アスラ達は何者?
ボルフ達がクラーケンを討伐した後、オレもリンもマロンも元の姿に戻った。すると、ボルフが聞いてきた。
「アスラさん達は何者なんですか?アスラさんとマロンさんの背中に黒い翼がありましたよね?リンさんには白い翼があったと思うんですけど。」
「あ~。内緒にしようと思ったんだけど見られちゃったね。これだよ。」
オレはボルフ達に指輪を見せた。
「なんですか?これは。」
「ボルフ達は人魚達に助けられただろ?」
「はい。」
「実はあの人魚達にもらったんだよ。」
「もしかして、その指輪って変身できるっていう伝説の指輪なんですか?」
「そうだよ。これで変身しただけさ。」
「そうだったんですか~。俺はてっきり魔王と魔王の部下、それに天使が現れたかと思いましたよ。」
「そんなはずあるわけないだろ!」
「それもそうですね。ハッハッハッハッ」
それからオレ達はクラーケンの盗伐を報告するために領主の館に行った。
「ボルフ。クラーケンを討伐したというのは本当なのか?」
「ああ。こいつらが必死になってくれたんだ。俺一人じゃ無理だったよ。」
「そうか。それで、クラーケンはどうしたんだ?」
オレは領主のループに魔法袋を見せた。
「この魔法袋に入っていますよ。」
「あの巨大な魔物がそんな小さな袋の中に入るのか?」
「ええ。魔法袋ですから。」
「アスラ殿。ここに出してもらえるか?」
オレは魔法袋からクラーケンを取り出した。その大きさにループも兵士達も驚いている。
「よくこんな巨大な魔物を討伐できたな。」
「ああ。最初はクラーケンに攻撃されて海に投げ出されたんだ。だけど、人魚達が助けてくれて・・・」
「人魚?」
「そうさ。」
ここでリンが説明した。
「彼らを助けてくれた人魚達は私達の知り合いなのよ。後でお礼を言っておくわ。」
「アスラ殿。リン殿。マロン殿は一体何者なんだ?街の者達の中には、リン殿とマロン殿がボルフ達を連れて空を飛んでるのを見たものがいるんだが。」
すると、カンタが言った。
「領主様。それは人魚の指輪ですよ。アスラさん達は人魚から魔法の指輪をもらっているんですよ。」
「なるほどそういうことか。」
すると、今度はゴンが言った。
「でも不思議だよな~。クラーケンも俺達も海にいたはずだろ?どうしてクラーケンがあの広場にいたんだ?」
「広場に?どういうことだ?」
ループはゴンの言葉に驚いた。そこで、ゴンが続けて説明した。
「ええ。俺達はリンさんとマロンさんに広場に連れて行ってもらったんですけど、なぜかそこにクラーケンがいたんですよ。」
「確かにそうだな~。ゴンの言う通りだ。」
このままではまずい。そう思ってオレが説明することにした。
「あっ、オレですよ。オレが魔法の指輪で魔族に変身して転移の魔法で運んだんですよ。」
「な~んだ。そうだったのか~。やっぱりアスラさんだけのことはあるよな~。」
領主のループが不思議そうな顔をしている。これ以上ここにいると何を詮索されるかわからない。そこで話題を変えて退散することにした。
「ループさん。このクラーケン、ギルドまで運ぶのは無理ですよね?オレ達が運んでおきますから。じゃあ、先にギルドに行ってますね。」
クラーケンを魔法袋に戻してオレ達は領主の館を後にした。その後、領主の館では話しが続いていた。
「どうだ。ボルフ。そろそろ帰ってこないか?」
「兄さん。俺はこいつらと一緒にいたいんだ。勘弁してくれ。」
「なら、お前達全員をこの街の兵士に採用したいんだが、それもダメか?」
「でもな~。街のみんながなんていうかな~。俺達は相当嫌われたからな~。」
「そんなことはないさ。お前達が世話していた兵士達の家族が、お前達のことを街のみんなに説明してくれたんだ。みんなだって許してくれるさ。」
「どうする?お前達。」
「俺は兄貴についていくよ。」
「俺もだ。」
「俺だってついていくよ。」
「わかったよ。なら、4人一緒にこの街を守るとするか!」
「はい!」
すると、ループが4人に聞いた。
「お前達にちょっと聞きたいんだが、クラーケン討伐の件と合わせて、お前達の修行について教えてくれるか?」
ボルフ達が最初の修行からクラーケンの盗伐までをループに報告した。すると、ループの表情が変化していく。
「あの、アスラとかいう少年もだが、リンという少女もマロンという少女も人族ではないな。」
「どうしてだ?兄さん。」
「さっき、お前達は人魚から渡された魔法の指輪で変身したと言ったな?」
「ああ、そうさ。」
「確かに魔法の指輪で変身はできるさ。だが、姿形を変えるだけで能力までは使えないはずだ。」
「どういうことだ?」
「さっきアスラ殿は指輪の力で魔族になったと言ったな。人族のアスラ殿は魔族の姿になっても魔法は使えないはずだ。」
「え~!!!」
「じゃあ、あの3人は何者なんだ?!」
「なら、本当の魔族だったりして。」
「ゴン!お前も見ただろ!リンさんの背中には純白の翼があったんだぞ!魔族に純白の翼があるもんか!」
「そうだよな~。」
彼らがそんな話をしている間に、オレ達はギルドに行ってクラーケンを渡した。お金はボルフ達が受け取りに来ることを伝えて、そのままギルドを後にした。
「アスラ~。どうするの?」
「アスラ兄。次の街!早く行こ!」
「そうだな。」
とりあえず、次の街に向かう前にオレ達は海に行った。魔力を海に向けて開放するとエメルと人魚達が現れた。
「お久しぶりです。エメルさん。さっきは助けてもらってありがとうございました。」
「いいえ。こちらこそ。あのクラーケンはこの辺り一帯を縄張りにしていて、仲間達も怖がっていましたから。」
「この指輪。凄く役に立っていますよ。ありがとうございました。」
「他に何もお礼ができませんから気にしないでください。アスラさん。リンさん。マロンさん。やはりあなた達は人族ではありませんでしたね。でも、あなた方が悪の存在じゃなくて安心しましたよ。」
「悪な訳ないじゃない!私はこう見えても天・・・」
オレはリンの口を塞いだ。
「何するのよ!アスラ!」
フフフフフ
「仲がいいんですね。何かあったらまた呼んでください。じゃあ。」
エメル達は海の中に消えていった。
「さあ、次の街に行こうか!」
「うん!」




