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魔王少年アスラ  作者: バーチ君
グラッセ王国
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バビロンの古代遺跡

 古代遺跡についてからしばらくはマロンの特訓だ。マロンも剣に魔法が付与できるように必死に練習している。すると、剣からゆらゆらと真っ赤な炎が出始めた。



「できた!リン姉!できた!」


「やればできるじゃない!」



 その後オレ達は、空間収納に仕舞っておいたパンと干し肉を食べて、それから古代遺跡の調査を始めることにした。古代遺跡の入口は完全に壊れている。どうやら中に入るのは不可能なようだ。他の入口を探していると、突然目の前の大きな岩が動き始めた。



「アスラ!ロックゴーレムよ!」


「ああ。」



 ロックゴーレムがオレ達の前に立ちはだかった。まるで何かを隠しているようだ。



「マロン!あのロックゴーレムの弱点は胸の赤い水晶だ。それを狙え!」


「うん!」



 マロンが大勢を低くして近づいていく、そしてジャンプしたがロックゴーレムの強烈なパンチが飛んできた。マロンは両手を胸にあててこらえようとしたが、後ろに大きく弾き返された。



「マロン。正面から突っ込んでいってもダメだ。死角から足を狙え!」


「わかった!」



 マロンはロックゴーレムの周りをぐるぐると走り始めた。そして、時々魔法を放つ。



「足を砕け!『ホーリーカッター』」



 光の刃がロックゴーレムの足を削っていく。そして、ロックゴーレムが体勢を崩した瞬間、炎がゆらゆらと噴出した剣でロックゴーレムの腕を斬り落とした。



ドサッ



 だが、近くの岩が集まってロックゴーレムの腕が復元し始めている。



「マロン!ロックゴーレムの腕が再生する前に倒せ!」


「うん!」



マロンがロックゴーレムの胸に剣を突き刺した。



ガクッ ドッカン



 ロックゴーレムはその場に崩れ落ちて動かなくなった。オレはマロンの近くに行って頭をなでた。



「よくやったな。マロン!」



 マロンは顔を赤くしてはにかんでいる。



「アスラ兄が教えてくれたから勝てた。」



 その様子をリンが羨ましそうに見ていた。



「ねえ、アスラ!アスラってマロンに甘くない?」


「そんなことないさ。」


「ならどうして私の頭はなでてくれないのよ!ラーシャちゃんを救った時だって頑張ったんだからね!」


「はいはい!リンも大好きだよ。」



 リンの頭を撫でるとニコニコと満足したようだ。



「さて、このロックゴーレムは何を守ろうとしていたのかな?」



 オレがロックゴーレムの立っていた場所に行くと金属の蓋のようなものがあった。その蓋を開けると中に続く階段が見える。



「どうする?」


「どうするって、行くに決まってるじゃない!」



 オレ達が3人で地下へ降りて行くと、まるでスチュワート王国のダンジョンのように明るかった。階段を下ると少し広めの部屋に出た。部屋の戸棚には何もない。恐らく、ここを発見した者達にすべて持ち去られたのだろう。



「何にもないわね。」


「ああ。」



 オレは目に魔力を集中させて部屋の中を見渡した。すると、左側の壁の向こうに通路があるのがわかった。だが、入り口がない。



「この壁の向こうに通路があるみたいなんだ。」


「こういう時こそリン様の出番ね。」



 リンが手を前に出すと手が光始めた。そして1本の光が、少し飛び出した床の石を照らす。



「ここよ!」



 リンがその石を踏みつけると、壁がギシギシと音を立てて動き始めた。その中に入っていくと、先ほどとは違って灯りがほとんどない。



「周りを照らせ!『ライト』」



 オレの頭の上に光の球が現れ、その光が前方を照らした。どのくらい歩いただろうか、通路は結構奥まで続いている。そして、かなり大きな祭壇がある場所に出た。



「ここって何なんだろうな?」


「どう見ても祭壇よね?」


「アスラ兄!リン姉!あれ何?」



 マロンが指さした先には水晶のような球があった。



「これってただの水晶玉よね。どうするのかしら?」



 オレは祭壇の隣に飾られているライオンの口に冗談のつもりではめ込んでみた。



「多分、これってライオンの餌じゃないのか?」


「馬鹿じゃないの?そんなはずないでしょ!」



 すると、祭壇が大きく横に動いて後ろの壁に扉が現れた。扉を開けると、そこには様々な魔道具があり、辺り一面が金貨で埋め尽くされていた。



「これって古代のお宝じゃないの?」


「ああ、オレの時代にあったやつもあるよ。」



 マロンがオレの顔をじっと見ている。



「なんだよ?マロン。」


「やっぱり、アスラ兄が魔王様だった。」


「もうそんなことどうでもいいよ。それよりこのお宝を全部空間収納に仕舞うんだから。」



 オレは部屋いっぱいにあった金銀財宝と魔道具をすべて空間収納に仕舞った。



「さあ、帰ろうか。」



 オレ達が帰ろうとすると、祭壇の中からゆらゆらとゴーストが現れた。3人は剣に手をかけた。するとゴーストが話しかけてきた。



「ちょっと待ってくれ。」


「あなた誰よ!」


「わしはこの遺跡の主じゃよ。」


「主?」


「そうじゃ。我が王国は4000年前に黒龍によって滅ぼされたんじゃ。まあ、当然じゃがな。」



 黒龍と聞いてオレは気になった。



「どういうことですか?」


「我々の時代、どの国も覇権争いをしていてな。常に戦争を起こしておったんじゃよ。そこで犠牲になるのは国民達じゃ。世界中に怒りと悲しみ、憎しみが満ちておったんじゃ。そんなある日、黒龍が現れてな。奴は10日で世界のすべての国を滅ぼしたんじゃ。」


「でも、その時代なら魔法が使えたはずですよね?黒龍と戦わなかったんですか?」


「戦ったさ。だが、黒龍にはかなわなかったんじゃ。お主らにお願いがあるんじゃがな。」


「なんでしょうか?」


「その財宝は人々のために使ってくれぬか。せめてもの償いをしたいのじゃ。そうしなければ、わしは罪を許されず、永遠にこの世を彷徨うことになるんじゃ。どうかわしの願いをかなえてはくれぬか。」



 この人はオレと同じだ。大罪を犯して、その罪の償いをするためにここに留まっているんだ。 



「いいですよ。オレが責任をもってこの財宝を人々のために使います。」


「そうかそうか。これでわしもナデシア様に許されるじゃろうて。感謝する。」



 古代遺跡のゴーストは消えていった。そして、オレ達3人は古代遺跡を後にした。


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