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魔王少年アスラ  作者: バーチ君
グラッセ王国
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みんなで海水浴

 古代遺跡から戻ると、アレクシアもターシャもラーシャもすでに買い物から帰っていた。



「遅かったな。何かあったのか?」


「ええ、いろいろありましたよ。」



 マロンがオレを突っついている。どうやら自分のことを説明して欲しい様だ。



「古代遺跡にはレッドアイモンキーの群れやホーンウルフの群れがいて大変だったんですよ。」

 

「アスラ君達、よく無事だったわね~。」


「あんなの余裕よ。このリン様にかかればイチコロね。」


「それに、ロックゴーレムがいて。」



 するとアレクシアが驚いた。



「ロックゴーレム?」


「ええ、そうですよ。」


「どうしたんだ?逃げて来たのか?」


「いいえ。マロンが一人で討伐しましたよ。」


「それは本当か?」


「ええ、おかげでマロンもだいぶ強くなりましたよ。」



 マロンが平らな胸を前に出して偉ぶっている。



エッヘン



「ロックゴーレムを討伐したら地下につながる扉があってですね、3人で探検してきました。」


「アスラ兄ちゃん。ずるい!私も探検したかった!」


「ラーシャ!あなたには無理ですよ!」


「だって~。お母さん。古代遺跡の探検ってお宝が沢山あるんでしょ?」



 するとアレクシアが聞いてきた。



「あの遺跡に地下はないはずだが。それで何かあったのか?」



 すると、マロンがポツリと言った。



「財宝・・・たくさんあった!でも使えない!平和のためだけ!」



 アレクシアがいらいらしたように聞いてきた。



「どういうことだ!ちゃんと説明してくれないとわからんではないか!」


「オレから説明しますね。実はあの遺跡の主という人がゴーストになっていて、いろいろ教えてくれたんです。あの遺跡は4000年前の物らしくて、その時代に世界中で戦争が起こって大勢の人達が犠牲になったようなんですよ。そして、人々の怒りや憎しみ、悲しみが黒龍を生み出し、その黒龍が世界中のすべての国を滅したようなんです。」


「しかも10日で滅んだらしいのよ。信じられないわよね。」


「それでどうしたんだ?」


「そのゴーストが言うには、戦争を引き起こした罰として成仏できないでいるらしいんです。でも、遺跡に残っている財宝を平和のために使えば、そのゴーストは罪が許されて成仏できるんだって言ってました。」


「それで、その遺跡の財宝はどうしたんだ?」


「この袋の中に入っていますよ。」


「それは魔法袋だな。」


「ええ。」


「ちょっと出してみてくれ。」


「ここじゃ狭すぎて無理ですね。」


「そんなにたくさんなのか?」



 するとマロンが両手を広げて言った。



「この部屋いっぱい!入りきらない!」



ゴクリ 



 アレクシアもターシャもラーシャも息をのんだ。



「なら、向こうの部屋に行こう。」



 オレ達はパーティーで使う広間にやってきた。そして、魔法袋から出すふりをしてすべての財宝を取り出した。部屋の中央に山積み状態だ。キラキラと光っている。



「これは凄いな~。一体いくらの価値があるんだ!」


「すごいすごい!お母さん。キラキラしてる~!」


「アスラ!このお金をどうするつもりだ?」


「人々のために使いますよ。」


「どうやってだ?」


「それはオレ達の仕事じゃないですよね?アレクシアさんの仕事ですよね?これだけのお金があれば、この国のスラム街はなくせるんじゃないですか?それに、親のいない子ども達の施設も作って欲しいですしね。」


「お前達はそれでいいのか?」


「ええ、構いませんよ。それがあの遺跡の主さんの希望ですから。」


「わかった。私から陛下に言ってみよう。感謝する。ところで、一度陛下に会ってくれないか?陛下もアスラ達に会いたがっているんだ。」


「アレクシアさん。前にも言ったけど、それだけは勘弁してください。オレ、あんまり目立ちたくないんで。」


「わかった。陛下にも諦めるように言うさ。」



 そして、その翌日はみんなで海水浴だ。仕方がないのでオレも水着になっている。



「アスラ兄ちゃん。あっちで一緒に遊ぼうよ。小さなお魚さんが泳いでるよ。」


「わかったよ。」



 ラーシャに連れられて海に入った。海の中は意外と温かい。すると、後ろからリンが押してきた。



「えい!」


「ちょ、ちょっと!」



バッチャン



「やったな~!リン!」



 お返しにリンに海水をかける。すると今度はマロンとラーシャが左右から海水をかけてきた。 



バシャ パシャ ジャバ



ハッハッハッハッ



「楽しいね!」


「うん!」



 普段無表情で口数の少ないマロンも楽しそうだ。たまにはこういうのもいいかな。浜辺の方を見ると、アレクシアとターシャがこっちに向かって手を振っている。2人とも物凄くグラマーだ。思わず見とれてしまった。



「ア~ス~ラ~!!!あなた、またあの2人に見とれてたでしょ!」



 すると、ラーシャが聞いてきた。



「どうしてアスラ兄ちゃんはお母さんに見とれるの?お母さんのことが好きなの?」


「ま、まあね。オレはみんなが・・・」



 ラーシャが大声をだしながらターシャのところに走って行った。



「お母さ~ん!アスラ兄ちゃんがお母さんのことを好きなんだって~!」


「ラーシャちゃん!ちょ、ちょっと待って!」



 すでに手遅れだ。



「あら~。嬉しいわね~。どうしましょ。こんなおばさんがいいの?」


「おばさんなんてとんでもない!ターシャさんもアレクシアさんもすごく綺麗ですから。」



 アレクシアの顔が真っ赤になった。



「アスラ!お前いきなり何を言うんだ!こっちが恥ずかしいではないか!」



 後ろからリンとマロンの冷たい視線を感じた。その後、海から出てしばらくのんびりと砂浜に寝転んで寛いだ。物凄く気持ちがいい。あまりの気持ちよさにいつの間にか眠ってしまったようだ。気が付くとオレは砂の中に埋まっていた。動きたくても身動きが取れない。



「リン!お前の仕業か?」


「私だけじゃないよ!ねっ!マロン。」


「うん。これはアスラ兄の罰!だから、みんなで埋めた。」


「なんの罰だよ~。」



 すると、リンが黒いものを持ってきた。どうやらペンだ。オレが動けないのをいいことに、顔に落書きをし始めた。もう我慢の限界だ。オレは全力で砂浜から這いずりでた。そしてリンの持っているペンを奪い、リンの顔に同じようにいたずら書きをした。



「アスラ兄ちゃんもリン姉ちゃんも髭が生えてる!変な顔!」



 2人は海に入って必死で顔を洗った。


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