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魔王少年アスラ  作者: バーチ君
魔王誕生
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初めてのダンジョン(4)

 全員が立ち上がって再び5階層を目指して歩き始めた。池の端までくると草原が広がっていた。



シュルル シュルル シュルル



 何やら怪しい音が聞こえてきた。



「この音ってもしかして・・・」



 シャリーが怯えた声で言った。



「ああ、間違いないな。スネイクだ。」



 地面を見ると巨大なスネイクが通った跡が残っていた。そして草原の20mほど先にいきなり姿を現した。



「あれはアナコだ!間違いない!」


「シュバルツ!アナコって何よ!」


「事前授業でカレン先生が言っていたじゃないか!見たら逃げろって!」


「そうだっけ?」


「みんな先に逃げて!僕が一番後ろから行くから!」


「わかった!マリア!マイケル!シャリー!行くぞ!」


「うん!」



 全員がアナコから遠ざかるように走り始めた。だが、アナコが僕達を追いかけてくる。足もないのにその動きは速い。巨大な体をくねくねさせながらどんどん近づいてくる。そして一番後ろの僕に襲い掛かってきた。僕は剣を抜いてアナコを斬ろうとした。だが、アナコの皮膚は固くて僕の剣が弾かれた。



「アスラ~!」


「いいから逃げろ!僕は大丈夫だ!」


「わかった!」


「ダメよ!シュバルツ!今回はアスラ一人じゃ無理だわ!みんなで戦いましょ!」



 マイケルもシャリーも剣を抜いてすでに準備をしている。僕はそれを横に見ながら剣を振った。だが、やはり弾かれてしまった。そして、アナコは僕の身体に巻き付いてきた。物凄い力だ。体のあちこちから嫌な音が聞こえる。



ギシッ ミシッ



「アスラー!」



 シュバルツが必死で僕に巻き付いたアナコの胴体に剣を突き刺す。だが、どうにもできない。僕の意識がだんだん薄らいできた。



“全く仕方ないわね~。目立たないようにするのはいいけど、ここで殺されて生き返ったら余計に目立つでしょ!”



なんかリンが怒ってる。



“どうすればいいのさ?”


“アナコの弱点は口よ。口に剣を突き刺すのよ。”



 4人がアナコに剣を突き立てているが、アナコの身体に傷一つ付かない。



「アスラー!死なないで!」



 僕は何とか声を出した。



「シュ、シュバルツ!く、口、口だ!」



 僕の声が聞こえたのか、シュバルツがアナコの横から口めがけて剣を突き刺した。だが、十分ではない。舌を傷つけられたアナコはもがき始めた。



ジュ ジュル ジュ



 僕を拘束しているアナコの力が弱まった。その隙に僕は身体に巻き付いているアナコを振り払い、剣をアナコの目に突き刺した。アナコは必死に逃げようとしている。そして、シュバルツが狙いを定めて逃げようとするアナコの口に剣を突き刺した。



ドサッ



 アナコは光の粒子となって消えていった。



「大丈夫か?アスラ。」


「アスラ!大丈夫なの?」



 シュバルツとマリアが心配そうに聞いてきた。



「ああ、大丈夫さ。でも、一瞬死ぬかと思ったよ。」


「死んじゃ駄目よ!ただの演習なんだから!」


「そうだよ。シャリーさんの言う通りだよ。これは演習なんだから。アスラ君が死んだら大問題になるよ。」


「確かにね。」



 するとシュバルツがポツリと言った。



「俺達が弱いのかもしれないけど、他の連中は大丈夫なのか?」


「そうよね~。私達がこれだけ苦労してるんだから、他の生徒達はもっと大変なんじゃないの?心配だわ。」



 考えてみればそうだ。僕達は決して弱くはない。それでもこれだけ苦労しているんだ。他の生徒達が無事に乗り切れるとは思えない。



「みんな!少し休んだら5階層に行くぞ!」


「シュバルツ!もう少し休もうよ。アスラ君だってそう思うでしょ?」


「だめだよ。シュバルツの言う通りここは危険だよ。先に進んだ方がいい。」


「え———!」



 結局、僕達は5階層に降りていくことにした。渡された案内書によると、5階層はゴブリンだ。ゴブリンであればかなり余裕の相手だ。そう思っていた。



「アスラ君はゴブリンを討伐したことがあるの?」


「まあね。みんなは?」


「俺はあるぜ!あんなのは余裕さ。」


「私はないわ。」


「私もないよ。」



 5階層を歩いていると、草の陰からゴブリンが姿を現した。僕もシュバルツもゴブリンは余裕だ。だが、マリアもシャリーもマイケルすら腰が引けている。



「お前達何をしてるんだ?」


「だって~!人の形をしてるんだもん!」


「相手は魔物だぞ!目を瞑って斬っちまえ!」



え~い!


ビュ~ン ビュ~ン ブン ズバッ



 マリアが出鱈目に剣を振り回すとゴブリンに当たった。そしてゴブリンは光の粒子となって消えていった。それを見てシャリーもマイケルも勇気が出たようだ。おどおどしながらもゴブリンに攻撃していた。



「あ~!結構いたよな~。」


「そうだね。でも、3人がゴブリンを討伐できるようになって良かったよ。」


「もう、ハラハラドキドキよ!」


「私もよ。でも、マリアさんは王女様なのにすごいわね?」


「僕なんか男なのになんか情けなかったよ。」


「こんなものは慣れだ!」


「シュバルツはどこで訓練したのよ。」


「俺か~?俺はアスラとたまに魔物狩りに言ってたからな。」


「そうだったんだ~。アスラ!なんで私を誘わないのよ!」


「悪かったよ。次から誘うよ。」



 その後、順調に5階層のゴブリン達を討伐していった。すると、前方に灯りが見えた。近づいてみるとどうやら上に上がる階段があるようだ。僕達は階段を上がって行った。そして扉を開けると外に出た。



「外よ~!」


「やったわ~!終わったのね?」


「ああ。」


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