びデンデンの家に向かった。
「おい!人族の兄さん。今日もまた、あの美味しいお酒を出してくれんか?」
「デンゾー!ダメだぞ!アスラさんはわしの客人なんだから。」
「ずるいぞ!デンデン!酒を独り占めするつもりなんじゃろう。」
「違うわ!そんなこと考えてなんかいるもんか!」
どうやらドワーフにとってはお酒は薬物のようだ。
「デンゾーさん。すみません。国王様に献上したお酒が最後なんですよ。」
するとデンデンが寂しそうに言った。
「そうなのか?」
どうやらオレの酒を期待していた様だ。




