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魔王少年アスラ  作者: バーチ君
グラッセ王国
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グラッセ王国の最初の街サンブルク

 森の奥には様々な魔物が住んでいた。その都度討伐して空間収納に仕舞って行く。結構な数だ。しばらく歩いているとリンが言ってきた。



「もうこのくらいでいいわよね。そろそろ飛翔していくわよ。」


「ずっと歩いていくんじゃないの?」


「何言ってるのよ。グラッセ王国はここから数百㎞先にあるのよ。馬鹿じゃないの?」


「そうなの?」



 オレとリンは上空に舞い上がった。オレの背中には漆黒の翼が、リンの背中には純白の翼が出ている。



「リンの翼って綺麗だよね。」


「当たり前よ。天使の翼なんだから。」


「天使見習いの翼だろ!」


「フン!アスラのせいなんだからね!」


 

 2時間ほど飛翔していると、グラッセ王国の最初の街サンブルクが見えてきた。結構大きい。オレ達は街の手前で地上に降りて歩いていくことにした。街に入るとかなり人が多い。上空から見た時には、街の周りに広大な畑が見えたので農業の街だと思っていたが、中に入ってみると様々な店が並んでいた。



「アスラ!武器屋は後にしなさい!それよりもギルドに行くんでしょ!」


「ああ、ごめんごめん。つい見とれちゃって。」


「男の子ね~。なんで男って武器に興味を持つのかな~。私にはわからないわね。」



 オレとリンは冒険者ギルドに行った。スチュワート王国の王都ビザンツのギルドと一緒だ。入り口の正面に受付があり、左側に酒場、受付と酒場の間の通路の奥に掲示板があった。



「いらっしゃい。初めて見る顔ね。何か用かしら?」


「ええ、買ってもらいたい素材があるんですけど。」


「わかったわ。なら、建物の右側に解体場があるからそこに行ってくれる。」


「はい。」



 オレとリンが解体場に行くと、暇そうにしている人達がいた。



「おっ、魔物でも持ってきたのか?」


「はい。」


「じゃあ、ここに出しな。」



 オレはリンから預かっている魔法袋から取り出すふりをして、空間収納からホーンラビットを3匹取り出した。



「おいおい!お前さん。それってもしかして魔法袋じゃねぇのかい?」


「そうですけど。」


「お前さん達は何者だ?」


「どうしてですか?」


「だって魔法袋って古代遺跡から発掘されたものだろ?白金貨5枚はする代物だぞ!」


「ああ、おじいちゃんの遺品なんですよ。」


「お前のおじいちゃんはよっぽど名のある人だったんだろうな~。」


「詳しくは知らないんです。」


「そうか。だが、魔法袋を持っているとなると、命を狙われる可能性があるから気をつけな。」


「はい。そうします。」



 オレは受付で金貨2枚と銀貨4枚をもらった。そのお金でリンの冒険者登録をした。返されたカードを見ると、なぜかオレのカードはFランクになっていた。



「なぜ私がGランクでアスラがFランクなのよ!」


「知らないよ!」



 すると、受付の女性が教えてくれた。



「ホーンラビットの盗伐は本来Eランク以上の依頼なのよ。それを3体も討伐したんだから、アスラ君は昇級しても当然でしょ?」


「なら、私が討伐してくれば私も昇級するのよね?」


「そうよ。でも、リンちゃんにできるの?」


「当然よ。」



 どっからどう見てもリンはまだ子どもだ。とても魔物の盗伐ができるようには見えない。すると、オレ達の会話を聞いていたのか、酒場の冒険者達が近寄ってきた。



「お前ら、まだガキじゃねぇか。危ねぇことなんかしねぇで、お母ちゃんのおっぱいでも吸ってたらどうだ!ハッハッハッハッ」


「あんた達のような飲んだくれには関係ないでしょ!」


「なんだと~!人が親切で言ってやってるのによ~!」


「リン!ダメだよ!やめようよ!」



 男達のおでこに血管が浮き出ている。相当お怒りのようだ。



「すみません。すみません。ちょっと彼女、気が強いもんで。」


「アスラ~!私のどこが気が強いのよ!」


「まあ、いいじゃないか。もう行こうよ。」


「ふざけるな!このまま行かせるわけがないだろ!」



 冒険者の男がいきなり殴ってきた。オレは素直に殴られた。



バコン ボコッ 



「アスラ!なんでやりかえさないのよ!」


「いいから、やめとこうよ。リン。」



 リンは冒険者達を思いっきり睨みつけた。その眼光の鋭さに、冒険者達も何かを感じたようだ。



「ガキは家でおとなしくしてな!」



冒険者達は捨て台詞を吐いてギルドから出て行った。



「痛てて!」


「アスラ君。大丈夫?」



 受付の女性がオレを抱き起してくれた。頬の辺りに暖かく柔らかい感触がある。思わず殴られた痛さより、そちらに気を取られたようだ。



「アスラ!あなた、鼻の下が伸びてるわよ!」


「そんなことないよ!」



 オレは自分で立ち上がり受付の女性にお礼を言ってギルドを後にした。



「アスラ~。大丈夫?」


「大丈夫さ。あの程度で何ともないのは知ってるでしょ!」


「体のことじゃないわよ!」


「大丈夫だって~!前にも言ったけど、あんなことで怒らないから。」


「ならいいけどね。これからどうするの?」


「宿を探すよ。今日はこの街に泊まるつもりだからね。」


「なら、その前に腹ごしらいしましょ!人間の姿になってからまともな食事してないもん。」


「わかったよ。」


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