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魔王少年アスラ  作者: バーチ君
フェアリー大陸
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レッドボアとベジラットの盗伐

 宿屋に行くとかなり狭い。しかも一部屋しか空いていなかった。どうやら王都に向かう人達で宿がいっぱいのようだ。それでもベッドの上で寝れるだけでも幸せだ。宿に入ったオレ達は、一度畑に下見に行った後、宿に戻って夕食を食べた。それからベッドに横になって4時間ほど休んでから畑に向かった。



「オレがこの辺り、マロンはあっちな。リンはその向こうを頼む。」


「わかった!」



 オレ達が暇にしながら待っていると森の中からぞろぞろと魔物達が出てきた。ギルドマスターの言った通りレッドボアだ。だが、その数がすごい。30匹ほどいる。



“二人とも準備はいいな。”


“うん。”


“大丈夫よ。”


”行くぞ!“



 オレ達は剣を抜いてレッドボアを討伐していく。夜ということもあり誰もいない。そこで、3人とも剣に魔法を付与している。



スパッ


ズバッ


シュッ



「結構いたな~。」


「そうね。でも、魔法を使えば簡単よ。」


「余裕だった!」



 討伐したレッドボアを空間収納に仕舞った後、いったん宿に戻るのも大変なのでその場で休んでいた。地面に寝転んで空を見上げると星がきれいに輝いている。



「なんかこうしているとロマンチックよね~。」


「なにが?」


「何がって、星よ!星!」


「ああ、確かにきれいだな。」



 すると、一筋の流れ星が見えた。



「あの星、落ちた!」


「マロン!別に星は落ちないわよ!あれは流れ星なの!空に浮かぶゴミが地上に落下した時に燃えるのよ。」


「そうなんだ~。星が落ちたと思った!」



 どれくらい時間が経っただろうか、少し東の空が明るくなってきた。すると、土の中からベジラットが1匹顔を出した。体長30センチほどの魔物だ。それが次々と姿を見せた。



「どうするのよ!アスラ!」


「これは剣で討伐できるレベルじゃないな~。」


「それは無理!数が多すぎ!」



 仕方がないので魔法を使うことにした。



「リン。マロン。オレが地中にいるやつらを魔法で外に出すから、それを討伐してくれ!」


「了解よ。」



 オレは土の中に手を入れて魔法を唱えた。



『パワージェネレイション』



 すると、土の中で雷が発生したかのようにパチパチと音が響いた。そして土の中にいたベジラットが一斉に外に現れてジャンプした。そこをリンとマロンが魔法で攻撃する。



『シャイニングアロー』


『シャドウスピア』



 位置を変えて同じことを何度も繰り返した。



「ハーハーハーハー アスラ~!終わり~?」


「ああ、終わったよ。」



 マロンはもうしゃべれる状態じゃない。ぐったりしている。オレは畑から人参を3本抜いて、魔法で洗ってそれを2人に渡した。

 


「美味しい!凄く甘いよ!」


「本当!甘い!アスラ兄!もっと食べたい!」



 さらにもう1本ずつ渡した。どうやら採れたての人参は甘くておいしい様だ。少し休んだ後、オレ達はギルドに行った。



「あら、早いわね~。」


「おはようございます。討伐が完了しましたので、報告に来ました。」


「えっ?!だってまだ昨日依頼したばかりよね。報告なら全部討伐が終わってから来てくれればいいのよ。」


「ですから、報告に来たんです。」



 受付の兎耳族は慌ててギルドマスターを呼びに行った。そして裏の解体場に行って、魔法袋からレッドボアとベジラットをすべて取り出した。レッドボアは33匹、ベジラットは430匹いた。



「これを1日で討伐したのか?!」


「ええ、そうよ。」


「君達は何者なんだ?」


「狼耳族の狩人ですけど。」


「信じられん。」



 あまりに疲れていたので、王都に出発する前に宿に戻って休むことにした。すでに日が出ていて人々が活動し始めている。オレ達は逆にこれから寝るつもりだ。



「早くベッドに寝転びたいわ~。」


「私も。」



 すでにマロンは寝ぼけながら歩いている。宿に着いたオレ達は、風呂にも入らずそのまま眠ってしまった。どれほど寝ただろうか、何やら外が騒がしい。オレが目を覚ますとお祭りのようだ。リンとマロンを起こして1階に降りると、いきなり人々が出迎えてくれた。



「お前さん達だろ?畑の魔物を討伐してくれたのは!」


「ギルマスのホーランドに聞いたわよ。ありがとうね。」


「ええ、まあ。」



 昨日、レストランで隣に座っていたカップルもいた。



「狼耳族って野蛮な連中だと思っていたけど、あなた達なら大歓迎よ!」



 いきなり感謝されて、リンもマロンも戸惑っている。どうやらこのお祭りはオレ達のために開かれたようだ。ギルドマスターのホーランドもあいさつに来た。



「君達は王都に行くんだろ?なら、武闘大会に出てみないか?私が推薦状を書いてやるぞ!」


「出るか出ないかわかりませんが、推薦状だけはいただいておきます。」



 そんなこんなでその日もキャローの街に泊まることになった。そして、翌日の早朝にオレ達は王都に向かって出発した。


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