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魔王少年アスラ  作者: バーチ君
フェアリー大陸
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岩塩を求めてワイバーン討伐

 オレ達はモントリシティーの街を散策しながら宿を探した。そして、街の外れに1件の宿屋を見つけた。中に入ると熊耳族の女性がいた。



「いらっしゃい。珍しいねぇ。人族のお客さんかい。」



 女性の声を聞いて厨房から熊耳族の男性が現れた。



「あれっ!お前達は・・・」


「あ~。この宿ってコディアさんの家だったんですか?」


「ああ。そうだ。風呂の薪にするために森に行っていたのさ。」


「そうだったんですね。」


「お前さん。この人達は知り合いかい?」


「ああ、さっき森の中で迷子になっていてな。この街まで案内したんだよ。」


「そうかい。偶然っていうのは不思議なもんだね~。」


「ええ。コディアさんの陰で助かりました。今日、泊まりたいんですけど。」


「いいよ。うちは1泊2食付いて銀貨3枚だ。それでいいかい?」


「はい。」



 お金を払って3部屋とった。それぞれの部屋に行った後、何故かオレの部屋に集まった。



「リンもマロンも疲れてるだろ!自分の部屋でゆっくりすればいいじゃないか!」


「アスラと一緒の方が休まるのよね~。」


「私も!」



 なんか別々の部屋をとった意味がない。ちょっとのつもりでそのまま寝転んでいると、いつの間にか眠ってしまったようだ。気が付くと薄暗くなっていた。隣にはリンとマロンが寝息を立てている。思わずリンとマロンのぷにゅぷにゅのほっぺを突っついた。



「ん~!もう食べられないわよ~!」



 リンが寝ぼけている。マロンは完全に熟睡状態だ。なんか二人を見ていると煩くて可愛い妹が2人いるみたいだ。その後、2人を起こして1階の食堂に夕食を食べに行った。



「この辺りの名物って何ですか?」


「そうね~。今日の献立に出しているアユナの塩焼きとかは有名よ。」


「確かに美味しそうな魚ですよね。」


「アスラ!ここは海から離れてるからこうした川魚が美味しいのよ!」


「確かにそうだよな~。」



 オレはアユナを一口食べた。すると今まで食べたことのない美味しさだ。



「旨い!旨いです!」


「そうかい。嬉しいねぇ~!」


「これって塩も普通の塩と違いますよね?」


「普通の塩がどんなものかは知らないけどね。この辺りじゃこの塩が当たり前なんだよ。」


「どうやって作るんですか?」


「これは山に行くのさ。山に行くとヤギ達が美味しそうになめている岩があるから、それを削って採ってくるんだよ。」


「そうなんですか~。」


「けど、最近、山に魔物が現れるようになってね。その塩を取りに行くのも命がけなんだよ。」



 もしかして、塩を舐めに来るヤギを狙ってるのかもしれない。どんな魔物なんだろうか。すると、厨房からコディアがやってきた。



「お前さん達、狩人か何かなんだろ?もしよかったら俺の護衛をしてくれないか?明日、その塩を山に採りに行くつもりなんだ。」


「いいですよ。一緒に行きましょう。」



 その日、オレはゆっくりとお風呂に浸かった。久しぶりの風呂だ。オレが湯船に入っているとリンとマロンが入ってきた。どうせまた水着を着ていて馬鹿にするつもりなんだろう。



「えっ?!誰かいるの?」


「ばー!」


「キャッ」



 オレが脅かすつもりで隠れていたが、お湯の中から顔を出すと2人は驚きながら胸を隠した。



「何でアスラがいるのよ!ここ、女湯よ!」


「騙されないよ!それにどうせ水着を着てるんだろ!」


「ふざけないでよ!」



 湯気の間から2人を見ると本当に裸のようだ。



「えっ?!えっ?!」



 オレは慌てて湯船から上がって脱衣場に行った。そしてすぐに体を拭いて風呂場の入口を確認すると、俺の入った風呂に『女』と書いてあった。辺りをキョロキョロすると『男湯はこちらへ』と誘導の看板が見えた。どうやら入り口を間違えたようだ。



 それからが大変だった。夜遅くまで2人からお説教されたのだ。どうせお子ちゃまなんだから、裸見られても恥ずかしくないだろうにと思いながら怒られた。



「起きろよ!リン!朝だぞ!」



 やはり、リンもマロンもオレのベッドで寝ている。2人を起こして食事に行った後、コディアと一緒に山に向かった。山と言ってもそれほど険しいわけではない。緩やかな上り坂を登っていく。すると、数頭のヤギがいた。



「アスラ兄!ヤギがいる!」


「アスラ君。ヤギ達は殺さないでくれ。あいつらはオレ達に塩のありかを教えてくれるんだ!」


「わかりました。」



 その横を素通りしようとすると、空から黒いものがヤギを狙って舞い降りた。オレは慌ててヤギを守ろうとその黒い魔物に斬りつけた。だが、その魔物は咄嗟に上空に舞い上がる。



「ワイバーンよ!アスラ!」


「ワイバーン?」



 すると、マロンが言った。



「ワイバーンは知能が高い!簡単じゃない!」



 オレ達の武器は剣しかない。上空に舞い上がられたら手出しできない。魔法を使えば簡単だが、そんなことをしたらコディアに人族ではないとバレてしまう。すると、リンが念話で言ってきた。



“アスラ!創造魔法で弓を作りなさい!それを魔法袋から出すふりをするのよ!”


“そうか!その手があったな!”


“頭は使いようよ!”



 オレは魔法袋に手を入れて弓矢を創造した。普通の弓を創造したつもりだったが、真っ黒でかなり高価そうな弓矢が出てきた。



「リン!マロン!オレがこれで射抜くから、地上に落ちたら頼むぞ!」


「わかったわ。」


「うん。」



 オレは漆黒の弓で矢を放った。矢は早すぎてコディアには見えない。



ギャー


バタバタバタ ドッタン



 翼を射抜かれたワイバーンが地面に落下した。そこをリンとマロンで攻撃する。ワイバーンは必死に抵抗して口から炎を吐き出そうとするが、リンがワイバーンの口に剣を突き刺した。



ギャー ギャ



 ワイバーンはその場で絶命した。



「やっぱりすごいな。君達は!魔物の森を生き抜いてきた理由がわかったよ。」


「大したことないですよ。」


「いや~。ワイバーンを狩ることのできる狩人はこの国でもごく少数だからな。」


「そうですか~。」



 すると、リンが余計なことを言った。



「私達は人族の中じゃSランクだったんだから当たり前じゃない!」


「Sランク?!もしかして、それって人族の中で最強ってことか?」



 打ち消すのが大変だった。



「人族の国にはSランクなんてたくさんいるんですよ。なっ!リ・ン・さ・ん!」


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